小規模多機能の人員配置について | 最新福祉脳!?夢想転生

小規模多機能の人員配置について

僕は、小規模多機能型居宅介護で初めて、
いわゆる『ハコモノ』のサービスをやった。

それまでは『訪問介護』や『居宅介護支援』などをやっていたわけだけど、
そのはじめての事業でたくさんのことを学ばせていただいた。

それは、『制限の中でのマネジメント』の面白さである。

マネジメントの定義?
『目標、目的を達成するために必要な要素を分析し、成功するために手を打つこと。』
です。

小規模多機能型居宅介護の目的、
『柔軟・即時性・家庭的(笑)・認知症の最終兵器』
事業の目的
『継続的な価値の提供』
助成金とっているから、少なくとも、10年は継続可能で、
スタッフがいるから、『10年楽しく!食っていける。』
だよな。

両者の間には圧倒的な違いがある。
『ハコモノ』は収入に天井があること。
『訪問系』は収入が青天井であること。
(だからといって、本当に青天井で収入があるかというと、
そうでもない。世の中それほど甘くはないって事だろ?)

小規模多機能型居宅介護。
200平米で700万円。
このあたりが天井である。

そのようなマネジメントが出来たら、SO GOOD!なわけで、
大抵は600万円台に落ち着くのである。
大体、610万円くらいあればよしとする。
(一人当たり単価25万円で、24.4人)

25人の登録利用者に対して必要な最低限の常勤間残数は
(8時間×6人+16時間×1人+4時間×1人)×30.4日
(日中6人と夜勤1人と宿直1人)
=2067時間。

2067時間を176時間で割ると、11.7人。

つまり、常勤換算数で11.7人の人が必要になる。
まあ、こんなロスのないマネジメントが出来るわけがない。
『ご本人のニーズに即応する』のだから、ここに10%のロスを組み込む。
2273時間=13人。

つまり、小規模多機能型居宅介護を行うためには、12人から13人の職員が必要である。
610万円のうち人件費率を55%とすると、335.5万円。
12人で分けると、28万円/月。=336万円/年
13人で分けると、25.8万円/月。=310万円/年
おお、介護職は低賃金なわけだ。

さて、経営効率だけを考えて、
この世の中で一番イケテイル小規模多機能は、
2067時間きっかり働く小規模多機能である。

2067時間を使って、25人の生活を担保すること。
これが小規模多機能のサービスを組んでいく、もっとも重要なことである。
もちろん、2067時間しか働かないって事ではない。

1人の人間が生きる時間は、(24時間×30.4日=)毎月730時間である。
25人の利用者がいたら、730時間×25=18250時間である。
もし、仮に25人の利用者全てが、ひと時も目を離せない状態であったら、
18250時間必要になる。
小規模多機能はご本人の生活そのものを支える事業ですので、
ここは、訪問介護、通所介護、短期入所生活介護とわけが違うところ。
(それぞれの居宅サービスは、提供時間によって支えられているので、
サービスを使っていない状況を支える必要がそもそもなく、
ここに、居宅サービス計画が介護保険サービス外の支援の手を入れ込むことによって、
ご本人の生活を支える仕組みになっている。
それがない場合、キーパーソンの負担が大きくなることが予想される。)

ところが小規模多機能が提供できる時間は、
スタッフ単位で多くても2200時間。
ご本人の過ごす時間の1割強でしかない。

また、仮に毎日15人の方が7時間ほど通ってこられて、
毎日5人の方が宿泊されて、
一日8時間ほどの訪問がなされた場合、
15×7×30.4+17×5×30.4+8×30.4=6019時間。
これでも、事業所の誰かの目が必ずある状態ってのは、
ご本人の18250時間のうちの、33%である。

従って、『居宅介護で最も決め細やかにニーズに対応できる』と言われている
小規模多機能は、ご本人の生活の1/3を支えるサービスと言うことになる。
スタッフ時間数では1割。
事業所サービス提供時間では3割3分。

残りの時間をどのように満たしていくのか?
と言うことが非常に重要である。

事業所によっては
『人が足りないから、人を入れる』っていう選択をするところもある。
『無理だから、利用者の声を聞かない』っていう選択をするところもある。
『創意工夫して、たくさんの力をテコのように使う』っていう選択をするところもある。

『うちはほとんどマンツーマンでやっています!』
ってのは、通いの人が少ないか、よっぽど専門職だけで支えようとしているのか。
『遠いし、訪問は行きません!』
そもそも、支えられないご本人を登録させておいてはいかんだろう?

残りの66%を誰がどのように担うのか?
これが大事なアセスメントの視点になる。
『ご本人がどの程度できるのか?』
『世帯はどの程度機能しているのか?』
『ご本人の生活を取り戻す力はどの程度か?』
『世帯のキーパーソンが持つ支援の手の効率はどうか?』
『今まで持っていたつながりの力はどうか?』
『つながりの力の再構築は必要か?』

33%をケアスタッフが担って、
66%をケアマネジャーがアセスメントして、
必要資源を組み込み、くどき、そそり、頭下げたり、動く。
緊急で必要なことが多ければ、管理者が特命でスタッフを起用する。
(たとえば新規の方と仲良くなったり、ね)

個別援助技術だけではなく、
集団援助技術なども駆使しながら、
『自助』『互助』『共助』を膨らましていく。

そんなイメージでやっているのよ。
決して、33%を増やそうと思っても、しょうがないと思う。
これを50%にして御覧なさい。人件費は倍以上。
すぐさま、赤字転落ですよね。

『小規模多機能はスタッフの力で全部を見ていく』
ってのは、ちょっと違うよな。
人を増やさないとご本人を支えることが出来ないならば、
制限の中のマネジメントを少し工夫したほうがよいと思われる。

66%のそそり。
こいつが上手な事業所が、結果として
ご本人に一番よい状態を作り上げることが出来るんだよな。

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