これは、大体10年前からの記録(汗)であり、霧原菜穂の記憶です。
オンライン物書きを自称する割に、読み物として面白い日記というわけではありませんが……小説を含めて更新していこうと思っていますので、どうぞどうぞ、時間の許す限り、肩の力を抜いて、お楽しみくださいませ。


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2016-09-19

ベルセリア、冒険中(ゲーム中のネタバレなし)

テーマ:霧原雑記

 ネタバレしないように、『テイルズオブベルセリア』について語ろうと思ったのですが……難しいですね。

 正直なところ、前作があーんな感じだったので、あまり期待せず、シリーズ継続のためのお布施のつもりで購入したのですが、これがまぁ面白い。エクシリア→エクシリア2の流れを思い出しました。

 最初は「主人公が復讐って……世界を救うんじゃないのかい」と思っていましたが、冒頭から「何故彼女は復讐に身を投じるようになったのか」がしっかり語られ、そのエピソードが終わった頃は、私も彼女の復讐に付き合う気マンマンでコントローラーを握ります。

 出会う仲間もそれぞれに目的や思惑があり、決して慣れ合いではない、目的があるから手こそ段を選ばないという非情にも感じるシーンがあるのですが、「なんてヒドい主人公なんだ(苦笑)」と思いつつ、嫌な気分が残らないというか、彼女の信念の強さを目の当たりにして納得せざるを得ないというか……後から「実はこんなことがありまして」と語られるよりも、最初にズバッと見せてくれた方が個人的に好きなので、ベルベットと一緒に旅をするのが楽しいです。(前作はアリーシャがいなくなってから楽しさが半減しましてね……テゼルがそこに追い打ちをかけましたからね……)

 そして、作中も決して救われないけれど、その中にある希望が繋がっているエピソードが多くて……考えさせられますし、スッキリしないこともありましが、不快感がないのはキャラクターが魅力的で、シナリオの流れが不自然ではない(ご都合主義ではない)からだと思います。個人の感想です。

 

 まだクリアはしていないのですが、恐らく物語は終盤近いと思います。ベルベットがそれはもう完膚なきまでにけっちょんけっちょんにされて(佐藤利奈さんの演技が凄かったです)、色々あって前より強く優しく美しくなって、パーティーメンバーとも本当に良い関係を築けているので……ラストを見たいような、ずっとゲームを続けていたいような……これは2週目以降も頑張りますよ!!

 今のところ好きなキャラはパーティーメンバー全員とグリモ姐さんかなー。クリアしたら印象変わるかもしれませんが。あと、カップリングはベルベットとロクロウが好きです……もっと色々増えて!!(ヲイ)

 前作のゼスティリアでシリーズを見限ってしまった方も、今作は是非、まずは冒頭の数時間でもプレイしてみてください!! きっと、冒険に出たくなる……はずです!!

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2016-09-11

16年前から何をしていたのか

テーマ:霧原雑記

 プロ野球の広島東洋カープが、リーグ優勝したそうで。

 おめでとうございます。25年ぶりとな……私、生まれてるけどちっとも覚えていません。

 我がパ・リーグ、ソフトバンクホークスがここにきて燻っていますが、最終的には何とかして欲しい。とりあえず1位で終わろうそうしよう!!

 

 さて。

 ここ最近はボイスドラマ関係でジタバタしておりまして、そこでふと、思い返すのです。

 今回はサイト16周年記念でボイスドラマを作りますが、大元は小説サイトなのだから文章を更新しなきゃダメなんじゃないか、とか。

 ダメなんてことはないんですけど、何だか最近、文章を書く時間が減っていることは事実で。

 進めたい物語、動かしたいキャラクターはいるのに、筆がのらないというか文章が降りてこないというか……これまでが本当に感覚で書いてきたんだなということが嫌でも分かります。

 だからこそ、一度錆びついた感覚は厄介で、全盛期のような鋭さを取り戻すのが大変です。全盛期があったのか、そもそも鋭かったのかと考え始めると何だか寂しくなるので考えません。

 でも、とりあえず今は、頂いた声をまとめて、面白おかしく(笑)編集して、1人でも多くの方に聞いていただきたいなーという思いがあります。

 少し形は違っても、創作活動であることに変わりはないので、そのうち「あー文章書きたい文章書きたい!!」と飢える瞬間がやってくる……はず!! その時に『リジカル』は最後まで行ければいいなー。

 ところで……キンプリって面白いんですか?

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2016-08-26

『アイカツ!』の映画を見てきたよ

テーマ:霧原雑記

 ……1週間前ですけど。

 と、いうわけで、今更ながら『劇場版アイカツスターズ!』と『アイカツ!~ねらわれた魔法のアイカツ!カ―ド~』の感想を書き殴ります。安定のネタバレ有りですので、まだ見ていない方はブラウザの戻るボタンで戻りましょう!! 何も知らないほうが楽しめますよ!!

