千葉出身社労士のブログ

千葉県千葉市の社会保険労務士事務所のブログです。社会保険労務士業務に限らず、幅広いテーマを自由奔放にお伝えしますので宜しくお願い致します。

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求められる熱中症予防対策!!


ここ数年、職場における熱中症による死傷者数は400人から500人台と高止まりしており、暑さが本格化している今夏についても熱中症への積極的な対策が求められます。今年2月には厚生労働省から熱中症対策に関する通達(平成28年2月29日 基安発0229第1号)が出されていますので、今回はこの通達の内容を中心に、求められる熱中症予防対策を確認しておきましょう。

1.熱中症予防対策の重点業種とされた建設業等
 昨年の職場における熱中症による死亡者数(平成28年1月末時点速報値)は32人と例年より多く、特に建設業および建設現場に付随して行う警備業(以下、「建設業等」という)を合わせた死亡者数は19人と、猛暑であった平成22年の死亡者数と同数となっています。そのため、今年は建設業等が熱中症予防対策の重点業種とされています。

2.屋外作業を中心に特に留意すべき内容
 この通達の中では、熱中症予防として、基本対策の中でも、特に屋外作業を中心に留意すべき内容として、主に以下の内容をとり上げています。

(1)WBGT値(暑さ指数)の活用
 WBGT測定器の設置以外にWBGT値を求める方法として、環境省熱中症予防情報サイトで例年5月から10月頃までに公表されているWBGT予測値・実況値を確認する方法があること。また、このサイトで、WBGT値の公表と併せて提供される個人向けメールサービス(無料)も、必要に応じて活用すること。
(2)休憩場所の整備等
 冷房等を備えた休憩場所を独自に設置できない場合であって、現場管理者等が設置する休憩場所を借用することとした場合は、その旨を労働者に明確に伝達し、必要な休憩が確実に取れるよう配慮すること。また、休憩場所を提供する現場管理者等においても、所属労働者に対し、休憩場所の利用を認めている旨を伝達するなど、休憩を取りやすい環境作りに配意することが望ましいこと。 
(3)健康診断結果に基づく対応等
 高温多湿作業場所において作業を行っている、または予定している場合には、その旨を意見聴取する医師等に伝え、熱中症の発症に影響を与えるおそれのある疾患を有する労働者への配慮事項等についても意見を求めることが望ましいこと。
(4)労働者の健康状態の確認
 労働者が体調不良を訴えていなかったにもかかわらず、死亡に至った事例が確認されていることから、労働者の健康状態は、労働者の申出だけでなく、発汗の程度、行動の異常等についても確認すること。

 このほか、高温多湿作業場所における作業を管理する人に対しては、「熱中症の症状」、「熱中症の予防方法」、「緊急時の救急処置」、「熱中症の事例」の4項目に関する労働衛生教育を行うこととされています。また、労働者に対しても、雇入れ時または新規入場時教育等の中に熱中症に関する内容を取り入れるとともに、日々の朝礼等の際にも、繰り返し教育することが望ましいとしています。

 なお、教育用教材として、厚生労働省ホームページで公表されている「職場における熱中症予防対策マニュアル」、熱中症予防対策について点検すべき事項をまとめたリーフレット、環境省熱中症予防情報サイトに公表されている熱中症に係る動画コンテンツ、救急措置等の要点が記載された携帯カード「熱中症予防カード」などがあります。企業としては、これらの教材を活用して労働衛生教育を確実に行い、これから迎える酷暑に向けて対策を行いたいものです。


■参考リンク
厚生労働省「平成27年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」を公表します」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000125245.html

厚生労働省 通達(平成28年の職場における熱中症予防対策の重点的な実施について(平成28年2月29日 基安発0229第1号)
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11303000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu-Roudoueiseika/0000125409.pdf  

環境省「熱中症予防情報サイト」
http://www.wbgt.env.go.jp/  

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。


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精神障害による労災請求件数が過去最多を更新!!


