アベノミクスの大きな目的は二つ
それはデフレ不況からの脱出と財政再建。
脱デフレだけなら消費税を引き上げる必要はない。
アベノミクスの三本の矢
一本目は金融緩和
これは安倍総理の仕事というよりも黒田日銀総裁のお仕事。
確かに円安に振れ株価も上がった。
しかし、金融緩和は実体経済にほとんど影響はないのが事実。
ただ景気の「気」の部分を変える効果だけ。
為替とか株とかの投機性のあるものは「気」が変わるだけでも値動きするもの
しかし、実体経済が伴わなければ一本調子にはいかない。
二本目の矢は国土強靭化に代表される財政出動。
定番の不況対策ではあるが、脱デフレのためのばら撒きは必要。
ただ、財政出動だけなら問題ないが、ここで財政再建のための消費税増税が絡んでくるから難しくなってくる。
消費税というものは消費者が負担するもの。
負担が増えるだけなら財布の紐は硬くなる。
そして、消費者はより安いものを求めるようになり。
デフレ圧力が強くなってしまう。
消費税を引き上げるなら、その負担増に見合うだけの所得の増加がなければいけない。
理想は消費税引き上げの負担増以上の所得の増加。
だから、安倍総理は企業に対して給与の引き上げを要請した。
これは正しい。
しかし、当初ローソンや一部の企業は引き上げを表明したが後が全く続かない。
経団連の本音として給与の引き上げはしたく無い。
少し前に安倍総理は10年間で所得を150万増やす語った。
その後、あわてて菅官房長官が国民総所得(GNI)で150万と訂正した。
GNIは企業の利益まで含むので単純に所得が増えるというものではない。
一番わかりやすい例が小泉内閣時代
小泉内閣時代は国民の平均所得は下がっていった。しかし、企業は利益をあげていたのでGNIはあがっていた。
ここでGNIを出してきたのは、おそらく財務省の悪知恵だと思うが。
以前、杉村太蔵元議員がこんなことを言っていた。
「消費税ほど上げにくい税金は無い、だから上げれるときに上げとかなきゃいけない」と。
杉村氏は現役時代与謝野さんに弟子入りして勉強していた。
与謝野さんは財務省とべったりの人。
この杉村氏の発言は財務省の本音だと考えていいと思う。
給与を引き上げたくない経団連
消費税を計画通り引き上げたい財務省
結果的に給与が引きあがらない(国民の平均所得が引きあがらない)まま消費税を引き上げてしまうと、脱デフレどころかデフレ圧力が強まるだけでアベノミクスは完全に失敗する。
安倍総理はこの二つの組織とどう戦うかにかかっていると私は思う。