 では、上映順に書いていきます。途中、既に記憶があやふやなので……思い違いな点がありましたら、そっと教えるか、「ププッ」と笑ってやってください。

 

 

『アイカツ!~ねらわれた魔法のアイカツ!カ―ド~』

 いやー、分かっていましたがお祭り映画でした。あかりちゃんが主人公の映画をいちごちゃんが監督で撮影するけど、途中から色々なアイドルを巻き込んで、物語は遂に宇宙へ――

 ……オオゾラッコーンは出てきませんでしたね。地味に期待していたのに。

 あと、新曲は「ないよな……」と覚悟していましたが、実際にないのも残念です。『フォトカツ』で補完しろということですね……。

 内容は突っ込みどころが多すぎるので、突っ込むのを諦めました。うん、アイカツ先生(珠璃ちゃん)の教え子が遂に人間じゃなくなったとか、みやびちゃんとここねちゃんは結婚おめでとうございますとか、ノエルちゃんももっと本編で活躍してれば呪文もあったのにねとか、リサっぺの女医さんがカッコいいとか、瀬名さんの出番少ないとか(あるだけマシか……)、色々本編も思い返しながら見ている私の隣で、娘はぽけーっと画面を見つめていました。恐らく、物語の半分は理解出来ていなかったことでしょう。

 ですが、そんな娘も大満足だったのがライブシーンです。そりゃあ、最後だからキャラクター全員踊らせてよと大人(私)は言うけど、娘はそんなことどうでもいいんです。だって、知っているアイドルが大きな画面で踊っているのですから!!

 組み合わせもちょっと意外というか……ユリカ様とスミレちゃんのロリゴシックペアに、WMに割って入るひなきちゃん、あと、デイトリッパーなみやびちゃんとさくらちゃんが個人的に「おおっ!!」となりました。3rdシーズンのベストアルバムはこの曲ばっかり聞いてます……。

 私はあまりリアルタイムで追いかけたわけではなく、短期(今年に入ってから)で一気に全話を見たのですが……そんな私でさえ、ちょっと寂しい気分になってしまいました。もう、いちごちゃんやあかりちゃんたちのアイカツを追いかけられないなんて……スマホアプリ? これに手を出すと破産するのでやめておきます……デレステだけで手一杯なんです……。

 これまで『アイカツ!』という作品を追いかけてきた人へ送るボーナスステージというか、「こうして、みんなのアイカツはこれからも続いていくんだろうな」と容易に予想ができるような、そんな作品でした。でも、最後だからユウちゃんも踊ってくれて良かったのよ……。(しつこい)

 

『劇場版アイカツスターズ!』

 以前の『劇場版アイカツ!(大スター宮いちご祭りのやつ)』も、美月さんといちごちゃんという2人を軸にした物語でしたが……いやー、今回はゆめちゃんとローラちゃんという2人が、これでもかと思うくらいイチャイ……仲良くしていましたね!!

 仲良くしてましたよ、だって喧嘩は学園長のせいだもの。まさかここまでかき回す存在になるなんて……特定の生徒に肩入れし過ぎだよと思わなくもないですが、俄然、ゆめちゃんが抱える秘密の正体が気になってしまいました。

 あと、真昼ちゃんがちょっと可愛そうになりましたが、お姉ちゃんと仲良くしているシーンがあったのでいいです。

 各所で話題になった(であろう)あの仲直りのシーンの作画もカメラワークも気合が凄まじく、ここまでドラマチックな展開になるとは思っていなかったお母さん(私)は、隣でぽけーっと見ている娘をチラチラ気にしていました。本人はその後のライブシーンで一緒に歌っていましたけど。

 念願のS4全員のライブもありました、が……新曲じゃないのね……『episode Solo』好きだけど、どうせならアニメ本編で4人のステージを見たかったなぁ。(今後あるかもしれませんが)

 そして、わかっていたけど小春ちゃんのライブシーンはカットなの!? あこちゃんと2人で踊るシーン見せてよ……お願いだよ……と、母は心のなかでさめざめと泣いていたのでした。

 そして念願の新曲は、ゆめちゃんとローラちゃんがそれはもう可愛く決めてくれました。新曲じゃないけど、冒頭の『アイカツ☆ステップ!』が4人バージョンなのは新鮮に感じましたね。

 

 アニメでようやく個性が見えてきたキャラクターが、思いっきりアイカツしているのは見ていて非常に楽しかったです。特にあこちゃん。小春ちゃんと一緒に行動しているシーンではとにかくコミカルで、しかもオチが予想できるから「あーあ」と笑いながら見ることが出来ました。正直、アニメ本編では「何だかゆめちゃんに敵意丸出しで苦手かも……」と思っていたのですが、この劇場版で評価が変わりましたよ。今後のアニメ本編にも期待です。あと、マオリちゃんはアイドルとして留学してきていいと思う。

