世界の大友克洋によるエーベルバッハ少佐のパロディ | 親愛なるエロイカへ

世界の大友克洋によるエーベルバッハ少佐のパロディ

SOS大東京探検隊(大友克洋著)

©大友克洋「SOS大東京探検隊」
短編「猫はよく朝方に帰って来る」収録

(1,200円 講談社 1966/2/6)

漫画家であり、映画監督でもある大友克洋による短編作品
「猫はよく朝方に帰って来る」('81年)。

秋田書店発行プリンセスGOLD2009年1月特大号の別冊付録
「エロイカNAVI」にチラリと紹介されている。

漫画作品では「AKIRA」('83-'93 講談社)、「童夢」('93 双葉社)、
映画監督としては「MEMORIES」('95)、「スチームボーイ」('04)の作品等で知られ、国内ではその独特の画風や作風に影響を受けた漫画家は数知れず、海外でもAKIRAの大ヒットで今や「世界の大友」になった
その大友克洋が、「エロイカより愛をこめて」のエーベルバッハ少佐のパロディをひそか(?)に書いてたとは…… 。

青池保子氏自身は、後から編集者さんにこの作品のことを教えてもらって(いい意味で)驚いたそうな。
こういうのっていちいち原作者には断らずに書いちゃってもいいのか。

この少佐がモデルらしき人物は、名前は出ないがイケメンの私立探偵である。
なんでも、叔父さんの興信所からのこぼれ仕事でなんとか食いつないでいるらしく、
事務所で待機中は大友克洋のマンガをメガネで読む(笑)。

そのパロディ探偵さんご本人いわく、そもそも 顔の良さ故に
サラリーマンのような堅気な職業にはつくことができず、
よって自分の顔が嫌いだという。

ナルシストか?


でもケンカはめっぽう弱い。
なぐられそうになると抵抗せず、「顔だけはなぐるな」とせがむ。
嫌いと言いつつも大事にしている自慢の顔のようだ。
どうやら原作(?)の少佐より軟弱人物か。

白っぽい画面、淡々としたストーリーの進行。ただようドライ感。こなれたデッサン力。

15年近くも前に読んでいた大友克洋の作品感がなんだか懐かしい。


「大笑いだぜ」のセリフあり。



この24ページの短編作品、ご興味のあるかたはぜひ。


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