好きなものを好きなだけ食べられるというだけあり、世の中には
「カエデ、トウモロコシちゃんキラーイ。」
だとか
「カエデ、ポップコーン、キラーイ!マズイもんっ」
な〜んて言っちゃう輩が多いのも現代社会の象徴ですらありまする。
そんな中、小生は昨今では いと珍しきことかな、嫌いな食べ物は皆無でございます。
食べられないものが無いことは、旅先でもヒトが暮らしていくにおいてもとても便利なことです。
愉快な旅ライフ、豊かな食事を存分に楽しむことができる喜びは計り知れません。
ですがしかしひとつだけ苦手な食べ物があります。
「イナゴの佃煮」これが恐怖でありました。
貧乏だったり裕福だったりした不思議な
幼少期にたまたま知ってしまった「イナゴの佃煮」の存在は恐ろしく
「こんなもの食べられるわけがない」と鳥肌ブツブツにして、背中は悪寒がダッシュしていたのが記憶にございます。
あの触覚
あの妙に角張った手足
今にも鳴き出しそうな姿見
あな恐ろしや。
怖くてたまりません。
ですから、一時は嫌いな食べ物と聞かれて
イナゴの佃煮と答えていた時期もありました。
でも、答えるたびに
「いやいや、食べる機会なんて無いだろうからそんなの嫌いな食べ物に入らないよ」と一蹴され
イナゴの佃煮が嫌いな食べ物だということは心底に置いてきてしまいました。
そんなある日
師匠の「ミャンマー料理食いに行くぞ!」の一言で集まった私たち。
その時には8月からお世話になる先輩芸人さんたちもおりまして
ドキドキした中始まった顔合わせのミャンマー料理でした。
ミャンマー料理の始まり
それは
気持ち悪いですが、この辺りならサラッといけます、わたし。
これもね、グッといけます。
そしてわたしを震撼させたのがこちらだ。
コオロギ。
コオロギ、こわい。
コオロギ?
( ´;ω;` )ブワッ
2分以上も箸が止まる。
そう、この場にいる誰も気がついてはいないが
わたしの唯一の食わずして嫌いな食べ物がコイツなのです。
そんなことはツユシラズのみんなからは
「早く喰えよ〜。もう演技はいいからさ」
なんて声がちらちら。
真面目にこわい。
なんなんだよ!
嫌いな食べ物はイナゴの佃煮って言い続けていればよかったよ!食べる機会に遭遇しちゃったじゃんかー!!
脳内での叫びは悲しく
ただ刻々と過ぎる時間とともに苛立ち始める周囲の視線。
食べました。
サクサクと
食べました。
海老のような食感と味わいです。
新たなコオロギ味があったりして
奇妙な味だったらまたトラウマになっていたでしょうが、味は普通でよかったです。
昨日を境にして
わたしが知るかぎりでの食べ物における嫌いな食べ物は無しになりました。
成長して、変態しました。
今日からわたし、空飛べます。
パタパタパタ〜