 そして、ローラちゃん……良い子や、ひめ先輩とゆめちゃんのユニットを実現させるために身を引く……良い子や。健気や。だからこそ、そんな純粋な思いを利用したよっしゅn……学園長に怒りさえ抱いてしまうのです。スターライトの織姫学園長や、ドリアカのティアラ学園長もすっごく良い人だったから、その反動もあるのかもしれませんが。

 EDの1枚絵で、各場面の裏側(ステージ直前など)を見せてくれたのも嬉しかったです。でも、あのおそろいのブレスレットは本当にいつ作ったんだろう……誰か教えてください。

 アニメ開始から半年も経たずに映画が公開されて、スタッフさんも大変だったかと思いますが、素敵な作品をありがとうございました!!

 次に映画が公開されることがあれば、また、娘と一緒に楽しく見に行きたいと思います!!

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2016-08-06

【リジスターズ・カルテット外伝】風と大地の協奏曲~香澄と椎葉の初デート!?【香澄✕椎葉=?】

テーマ:創作物語

 何だかブログでは『エンコサイヨウ』の短編ばっかり書いてるので、たまにはこっちもと思ったんですが……いや、よく考えたら『リジカル』はブログで本編を連載しているじゃあないか。(愕然)

 ……ま、いっか。

 いつものカップリングだとありきたりなので、ちょっと挑戦的な組み合わせです。

 正直、書く前の霧原には着地点が見えません!! さぁ、どうなる!?

 

★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。★─☆。o゚。

 

「香澄ちゃん、悪いんだけど……次の日曜日、ちょっと俺に付き合ってくれない?」

 

 それは、夏休みも中盤にさしかかろうかというお盆直前の金曜日の夕方のことだ。

 いつものように雛菊に呼び出され、いつものように久那市中央公園に自力で、ノー交通費でやってきて、いつものように『堕落者』を退治して、さぁ帰ろうとしたあたしの背中に……同じく呼び出しを食らって同じく対処した有坂椎葉が、いつも通りの飄々とした笑みで、何だかよく意味の分からないことを言い出した。

 時刻は間もなく18時。『境界』を解除した雛菊の気配はどこにもいない。夏休みの夕方の公園は、近くにある市民プールから帰る人や、犬の散歩をしている人など、それぞれが通りすぎて目的地を目指している。

 そんな中……広い芝生のどまんなかで立ち尽くすあたしと椎葉は、ある意味異色の組み合わせなのだけど。

 いや、しかし……今、あたしは何を言われたんだ?」

「椎葉……聞き間違いかもしれないから確認するけど、次の日曜日に、あたしに用事があるってことだよね?」

 首を傾げるあたしに、椎葉が笑顔で首肯する。

「まーそういうこと。ちょっと香澄ちゃんに付き合って欲しいところがあってさ。都合悪い?」

「時間は?」

「出来れば午前中、昼ごはんくらいおごるよ?」

「いや、それは自分で何とかするけど……次の日曜日って明後日だよね。うん、模試とかないから大丈夫だよ」

 脳内でスケジュールを確認して承諾したあたしに、椎葉が「ありがとう」と軽く会釈して。

「じゃあ、日曜日は俺とデートね」

 笑顔で爆弾を投下するではないか。

 あたしの脳内に勝手にあった「4人でどこかへ出かける」という情報が、大急ぎで修正されていった。

「へ? デート? 絢芽や奥村先輩は一緒じゃないの?」

「誰もそんなこと言ってないじゃん。俺と香澄ちゃん、2人きりだよ」

 

 俺と香澄ちゃん、2人きり。

 その言葉の意味を理解した瞬間――言いようのない気恥ずかしさが襲いかかってくる。

 

