精神的にはまだまだ未熟なコドモの私だが、三十代も三年を過ごすと、多少なりとも己の趣味趣向に変化を感じる時がある。
ウィスキーの味が旨く感じたり。
食べるモノに少しこだわりを持つ様になったり。
ギャルのタメ口にときめいたり。
私はいつからか、若者から不意に、何の意図もないタイミングで放たれるタメ口にときめきを感じる様になった。
現場でも、職場でも、日常的に年下との交流が増えて来た今日この頃。
私は、若者にタメ口を聞かれる事が殆どない。
風貌の所為なのか、黒く捻じ曲がった性格の所為なのか。
一度、誰にでもタメ口をきく女子大生のギャルに聞いてみた事がある。
「君は何故、私に敬語なのだい?」
「・・・年上だからっす。」
「君は他の年上にはタメ口じゃないか。」
「・・・えださんの事、そんなに知らないので。」
「君と私が、この職場で出会ってもう4年になるが?」
「・・・えださんは、恐そうなので。」
「君は元K-1ファイターのGさんにもタメ口じゃないか。」
「・・・へへ、すみません。」
「・・・いや、ごめんね。」
それ以上は聞けなかった。
嗚呼、タメ口が
ギャルのタメ口が
聞きたい。
気が付いた時、私はGoogleの検索バーに「ギャル タメ口 カフェ」と入力していた。
あるではないか。
ギャルのタメ口専門店が。渋谷に。
「10sion」(テンション)という名のカフェらしい。これは良い。
但し、一点だけ気になる。敬語禁止だって。
私は、ギャルに敬語を使いたいのだが。