離れなくてはいけないタイプのアスペルガー

どう頑張っても上手く行かず、その人と関わることでいつのまにかひどく疲弊し、それでも離れられなくなっている人がいるのではと思って、この記事を書いた。


その原因の一つに、相手がアスペルガーなどのASD(自閉症スペクトラム)であることがある。

ASDの特徴である他者への無関心や利己的な言動に、ノイローゼになることが多いからだ。

カサンドラ症候群というらしい。


この記事には思ったより反響があって嬉しい反面、注意点もある。

それは、ただ「自分と合わない」という人をアスペ認定、ASDとするのは間違いだということだ。




不快なことをされたのなら、それはきちんと伝えるべき。

表情や態度から汲み取ってほしいというのはわかるが、一度は直接面と向かって言わないと、ASDではなくてもわからないことはある。

単なる誤解や勘違いであることも多い。

自分の意図や感情を組んでくれないのは結構なストレスだし、悪口の一つも言いたくなるのもわかる。

だが、一度も向き合わずに相手をアスペ扱いするのは間違っていると思う。




そもそも、ちょっと仕事で関わりのある同僚や、たまに会う友人では、ASDかどうかなんてわからない。

未だに間違ったイメージを持っている人がいるが、ASDに学歴や職業などの肩書きは関係ないし、外では立派な人ということもよくある。

同居してみて初めて異変に気づく人がいるように、偶然や不注意では済まされない根本的な違いを感じて、やっとわかることも多い。

一方で、ASDっぽい変わり者はいくらでもいるし、ASDだとしても他害がなければいいわけで、変人ぶりが気に入らないからといって排除するのは差別だろう。

そんなに嫌なら自分が離れればいい。

ASDの対応に困っている人は、すぐには離れられないから悩んでいる。




子供がASDだからって捨てる訳にもいかないし、配偶者だって簡単に別れられない。

親がASDでも他に親はいないし、でも親の能力がないなら代わりを探さなければいけない。

仕事のパートナーで実害が出ているなら、まずは会社に報告すべきだし、大事な友人なら直接話し合わなければ始まらない。


人間関係でこじれたときにやるべきことはやって、それでも改善されないときに何か他の原因を考えるべきだと思う。


相手がASDの場合、何かがズレているモヤモヤとした違和感があったりする。

それでも、相手がASDだったら全て相手が悪いということもないし、ASDが原因の全てでもない。

知らなかったとはいえ、定型の接し方が間違っている時だってある。

それによってASDが二次障害を起こしている例も少なくない。




それでも、相手が何らかのASDだと思うのなら、ASDの特性を知って、もう一度関わり直す必要がある。

例えば、「どういうつもりなの?」などのオープンクエスチョンではなく、「何か意図があるの?偶然なの?」「忘れた?それとも理解できなかった?」などクローズドクエスチョンで聞くこと。

また、「言ってることは正しいが状況に合っていないからダメだ」とか、「こんなに迷惑かけてるのに、他人事のようなその態度や言葉遣いが不快だ」とか、具体的に説明すること。

イライラして「こんなこともわからないのか!」と言っても、本当にわからなかったりする上、大声にビックリして頭に入らなくなるので逆効果。

定型からすると、もう腹に据えかねているということも多いが、一度は冷静に一から順に話すこと。


すると、その人と関わる上での限界点が見えてくると思う。

こっちが本気で怒れば少しは変わるだろうぐらいに思っていた相手が、実はまだまだ遠い存在だったということがわかる。

逆に、ちょっと誤解していただけということもあるかもしれない。

何にしても、何らかの結果は得られる。


もし、これくらいの労も惜しむというなら、あなたにとってその人はその程度の存在だということ。

深みにはまらないうちに退散した方がよい。

自分は迷惑してるのにアスペルガーの愛着の対象になんてなったら、心療内科に直行かもしれないのだし。

自分の手に負えない人から逃げるのは、健全に生きる上で必要なスキルだ。

恥ずかしいことでも何でもない。




アスペルガーかもしれない夫と離婚するべきか

ここでも書いたように、中途半端に関わるのが一番良くない。


特に友人の場合。

とても迷惑してる、参ってる、何とかわかってほしい。

でも、それを直接言って相手を傷つけるのは嫌、嫌われて仕返しとかされるのも怖い。

という、自分からは何もせず、だけど自分の気持ちは察してほしいというのが、一番中途半端だ

あまりにも虫が良すぎないか。


相手のために言ってあげるという気も起きないし、今の関係が壊れる覚悟も出来ないなら、皆で陰で悪口でも言って満足していればいい。

それを、「障害者なら助けてあげなきゃ」なんて半端な正義感で向かうから火傷をする。

差別する人だと思われたくなくてする善行など、むしろ当事者には迷惑だろう。


人目を気にしたり、自分が嫌われるのを怖がるような人には、障害者を助けるのは難しいと思う。

なぜなら、当事者が差別される場面では他人のフリをして真っ先に逃げたくなるからだ。

盾になって守れとまでは言わないが、当事者と一緒に闘う気持ちさえないのなら、それはASDの友人をただ失望させるだけではないのか。

いや、庇ってくれたのか裏切られたのかわからないASDもいると思うが、だとすればなおのこと、そんなASDを利用する定型は最低の偽善者だろう。




直接指摘出来ないのに、LINEやTwitterなどのオンラインで言うなんてのは、間違いなくトラブルの元。

それじゃASDとか関係なく、今じゃ小学生から問題になってるイジメと同じだと思う。


オンラインで愚痴をこぼしながらも、家族と、同僚と、友人と、向き合っている人は沢山いる。

そんな人たちには俺もとても励まされるし、勝手に同士という気がしている。

また、お互い頑張ろう。