「……えぇぇぇっ!?」

 大声を出して目を見開き、数歩後ずさりをするあたしを……椎葉がジト目で見つめ、大股で距離を縮めた。

「えー? 4人だと思ってOKしたってこと? 地味に傷つくんですけど」

「い、いや、その……何というか、椎葉が4人で出かける発起人&連絡役なのかと思って……違うんだよね?」

 頭が混乱して上手く働かない。周囲に残る蒸し暑さとあいまって、顔が火照っているのが嫌でも分かった。

 狼狽するあたしに苦笑いを向ける椎葉が、一度息をついて、改めてコチラを見つめる。

「違うよ。じゃあ、改めて聞くけど……日曜日、俺に付き合ってくれる?」

「ど、どこで何をするのか聞いてもいいよね!?」

「ダメ、教えない。あ、健全な場所にしか行かないから大丈夫だよ。香澄ちゃんが望むなら不健全な場所でもいいけど」

「なっ、何言ってんの!? っていうか、場所も目的も分からずに「分かりました」って了承出来るわけないじゃない!!」

「えー? これが悠樹なら、二つ返事でOKしてたんじゃないの?」

「いやいや、そんなことしないよ!?」

 疑いの眼差しを向ける椎葉に、必死で否定するあたし。数十秒ほど無言の押し問答が続いて……結局、折れたのはあたしだった。

「……分かった。あたしの力が必要ってことだよね。よっしゃ、よく分かんないけど椎葉を信じて付き合うよ!!」

「ありがと、香澄ちゃん」

 半分開き直るあたしに、椎葉が満足そうな笑みを向けて頷く。そして、右手の人差指を立てて、こんなことを言うではないか。

「あ、水着とタオルは自分で用意してね」

「だからどこで何をするつもりなの!?」

 

 そして、あっという間に日曜日の午前中、時刻は10時を少し過ぎた頃。

 待ち合わせの久那駅バスセンターで合流したあたし達は、椎葉の先導で自転車を走らせ、郊外の方へ向かっていた。

 今日も相変わらず空は高い。帽子を被って日焼け止めも塗っているけど、ジリジリした日差しに肌が焦げそうだ。

 額や首元に汗がジワリとにじむ、そんな状態で走り続けること10分程度。椎葉が自転車を止めたのは――

「……へ? 保育園?」

 なんとビックリ、郊外にある保育園の門の前ではないか。

 日曜日なので園はお休み。いつもは騒がしいであろう園庭にも建物の中にも人の姿はなく、うるさく自己主張するセミの鳴き声だけが響き渡っていた。

 自転車から降りた椎葉が、ウェストポーチから取り出した鍵で、簡単に門を開く。

「え? ちょ……椎葉、どうして鍵なんか持ってるの?」

「いいからいいから。自転車ごと先に入っちゃってね。俺は門を施錠しなきゃいけないから」

「はぁ……」

 ここで立ち止まっても意味が無いので、とりあえず自転車ごと門をくぐるあたし。

 後ろからついてくる椎葉の考えが一切理解出来ないまま……あたしは1人、誰もいない保育園を眺めるしかなかった。

 

「と、いうわけで香澄ちゃん、今からプール掃除するよー」

「……はい?」

 

 プールの脇にある大人用のトイレで着替えを済ませ、学校指定の水着の上からTシャツと短パン、ビーチサンダルに身を包んだあたしは……水のない、空っぽのプールのどまんなかで、デッキブラシを持って立ち尽くしていた。

 保育園用のプールなので、屋根付きの屋外に、10メートル✕5メートル✕50センチくらいの、浅くて小さな箱が1つ。後は先程着替えに使った女子トイレと、荷物を置く棚、消毒用のシャワーが見える。

 同じく身支度を済ませ、Tシャツに膝丈の水着、サンダルという出で立ちの椎葉が、水が出ているホースを持って、ニヤニヤしながらあたしを見つめている。

「残念だなー。もっと色気のある格好を期待してたのに」

「嫌な予感がして、濡れても良い洋服を持ってきて正解だったわね。っていうか……どうして椎葉が保育園のプール掃除なの?」

「俺がしばらく施設の世話になったって話はしたよね? そこの運営母体がこの保育園も経営してて、卒業生は大体こき使われんの。プール掃除とか草取りとか、焼き芋の枯れ葉集めとかね」

「そうなんだ……でも、なんであたしを?」

 たまたま一緒にいたからだろうか。何となく尋ねたあたしに、椎葉が建物脇の女子トイレを指差す。

「ほら、そこに女子トイレがあるでしょ? 別に俺が掃除してもいいんだけど、ご近所のオバサマに見られたら園の心象も悪くなるから、トイレ掃除は女性がいいって言われたんだよ。本当は司が俺と一緒にやる予定だったんだけど、ちょっと都合が悪くなっちゃって……香澄ちゃんに白羽の矢を立てたってわけ」

