居宅における認知症介護の専門性について考えてみる。 | 最新福祉脳!?夢想転生

居宅における認知症介護の専門性について考えてみる。

※※※※※※結論に達しない書きなぐりですのでご容赦ください。※※※※※※

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、

僕は、NPO法人もんじゅというところで、代表をやっています。
今年度の総会の様子はこちら。
『対人援助業務の職員がもっとキラキラと働ける10年後を!』作りたいわけですね。

また、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、
僕は、認知症介護がダイスキなんですね。

教科書に書いてある、本質的に美しい認知症ケアが提供されない原因の一つに、
ケアスタッフの離職(による、業界全体の底上げが遅いこと)や、
その能力を発揮しきれない現場ってのがあると思っていて、
だったら、現場職員が辞めないでも元気に働ける環境作りや、
能力を遺憾なく発揮できる現場作りに寄与しよう。
ってことで、NPO法人もんじゅをやっています。

きっかけの一つは、
『今の業界の認知症ケアではいけないのではないか。』
ってことがあります。

できるだけ、認知症の人が、
日常の生活を取り戻すことが出来るように支援したいわけです。
なんとなく人と繋がっていたり、生活が安定している日常生活の中で、
非日常の生活があるくらいが良いと思っているわけです。

それから、居宅介護が好きな意味。

僕は、
街の香り、人の顔、毎日が刺激的ではないかもな。
何か、刺激があること無いかなぁ~。
って思って、たまに刺激があるくらいがちょうどいいかな。
と思っています。

さすがに僕も、
毎回の水分摂取は、炭酸というわけには行きません。
ここぞというときの、コーラですね。

さすがに僕も、
空気ばかりを吸い込んでいると、何かが欲しくなるので、
たまには紫色の煙が欲しくなるわけです。

逆だったら大変なことですね。

日常生活を継続させることって、
立派に、幸せなんだと思います。

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認知症介護論については、様々なノウハウが乱立しています。
教科書も分厚くて、大抵は『パーソンセンタードケア』に基づいています。
その人を中心に考えるわけですね。

んで、大抵、不発です。

居宅介護においては、ご家族がいらっしゃる場合、
一緒に住まう人が、認知症のご本人を中心に据えて、
その方に合わせて生活を営むのはなかなか難しいことも多いでしょう。
なんせ、『生活』がかかっています。
働かざるもの、食うべからず。
どうしたって、向こう10年、裕福に食べていけるお金がないと、
一緒に住まう家族が、本人を中心に、家族は周辺で、生きるってことは出来ません。

そこに、パーソンセンタードケアを充て込むと(要求すると)
家族は大爆発します。
介護職にキレるとか、ってレベルじゃなくて、
本来、自分は自分をセンターにおいています。
他者をセンターに置くことは出来ない。
その人の身になって、46時中ケアを提供することは出来ません。
精神的に、継続は難しいでしょう。

そもそも、
居宅においては、
ある一人を中心において生活を営んでいるなんてこと、
ありません。

どれだけ、
家長制度なのか?
どれだけ、
亭主関白なのか?

現代社会では、ごくごくごくごく一部を除いては、家の王様などいないので、
家族構成や家というハコを一つの単位とした、
世帯社会を一つの単位として生活しているはずです。

かあちゃんが、ぶっ倒れたら、世帯は元気ないし、
ねえちゃんが宝くじに当たったら、小遣いをせびるだろうし、
皆が元気なら、家族は元気。
支えあっているはずです。

誰が主役(センター)ってのではなく、
誰もが主役(センター)ってのが世帯でしょう。
もちろん、そこに、
リーダーシップとか、イニシアチブはありますけど、
中心と周辺ってのは無いと思います。

つまり、世帯社会において、
パーソンをセンターにする生活様式ってのは、
未経験です。

すると居宅において、誰かが、認知症をお持ちになったときに、
パーソンをセンターとしたときに、どんな意見があるだろうか?
という代弁機能が必要です。

皆がセンターでいたわけですから、
行動・役割が病気によって弱くなったときに、
世帯の中で、パワーバランスが崩れちゃいますから、
相対的に認知症ではない方がセンターになって、
認知症の方が周辺になりがちです。

つまり、皆がセンターの日常を取り戻すために、
相対的に弱くなった役割などを補完して、
皆がセンターという世帯状況を取り戻すのが、
支援者の役割であると思います。

ご本人が相対的に役割を失ったときに、
ご家族がそれにあわせて役割を削って、パワーバランスを保つよりは、
ご本人に支援が入って、エンパワメントされてパワーバランスを維持するほうが、
いいに決まっています。

