名もなき毒 (カッパ・ノベルス)/宮部みゆき
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宮部みゆきにハズレなし。
とは、どこぞの書店で見かけたキャッチ・フレーズだ。
確かにその通りで、これもたいそう面白かった。
タイトルの「名もなき毒」とは、おそらく、人間の悪意のようなもの。
それもはっきりと目に見える分かりやすい「悪意」ではなく、嫉妬や不平不満や、怒りといった、一見して害の無さそうな言葉の中にひっそりと潜んでいる悪感情が、ウソやウワサやニュースを通して、気がつかないうちに密かに広がっていくもの。
漠然として目に見えない、けれど、周囲の人間に致命的な害を与えるもの。
小説自体は面白いが、それが示唆している内容はとても怖い。