「最近の葉桜って、回し車の中でぐるぐる走り続けてるハムスターみたいだね。
痩せることも太ることもできなくて、もがいてる感じ。
私もそんな時期、あったけど、
だからって、アドバイスになるようなこと、全然言えなくて……ゴメン」
それを見た葉子は、さすがダイエットの先輩だな、と感心しながら、
すぐに返事をした。
「ホントだ!
今の私、そんな感じだね。
あ、でも、ハムスターよりダメかも……
どっちが前かすら、わかんないんだもん」
太ればいいのか、痩せればいいのか。
こんなに混乱して、苦しい思いをするなら、ダイエットしなきゃよかった、
いや、アイドルなんて目指さなきゃよかった、
とすら考えた自分に、愕然とする。
こんなんで私、やっていけるのかな……
葉子は自分が本当はどうしたいのか、今いちど真剣に考えてみることにする。
痩せたいの? 太りたいの? 痩せたいの? 太りたいの?
心の中で花占いをするように。
本物の花でやる占いと違って、それは永遠に続くとさえ思われたが……
ふいに気づかされた。
いい悪いじゃなく、どうしたいかなら、そんなの決まってるよ。
私、痩せたくて痩せたくてしかたないんだ。