駅のホームに佇み、雨が降るのを眺めている。
秋雨。
梅雨とは違うくすんだ色合いを感じる。
雨に色があるのではなく、季節に色があるのでもなく、雨を眺める自分の心模様が秋雨に映っているのだ。
私の今の心の色は、晴れやかではなく、くすんでいるのだろう。
我思うがゆえに我在り。そういうことだ。
今日は山形に出張する。
「こまち」に乗車して、窓外に目を向けると、なんとなく灰色に感じる街が、ひっそりとしている。
窓を這う雨垂れは、こまちが速度を増すにつれ、縦の流れから斜めへ、そして水平の流れへと変わる。
こうしてほやんと雨垂れの様子を見ているのも、気持ちが和んでよい感じだ。
とはいえ、窓外の過ぎ去る景色と心模様ばかりに想いを馳せるわけにはいかない。
今日の仕事の資料を読もう。
今夜は山形泊まりだ。ランチとディナーを励みに、先ずは仕事に専念しなければ。