「なるほど……じゃあ、最初からそう言ってくれればよかったのに」

「いいじゃん、香澄ちゃんが俺とのデートを受けてくれるかどうか試したかったんだよ。最近は悠樹とばっかり仲良しだからねー」

 意味ありげな横目で見つめられ、あたしは慌てて首を横にふった。

「べ、別に仲良しなんかじゃないし!! 椎葉だって知ってるでしょ? 色々あって大変だったんだから!!」

「うんうん、そうみたいだねー。椎葉くんも、その話は後でゆっくりじっくりねっとり聞きたいと思っていたんだけど……おりゃっ★」

「うわ冷たっ!?」

 唐突にホースの先を指で潰し、あたしの右肩に水をぶっ飛ばす椎葉。

 水が大きくはねて弾ける。髪の毛や頬から、雫が滴り落ちた。

「し~い~ば~っ!!」

「ホラ香澄ちゃん、さっさと掃除しないとお昼過ぎちゃうよー」

「だっ……だから水をかけるのをやめてってばぐふ冷たい……このっ……!!」

 その後も容赦なく水をかける椎葉に、何とかデッキブラシを振り回すことでプールの底にたまった水を巻き上げ、応戦するあたし。

 水しぶきが宙を舞い、太陽の光をキラキラと反射していく。

 そんな戦いを続けること5分……掃除を始める前に、お互いずぶ濡れになってしまった。

 水着の上からまとわりつくTシャツと短パンが地味に気持ち悪い。開始前にゲンナリしているあたしへ、脳天気な椎葉が追い打ちをかける。

「うんうん、Tシャツが張り付いていい感じだねー」

「さ、最低なんですけど!? こうなったら『颯』でプールの底ごと吹っ飛ばすからね!?」

「その発想は非常に物騒だよ香澄ちゃん……さて、そろそろ真面目に掃除しますかねー」

「最初から真面目にやりないさいよ!! ったく……!!」

 あたしにくるりと背を向けて、壁や周囲に水をまきはじめる椎葉。

 その背中にため息をつきつつ……デッキブラシで床掃除を始めるあたしなのだった。

 

 プール掃除と言っても、今の時期は日常的に使われているし、水は毎日交換しているということで、あまり目立った汚れもなく……周辺も含めて小一時間程度で、掃除は滞り無く完了した。

「お疲れ様、今日はありがとね」

 近くのコンビニでアイスとジュースを調達してきた椎葉が、着替えを済ませて屋根の下のプールサイドに腰を下ろしていたあたしに、袋を差し出す。

 遠慮せず受け取って、中に入っているガリガリしたアイスを袋から取り出した。一口くちに含むと、爽やかなソーダが口の中に広がり、急速に冷やしていく。うん……肉体労働後のアイスは格別!!

 あたしが1人で幸せに浸っていると、隣に座って同じアイスを食べはじめた椎葉が、意味深な瞳であたしを見つめた。

 そして――

 

「香澄ちゃんは、悠樹のことが好きなんだよね?」

「ふぐっ!?」

 

 唐突な質問に、氷のカケラがヒュッと喉の奥へ入り込んでいく。むせないように必死で我慢しながら呼吸を整え……あたしは、椎葉をジト目で見つめた。

 だって、その顔が……何でも知ってるって言いたそうに見えたから。

「……何それ。質問じゃなくて確認ってこと?」

「まぁ、そうなっちゃうよね。香澄ちゃんは分かりやすいけど分かりにくいから、俺も正直、100%の自信はないし」

 分かりやすいけど、分かりにくい。

 初めて言われた評価に、思わず眉をひそめた。

 だって、今まではずっと……明るいとか、単純とか、分かりやすいとか、そんな評価ばかりだったから。

「何それ……あたし、バカにされてる?」

「いいや、香澄ちゃんは元気で明るくて真っ直ぐな女の子だと思っていたけど……俺達に亜澄ちゃんとのことをギリギリまで悟らせなかっただろ? だから、香澄ちゃんが本気で隠してるなら簡単には分からないだろうなー、って、俺は思ってるからね」

「……」

 そう言われると黙るしかない。あたしが3人に亜澄のことをひた隠しにしていたのは、紛れも無い事実なのだから。

 

 だって、怖かったから。

 イメージと違う自分を他人にさらけ出すことが、どうしても。

 

 視線をそらして、無言でアイスを食べるあたしに、椎葉は残りを素早く食べ終え、「外れか……」と、棒を袋の中に片付けてから。

「まぁ、人は誰しも仮面を被ってるとは思うけどね。だから俺は安心したよ、香澄ちゃんも俺達と同じで、ずっと強かったわけじゃないんだなって」

 そう言って、コンビニの袋からペットボトルのコーラを取り出した。

 あたしもアイスを食べ終えて残った棒を袋に片付け、視線を前に向けたまま……ポツリと呟く。

「……あたし、強くないよ」

「いやいや、そんなことないでしょ。プールを床ごとぶっ壊そうなんて発想、よっぽど強くないと無理だよ?」

「茶化さないでよ!! そういうことじゃなくて……!!」

 思わず大きな声を出したあたしに、椎葉は蓋を開けたコーラを差し出して。

「ん、分かってる。香澄ちゃんが強くなろうと頑張ってること、ちゃんと知ってるよ。俺も、絢芽ちゃんも、悠樹も……多分、亜澄ちゃんも」

 差し出されたコーラを一口、口に含んだ。冷たい液体が喉を通って、体の奥へ染み渡っていく。

 改めて、視線を前に向けた。先ほど掃除したプールの床には水たまりが残っていて……隙間から差し込むヒカリを反射している。

 この水たまりは、いずれ消えてしまうものだ。ここには新しい水が入る。その一部になるのか蒸発するのかは分からないけど……小さな水たまりは消えて、大きな水の束になる。

 1人だと思っていたあたしも、いつか、消えるだろうか。

 弱い個人は消えてしまって、椎葉や……絢芽や、奥村先輩や、雛菊や……亜澄や蓮華、全員が1つになるような日は来るのだろうか?

