◆血管の構造
血管の壁は、内膜・中膜・外膜の3層からなる。
・内膜 … 単層扁平上皮(内皮)。
・中膜 … 輪走する平滑筋や弾性線維。
・外膜 … 線維性結合組織。
○動脈
・動脈は、中膜が厚く、緻密な平滑筋線維と弾性線維を多く含む。
・心蔵の近くの血管では、弾力性が必要なため、平滑筋よりも弾性線維
の量が多い(弾性動脈)
・末梢(臓器)の中程度以下の血管では、臓器の血流量調節のため、
弾性線維よりも平滑筋の量が多い(筋性動脈)。
○静脈
・静脈は、動脈に比べると壁が薄く管腔の形が不規則である。
・静脈は、中膜が薄く、平滑筋も弾性線維もまばらで弾力性に欠ける。
・静膜は、動脈に比べると血圧が低いため、血流が留まりやすく、
逆流しやすい。
→ 静脈弁 … 内膜がポケット状のヒダをなし、血流の逆流を防止する。
○伴行静脈
・体の深部を、動脈に伴行して走る静脈。
・動脈の拍動の圧力と、静脈弁の機能により、血液が流される。
・静脈周辺の骨格筋によって、血流を促す効果がある(筋ポンプ)。
○毛細血管
・毛細血管の壁は、単層扁平上皮の内皮細胞によって構成され、
平滑筋や弾性線維などは欠ける。
・毛細血管では、ガスや栄養の交換が行われる。
・血漿の一部は、毛細血管を漏れ出て、組織液になる。
・肝臓や脾臓などでは、洞様毛細血管(内腔が広い毛細血管)がみられる。