最後の弟子? | ふ〜ふの交換にっき

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柴田楓と内田彩菜が交換にっきをやってます。

『麻雀放浪記~青春編~』を読了。

たまたま近所の古本屋に一巻だけ売られているのを見つけて、
「これは運命だら!」
と思い、桜模様の銀貨1枚で買った。

本も人もすべては出逢いだ、出逢い!



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昨日一昨日と通夜・告別式があり、通夜だけ行った。
初めての通夜で、勝手が分からず戸惑った。

多くの人々が悲しみに暮れて涙を流しているなか、
1年前まで麻雀を教えてくれた師匠が眠っていた。

自動卓にコーヒー、お弁当箱、たくさんの本に日本プロ麻雀連盟時代のトロフィー。

なんだか実感がわかず、ただただ 眠るロッキーさんの顔を眺めていた。
周りからはすすり泣く声が聞こえる。

中央には奥さんの桃さんがいた。
桃さんは相変わらずの明るい調子で、逆に参拝者たちを励ましているようだった。

(泣きたいのは桃さんなのにね...)

顔で笑って心で泣く

そんなひとなのである。


帰り道。

1年と少し前に
ロッキーさんと居酒屋で飲んだ日が蘇ってくる。

わたしは毎度のことながら烏龍茶を飲みつつ、ロッキーさんは弱めのサワーか何かを飲んでいた。

麻雀の難しさにうなだれながら、
それでも麻雀の楽しさに魅了されていたあの頃。

タバコも酒も、ギャンブルもやらなければオトコの影響で麻雀をするわけでも無く、ただ麻雀を打つ女子大生を周りは異様な目で見ていたことだろう。

雀荘に来る客の大半がヘビースモーカーであり、タバコを吸わないひとからすれば苦行の場である。
現に何回も聞かれたことがある。

「タバコの煙辛いだろう?どうしてこんなところで麻雀を打つの?」と。


「えー!楽しいからですよ!」と返事をしたのを覚えている。

でも本当はそうではない。
そうでは無く、単に虚しかったからだと思う。何をできるのか、自分が何をしたいのかが分からなかったのだ。
そして同世代の女の子たちと肩を並べることが怖かった。比べられたくもなければ、比べたくもない。現実から目を背けたかったのかもしれない。


そんな時にたまたま麻雀と出逢い、ロッキーさんと出逢い、1年前に居酒屋で

「最後の弟子になるかもなあ」とロッキーさんがつぶやく。


そう一言ポツリと聞いたあの日のことが、店の前を通り過ぎた時に走馬灯のように駆け巡ったのでした。

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