 今はまだ分からないし、現状からは想像も出来ない。

 だけど、あたしは――

「……少しは、強くなれたかな」

「いやー、十分強くなったよね香澄ちゃんは。相変わらずたまに無鉄砲だけど」

 ……うぐ。

「それは……ゴメン」

「自覚してるなら大丈夫だよね。じゃあ、そろそろ質問を最初のやつに戻すけど……悠樹のこと、特別に思ってる?」

 どうしてだろう、普段ならばここであたしが怒って、椎葉に再び突っかかるのがセオリーなのかもしれないけど。

 でも……今のあたしは、不思議とそんな気分になれなくて。

 

「……うん」

 

 自分で一言呟いてみると、どこか、心がスッキリした気がした。

 今まで誰かの前で口に出したことなんかなかった、あたしの心の中にある声。

 そんな声をスルリと引き出してしまう椎葉は……改めて、油断ならないと思うけど。

 でも、どうしてだろう。何でも包み込んでくれるような……大地みたいな、大きな包容力を感じたんだ。

「椎葉には敵わないなー……あたし、こんなこと言うつもりなかったのに」

「フッフッフ、俺のことを見くびってもらっちゃあ困るぜ!! あ、そのコーラ、俺ももらってもいい?」

「え? うん、いいよ」

 何の躊躇いもなくコーラを手渡すあたしに、椎葉は一瞬口ごもった後……。

「……あ、そっか。2人は付き合ってないのにキスしてるっつーただれた関係だったっけ」

 あたしをニヤニヤした眼差しで見つめ、コーラを一口あおる。

「ただれた関係言うなっ!!」

「んぐ……でも、事実でしょ?」

「そ、れは……それはそうですけどっ!! でもあれは、要するに『堕落者』の不可抗力で……!!」

 尚も言い募ろうとするあたしを手で制した椎葉は、コーラの蓋をしめながら立ち上がった。

「ハイハイ分かりました。続きはファミレスに移動して、ゆっくりじっくり聞いてあげるから。なんだったら悠樹も呼び出してあげよっかー?」

 そう言って、あたしを見下ろす。

 その眼差しはいつも通りの、飄々として、掴みどころがなくて……どっちが風なんだか分からない、いつも通りの有坂椎葉。

 先ほど感じた、まるで大地のような包容力は幻だったのか……と、頭が痛くなるけど。

 でもそれが、あたしに必要な仲間なんだ。

「も、もう……やっぱり、椎葉はあたしをバカにしてるーっ!!」

 太陽が高くなっていく、日曜日のお昼前。

 あたしの大声と椎葉の笑い声が周囲にこだまして、プールに残った水たまりが、陽の光に大きく反射した。

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2016-08-05

【エンコサイヨウ外伝】まずは花火から【ユカと政宗と愉快な仲間たち】

テーマ:創作物語

 テレビでもラジオでも、仙台七夕まつり仙台七夕まつりと言っているので(当たり前)……何だか妄想力が刺激され、小話を1つ書いてみることにしました。

 ユカと政宗とか書いてますけど、他のキャラも何となく出てきます。がっつり恋愛的な絡みは……当然ながらありませんが、ちょっとくらい政宗に夢を見せてやろうと思いました。(上から目線)

 

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「ねーねー分町ママー、仙台の七夕祭りって、行ったことある?」