それでも、
補完しきれないところについては、
世帯で良い塩梅を見つけましょう。
ってのが最も理想的のように感じます。
(支援者のスキルによっては、
この理想的な状態に極力近づく支援が提供されるのではないでしょうか。
もちろん、逆もしかりです)

居宅は、独居世帯を除いて、
本人と家族が一体的に暮らしているケースなわけで、
本人を中心に、家族が周辺で、生活しているケースは、なかなか難しいわけです。
認知症の本人が自立して食べていける経済状況を作るには、
今のところ、貯蓄しかありません。
なかなか、ご本人がご自分の介護・医療費までをご自分で稼ぐってのは、
未だ難しい世の中だという現実があります。

パーソンセンタードケアってのは、
多分、概念的なものであり、
ケアのノウハウではないでしょう。

居宅においては、パーソンセンタードケアというよりは、
世帯社会センタードケア。
すなわち、一体的に生活をしている世帯社会を中心に
置いた支援が必要なのではないかと思います。

居宅においては、本人だけが、日常生活を営んでいるのではなく、
世帯の構成員や構成しているものが、幾重にも折り重なって、
日常生活を作っていると考えられます。
他人ではないので、本人の日常生活と家族の日常生活の相関は強い。
従って、家族の日常生活の変化は、本人に大きな影響を及ぼすし、
本人の日常生活の変化は、家族に大きな影響を及ぼす。

そして、介護保険法のミッションは、
『可能な限り自立した日常生活を営むことが出来るよう』
だから、日常生活の向かい先は、世帯。世帯社会が安定して毎日を過ごす支援。

本人を形作っているもの(+人)を中心においた
世帯支援が居宅介護の本質ではないでしょうか。
世帯(センター)の中に、家族とか、家、たんすとか、本人、本人の脳みそ・・・。
が包含されているイメージ。ソレに対するケア。
具体的には、世帯内の生活維持をするために、
代弁、代行、自立支援、パワーバランスのモニタリングと、調整ですね。

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一部、認知症講師は、
鼻息荒く、パーソンセンタードケアを実践しようって話になりますが、
概念的なものを、限られた資源で実現するとなると、なかなか難しいように思えます。
居宅においては、パーソンセンタードケアを第一義にすると、
そこで一体的に日常生活を行う家族は、一気に周辺になります。

つまり、家庭生活の中では、本来平等である関係性に、
主従(若しくは、中心と周辺)が発生します。
居宅における認知症ケアってのは、
本人を中心に見るというよりは、
本人自身とその生活を成立させるインフラ(家族、家、地域)
を一体的に捉えて、ソレを中心にする必要があります。
一人のニンゲンとしてその人を捉えるというよりは、
一つの社会として、世帯というユニットを作って、
その社会が健康であるというように見たほうが、わかりやすく、
また、それぞれの権利も擁護されるはずです。

実はこれ、施設だとアプローチ違ってきますね。
もちろん、こっちも不発です。

個で生きる(または、新しい関係性の中で生きる)
という、エクササイズしていない非日常を日常的に提供されます。
家という一種のハコニワと、家族という連帯したクッションを失って、
個が日常になります。

ある意味、人生での大切なものを失っています。
別に、施設入所を批判するつもりはさらさら無くて、
状況の捉え方と考えて欲しいです。

非日常が日常に変わるまで、結構な期間、ストレスを感じます。
ご結婚されているご夫婦の方。
空気(日常)に変わるまでに、たくさん削られるでしょう。
そんなもんです。

高齢になれば、なるほど、変化に対応した後に残された、
日常を過ごす期間ってのは短いのは自明。
そして、認知症をお持ちの方が、適応するのにかかる時間の長さは、
僕らが結婚生活に慣れるまでにかかった時間よりも長そうだと感じます。

もちろん、孤独よりも新しい関係性の中で
高齢によって周りの人を失っていくという経験から生まれる
孤独を埋める役割もあるでしょうし、
ソレを理解した上で選ぶ方もいるでしょう。
リロケーションダメージを感じる方も多いと思います。

住み替えは、
新たなハコニワとクッションを
見つけるまでの時間を確実に失います。
その失ったものと、獲得した後の安定した時間の差し引きで、
本人が感じる人生の満足度も違うでしょう。
もちろん、単純に差し引きではありませんがね。

書きなぐりなので、今日はここまでにします。

また明日~。

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今後の課題ですけど、
ご本人が可能な限り、自立した日常生活を営むってことが大事で、
すると、日常生活の定義ってが必要ですね。
日常生活を構成する要素が違うのであれば、
ケアのアプローチは違うはず。
ってことで、、、

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