来年はボンの人口が増えるかもしれない
来年はボンの人口が増えるかもしれん
前回の記事の続き。
13巻初め、新しい任務のためにアラスカに左遷した部下たちを召還した少佐。
戻って来た部下は -----
© 青池保子著「エロイカより愛をこめて」13巻 P.31/秋田書店
- 少佐:(モノローグ)
- What the--?!
- なんだ この連中は-------- !
- Here I worked myself to the bone --
- おれが骨身をけずって忙しく働いていたというのに
- -- and these nitwits look like they stayed at Club Med!
- まるまると肥え太りのどかな面を並べとる
- Disgraceful prats!
- ったくけしからん連中だ ------!
Aoike Yasuko「From Eroica with Love」Vol.13 P.32/CMX/Dc Comics
そして、少佐はそんな部下たちを前にして
「これだけ“健康そう”なら多少のムリをしてでも任務に励んでくれるだろう」と
皮肉の一つを言うと、明日の出発を前に一日だけ家族との時間を許す。
何気にすごいセリフを口にする少佐だが、CMX訳はもっとリアルだ。© 青池保子著「エロイカより愛をこめて」13巻 P.36/秋田書店
- 部下たち:
- Wahoo! Wiffey, here I come!
- やっと妻に会える-----♡
- On my way, baby!
- ダーリン 今から帰るよ♡♡♡
- 少佐:(モノローグ)
- We'll see a population boom in nine months...
- 来年はボンの人口が増えるかもしれんな
Aoike Yasuko「From Eroica with Love」Vol.13 P.34/CMX/Dc Comics
We'll see a population boom in nine months....
(9ヶ月後にはボンの人口が急増するだろうな…)
9ヶ月などと具体的な期間を書かれると、少々生々しいような。
そんな必要があるんだろうか。
CMXの訳を見ていて常に感じることは、オリジナルの日本語でやんわりほのめかしている内容を
ぐっとダイレクトな表現に置き換えてしまう傾向があることだ。
もちろん原語の性質もあるだろうし、翻訳者の訳色もあるだろう。が……
We'll see a population boom in the next year.
(来年にはボンの人口が急増するだろうな…)
どうだろう。
欧米人だって意味わかるだろう?
…いくら英語だって、強いんだよね、 訳が。