 8月5日の昼下がり、仙台市内にある『東日本良縁協会仙台支局』内にて。

 外のうだるような暑さをブラインドで遮り、クーラーが程よくきいた室内で事務仕事をしていたユカが、頭上をのんびり漂っている分町ママに問いかけた。

 現在、室内には2人のみ。政宗は外回り、統治は聖人――伊達先生のところへお使いだ。今日は蓮が来る日ではないので、いつもの3人+分町ママという布陣である。

 ユカの質問に分町ママは白いロングワンピースを翻して空中で足を組み替え、ニヤリと笑う。

「当然、行ったことあるわよ。なんてったって、国分町にお店持ってたからね。まー、詳しくは覚えていないけど……仕事始まる前に一通り見て、飲んで、仕事してたかなー」

「昼間から飲んどったどね……まぁ、お祭りやけんね……」

「そういえば明日からね。ってことは、今日が花火大会か……ケッカちゃん、行かないの?」

 流し目で斜め上から尋ねられたユカは、パソコン内の文書を保存しながら、首を横にふる。

「だって、それはもう恐ろしく、すっごく混むっちゃろ? あたし、まだ仙台の地理に詳しくないけんが、本気で迷子になりそうやし……」

 ユカが仙台にやってきて数ヶ月、何とか周辺の地理は把握しているものの、たまに迷う。

 ましてや、花火大会という非日常の空間は、人の方向感覚を更に狂わせるだろう。今のユカには、日付が変わるまでに帰還する自信が全くない。

 そんなユカに、分町ママは「だったら」と右手の人差し指をたてて、こんな提案をする。

「政宗君とか誘えばいいじゃない。彼に頼めば、今からでもあらゆる手段を使って有料観覧席くらいゲットしてきそうだけどねぇ」

 刹那、ユカがジト目で分町ママを見上げた。

「えー、政宗ー? 結局代わり映えせんっちゃんねー……分町ママはいいなー、特等席から見放題やん」

 肉体を持たず、霊体のような状態でどこへでも行ける分町ママは、当然、人混みを気にせず、好きな場所から花火を楽しむことが出来る。

 羨ましいと茶化すように言うユカに、分町ママは少し苦笑いを浮かべ、言葉を返した。

「あら、それくらいの特権は許して欲しいわ。それに、暑さを感じて、美味しいものを食べて、楽しい思い出を作れるのは……生きてる間だけよ。あたし達『痕』は、所詮、感覚は全て幻想だしね」

「そうやろうけど……あ、じゃあ、分町ママ一緒に行こうよ、っていうか、穴場スポットに連れてってよー」

 分町ママならば土地勘もあるので、あまり知られていない花火観覧スポットに案内してくれそうだ。そんなユカの希望を、分町ママは笑顔でばっさり切り捨てる。

「ダメよ、あたしはご近所さんと慰労を兼ねて、上空から高みの見物って計画なんだから。だから、政宗君に連れて行ってもらえばいいじゃない。彼、絶対暇よ?」

「その言い方も悪意を感じるけど……っていうか、なんでさっきから政宗ばっかり? 統治は?」

「えっ!?」

 キョトンとした表情でもっともな質問をするユカに、分町ママは一瞬口ごもりつつ……。

「統治君は、そのー……そう、心愛ちゃんの付き添いで大変なんじゃないかなって」

「そっか、心愛ちゃんも誘えばいいっちゃんね!! 里穂ちゃん……は、仁君と2人がいいやろうけど、声くらいはかけたほうがよかやか……?」

「……そこまで気遣いが出来るのに、どうして政宗君には気遣いが出来ないのかしら……」

 分町ママの独白はユカに届かず、溜息とともに消えた。

 次の瞬間、扉が開き……スーツのジャケットとビジネスバックを小脇に抱えた政宗が入ってくる。

 前髪が汗で少しはりつき、顔は疲れきっていて……全体的に干からびていた。

「暑い……暑いぞ……これは暑い……」

「あ、政宗お帰りー。ホットのブラックコーヒー飲む?」

「最低の嫌がらせを提案するな!! 冷蔵庫にマウ●トレー●アの冷たい奴があるだろうが!!」

「ほら、心頭滅却すれば火もまた涼しって言うし」

「俺は今すぐ体を冷やしたい気分なんだ!! あー……大声出したら余計に疲れが……」

 カバンとジャケットを乱暴に自分の机に置いた政宗が、そのままの足で壁際にある冷蔵庫に向かい、中にあるアイスコーヒーを一気に飲み干した。喉の音がCMに使えそうなほど、いい飲みっぷりである。

