今回のタイトル「価値を知らないのが相続の元凶」
ここのところ実感しています。
人は誰しも損はしたくないもの。
得はしないまでも損するのは嫌!というのは心理学的にも立証されている人の感情です。
例えば相続財産が2億円あって、それを相続人2人で分ける場合を想像してみてください。
半分ずつとして1人1億円。
完全に平等ですよね?
そう、完全に平等です。もしこれがすべて現金であれば。
でもAさんは現金1億円。
もうBさんは相続税評価額で1億円の不動産。
この場合はどうでしょうか?
現金をもらったAさんはどう思うでしょう?
みなさん想像してみてください。
私は経験上、Aさんがこう思うのではないかと恐れます(みなさんもきっとそうではないかと思いますが。)。
「私は損しているのではないか?」と。
多くの場合はそれは言葉としては発せられないでしょう。
兄弟や姉妹間でそんなことを誰も言いたくありません。
でも、「この辺は相続税路線価より実勢価格の方がずっと高いのではないか?」
という気持ちが晴れることはないかもしれません。
一方、不動産をもらったBさんはどうでしょう?
この場合も同様ではないでしょうか?
「建物がだいぶ古くなってきているから、本当は1億円の価値はないのではないか?」と。
どちらかがこの思いを口にしたときに関係の悪化は決定的なものになってしまうかもしれません。
これが第三者にきちんと見てもらって、その同額だと確認できればどうでしょう?
晴れ晴れした気持ちになることは容易に想像できますよね?
今回は相続が発生した後の話ですが、生前に分ける時だって同じ話です。
遺言を書く際も同じです。
だいたい価値が分からないものを持っているというのも気持ち悪い話です。
みなさん自分が持っているものの価値を知りたくて「何でも鑑定団」みたいな番組が人気があるわけです。
相続した大事な資産であればなおのこと。
その後の活用や売却の際にも事前に価値を知っておくことは非常に重要ですしね。
相続の元凶をそのままにしておきますか?