今日の思いつき・・・5月6日 水曜日 ゴムの日 | Good & New From TOKYO

今日の思いつき・・・5月6日 水曜日 ゴムの日

本心のインクNo.12
ぼんくら(宮部みゆき)

長編の推理小説というのを
いつ読んだのか思い出せない。

「本所深川ふしぎ草紙」で
江戸の下町人情を堪能したついでに
上野駅の明正堂書店で手にしたのが
この本。

蛇足だが
待ち合わせのついでに
上野の本屋に立ち寄ることも
多くなった。
生活の場というのは
人とのつながりの中で
刻々と変わっていくらしい。

さて本題に戻る。

最初の五編を読み進んでいくと
先の「ふしぎ草紙」と同じで
一話完結の物語と勘違いしてしまう。

実はこの五編は
周到に用意された複線に過ぎない。
430頁におよぶ最後の一編
「長い影」の中で
複雑に絡み合った人情が解きほぐされ
また結びついていく。

推理小説なのに
真犯人はだれなのか
という一点のみが
照らされることはない。

「本当のことが外に漏れることはないのですね?」
と総右衛門が慇懃に訪ねると
「本当のことなんて、どこにあるんだよ?」
と本所深川方の同心、平四郎は答える。

人々の思いの中の
どこまでが本当で
どこまでが嘘だなんて
そんな単純なものじゃない。

わかり合えないときもあるかもしれないが
うまくゆかないこと
悪いことがあっても
どこかで思いは通じる。
だから焦らず生きていくんだよ。

宮部さんの小説は
そんな幸福感を教えてくれる。

ぼんくら〈上〉 (講談社文庫)/宮部 みゆき

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ぼんくら〈下〉 (講談社文庫)/宮部 みゆき

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**追伸**
連休最後の雨というのもいいですね。
心と身体を落ち着かせてくれます。
昨日はグラン・トリノを鑑賞しました。
友だちが泣いているの見て
じ~んとしちゃいました。

福岡でちょっと出しゃばり過ぎました。
人の気持ちを思いやりながら
生活していくことの
難しさや大切さを少し勉強しました。
まだまだです。

皆さんにとって
素敵な水曜日になりますよう。