 冷蔵庫はユカの席の斜め後ろにあるので、ユカは椅子ごとぐるりと後ろを向くと、一服して背中を緩めている政宗を、じーっと見つめた。

 その視線に気づいた彼が、肩越しに振り返る。

「何だよケッカ、ケッカの分も買ってあるから、飲んでいいぞ」

「外、そげん暑かったと?」

「ああ……今日の最高気温は32度だそうだ……実際は照り返しもあって、もっと高いんじゃないか……?」

「なんだ、35度超えとらんやん。福岡の最高気温は36度ってテレビで言いよったよ」

「体温の国の福岡と一緒にしないでくれ。30度を超えるだけて仙台は干上がるんだよ……」

 ゴミを冷蔵庫脇のゴミ箱に放り投げた政宗が、自席に戻って、とりあえず無造作に放り投げたジャケットを自分の椅子の背にかける。

 次に、立ったままで鞄の中から何やら書類を取り出しつつ……ため息をついた。

「明日以降も暑いみたいだ。まぁ、七夕の季節は大体こうだけどな」

「そっか……じゃあ、やめとこうかな」

「やめる?」

「うん。今日は夜に花火大会があるっちゃろ? 政宗に連れて行ってもらおうと思ってたけど……夜も暑そうやね」

「……俺の予定も聞かずに計画を立てたことにはとりあえず突っ込まないでいてやるが……ケッカ、花火見たいのか?」

 意外だと表情で訴える政宗に、ユカは素直に頷く。

「うん、まぁ……折角だし。政宗、どうせ夜は1人で家呑みやろ?」

「いやまぁその通りですけどねケッカさん……あー、そっか、ケッカはあまり、こういうことは好きじゃないかと思ってたんだが……」

 そう言って視線をそらす政宗に、ユカは目を丸くしてしまう。

 別に、お祭りに興味がないわけでも、ましてや嫌いなわけでもない。むしろ、好きな部類に入るくらいなのに。

 暑い中動きまわるのは嫌いだ、とか、政宗にそんな話をしただろうか……と、脳内で過去ログを検索しつつ、とりあえず本人にその判断の理由を聞いてみることにした。

「あれ、そうなん? そんな話、したっけ……どちらかと言えば好きなんやけど、どうして?」

 意味がわからないと首を傾げるユカに、政宗は決まりが悪そうに視線を逸らしたまま……言葉を絞り出した。

「何というか、俺の勝手なイメージなんだが……ケッカが自分と同年代の子を見たら、その……辛いんじゃないかと……」

「……」

 予想外の理由に、ユカは思わず目を丸くしてしまう。

 むしろ、その発想がなかった。自分の体が年齢と見合わないのは当たり前で、同年代の子と自分を比べても無意味だと思っているから。

 ただ……政宗はずっと、心の何処かで気にしていた。

 同じくらいの年令の女の子が着飾って、友達や家族と楽しそうにお祭りを楽しんでいる。そんな『普通』をユカから奪った、その原因の一端を担うのは自分だ――と。

 しかし、ユカにしてみれば……そんなもの、小さな親切大きなお世話、である。

「……そげなこと、言ったことないやろ?」

 ため息混じりに呟くと、ユカは椅子のキャスターを使って政宗の隣まで移動した。

 そして、苦い表情で自分を見下ろす彼を見上げ、口角を上げる。

「じゃあ、今年は政宗があたしを花火に連れて行ってよ。あたしがお祭りを楽しんどる様子を見たら、あたしが辛いなんて……そんなこと、思わんようになるやろ?」

「それは……」

「政宗、改めて言っとくけど……あたしはね、今の自分が辛いとか思ってないよ。そりゃあ確かに、たまにしんどいこともあるけど、でも……今はこうして、政宗が近くにいてくれる。こうしてすぐに、顔を合わせて話が出来るやろ? それだけで大分ストレス発散になる」

 ここで初めて、政宗はユカの方を向き、椅子に座る彼女を見下ろした。

 そこにいたのは、10年前から外見がほとんど変わらない……強い内面もちっとも変わっていない、むしろ強化されているユカの優しい笑顔。

「花火、連れて行ってくれる?」

 彼の気持ちを10年間捕らえて離さない、どうしようもなく魅力的な1人の女性だった。

 政宗は再度ため息をつき、自分も椅子に座って、ユカとの目線を知覚する。

「……分かった。迷子になって呼び出されるなよ?」

「それは……が、頑張る!!」

「自信ないのかよ……ま、花火は日が落ちてからだから、報告関連の書類の提出は今日までな」

「わ、分かっとるよ!! ちゃんと用意しとるもん、あとはプリントアウトするだけやけんがっ……!!」

「それは頼もしいな。とりあえず、帰ってきたら統治にも声かけてみるか……無駄だと思うけど」

 チラリと斜め前にある統治の席を見やり、政宗が苦笑いを浮かべる。

「無駄? どういうこと? 統治は心愛ちゃんの付き添いってこと?」

「いやーまぁ……本人に聞けば分かる」

「?」

 

 数十分後……お使いから帰ってきた統治に、ユカは花火大会へ一緒に行こうと誘ってみた。

 自分の席でノートパソコンを起動している統治は、表情を変えずに返答する。

「申し訳ないが……俺は遠慮させてもらう」

「表情と口調がちっとも申し訳無さそうじゃないっちゃけど……やっぱり、心愛ちゃんの付き添い?」

「いや、ああいう露店で売られている食べ物は、どんな衛生状況で調理されたものなのか分からないからな。あと、そもそも人が多すぎるから、ちゃんとした店で食べることも難しいだろう。空腹のまま見上げる花火は……どこか虚しいぞ」

「な、なるほど……」

 過去に嫌な思い出でもあったのか、心なしか表情が曇った統治に、これ以上突っ込むこともできず……ユカは、先ほど政宗から突っ返された報告書の直し作業に勤しむのだった。

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