マグロの「焼け」について! | 築地まぐろ藤田社長ブログ

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「マグロの焼け(ヤケ)」という現象、ご存知ですか?

私のブログの中で時々出てくるワードなので、

少し解説してみます。

一般的には釣り上げる際、

マグロ自身の体温や乳酸値が上昇し、

品質の劣化を招くとされています。

この「焼け」、私達仲買人にとっては大変厄介なもの。

まずは、写真をご覧下さい。





               焼けた部分のアップです



身がボソボソとして、

赤色がきれいに発色していないのがお分かり頂けると思います。

分かりやすく表現すると、お湯をかけて火を通した様な状態です。

食感も悪く見た目も良くないので、

当然商品価値がぐっと下がってしまいます。


この「焼け」、おろすまで分からないのです。

私達が見れる身は、この尾の部分だけ。


尾の方は細くなっているので、


すぐに氷で冷える為焼けないんです。

「焼け」が起きるのは冷えずらい、

胴体の太い中心部分という事になります。

当然商品価値のある部分が劣化する為、

仲買人は大きなダメージを受けます。

焼けを避けたい私達にとって、

「この船のマグロは焼けにくい!」となれば、

当然競り値も跳ね上がります。

この「焼け」という現象を無くす事は、

漁師さんや仲買人にとってとても大きなテーマなんです。

この「焼け」に一番積極的に取り組んでいるのが、

長崎県壱岐の漁師さん達です。

体温の上昇を最小限に食い止める為、

釣り上げる際に一度糸を緩めマグロの興奮状態をときます。

体温が下がったのを見計らって、一気に釣り上げるのです。

掛かったマグロは逃がさずに、すぐ上げたいもの。

緩めているうちに、逃がしてしまう事もあるそうです。

壱岐ブランドを向上させる為の、大変な努力だと思います。

来年になると、私のブログにもたくさん登場してきます。

これからもマグロの品質向上の為に、頑張って下さい! (^^)



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