長時間労働や仕事のストレスによって過重な負荷がかかり、従業員が脳・ 心臓疾患や精神障害を発症するケースが増加しています。先日、この労災請求状況に関する平成27年度の集計結果が厚生労働省より発表されました。今回は、この内容についてとり上げましょう。

1.脳・心臓疾患の労災補償状況
 脳・心臓疾患の労災請求件数は795件となり、前年の763件から32件増加しました。一方、支給決定件数は251件と、前年の277件から26件減少しています。
 この支給決定件数を時間外労働時間数(1ヶ月平均)別でみてみると、80時間以上が225件と全体の約90%を占めています。この80時間という数字は、いわゆる過労死認定基準において業務と発症との関連性が強い水準として明示されているものになり、長時間労働のある企業の第1ステップとしては、時間外労働を月80時間以内となるように、部内で業務分担を見直すなどして対策を打っていくことが求められます。


2.精神障害の労災補償状況
 精神障害の労災請求件数は1,515件となり、前年の1,456件から59件増加し、過去最多となりました(下図参照)。一方、支給決定件数については472件となり、前年の497件から25件減少したものの高止まりしています。また認定率については36.1%となっており、申請の3件に1件の割合で労災として認定されています。



図 精神障害の労災補償状況の推移


  この支給決定件数を時間外労働時間数(1ヶ月平均)別でみてみると、80時間以上の時間外労働時間があった件数は192件(全体の約40%)、80時間未満の時間外労働時間数であった件数が202件(全体の約42%)となり、時間外労働時間数が少ないからといって労災として認定されないわけではないことが読み取れます。

 次に支給決定件数を具体的な出来事別に分類すると、上位項目は次のとおりとなっています。

1)仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった(75件)
2)(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた(60件)
3)悲惨な事故や災害の体験、目撃をした(45件)

 精神障害の中で労災認定された要因としては、仕事の変化と嫌がらせ、いじめといったいわゆるパワーハラスメントが上位を占めています。そのため、仕事の内容が変わったり、同僚の退職等で業務量が増えたりするなど大きな変化があるときには、定期的に過重な負担となっていないか面談を行ったり、パワーハラスメントの研修を行うなどの予防措置の実施が求められます。

■参考リンク
厚生労働省 「平成27年度「過労死等の労災補償状況」を公表」



※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。



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7月より国民年金保険料の納付猶予制度の対象範囲が広がりました!!


平成27年度の国民年金保険料の納付率は、平成27年度末現在で63.4%となり、6割超にはなっているものの依然として低い状況が続いています。未納となっている人の中には、公的年金制度に不満を持っており納付をしていない人もいると思いますが、経済的な理由で保険料を納付できない人も一定数存在しています。保険料を未納のままにしておくと、障害や死亡といった不慮の事態が発生したときや、老齢になり年金を受け取ることのできる年齢になっても、年金を受給できないことがあります。そのため、一定の条件を満たした人については、保険料が免除されたり、一定期間について納付が猶予される制度が設けられています。この納付の猶予の対象となる年齢について、平成28年7月より拡大されました。

1.納付猶予制度と対象年齢の拡大
 納付猶予制度では、本人と配偶者の前年所得(1月から6月までに申請する場合は前々年所得)が一定額以下の場合に申請をし、承認されると保険料の納付が猶予されるというものです。これまでは、若年者納付猶予制度といい、20歳から30歳未満の人が対象になっていましたが、50歳未満まで対象範囲が拡大されました。


2.猶予された期間の取扱い
 納付が猶予された期間中に、ケガや病気で障害や死亡といった不慮の事態が発生した場合、障害年金や遺族年金を受け取ることができます。また、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金を受け取るために必要な受給資格期間にカウントされます。ただし、老齢基礎年金の受給額については、納付していないものとして扱われるため、増えることはありません。

 また、保険料を後から納付する場合には、通常、過去2年分(平成30年9月30日までは、「5年の後納制度」を実施中)のみとなっていますが、納付が猶予され期間については、10年間の納付が可能です。その際には、猶予を受けたとしても、3年度目以降に保険料を追納する場合には、承認を受けた当時の保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せさるため、納付の負担は増えることになります。

3.申請手続き
 手続きは、住民登録をしている市(区)役所・町村役場の国民年金担当窓口で行なうことになっており、窓口に備え付けの申請書もしくは、日本年金機構のホームページからダウンロードできる申請書に記入し、提出します。添付書類として、国民年金手帳または基礎年金番号通知書のほか、所得を証明する書類が必要になることがありますので、事前に確認しておきましょう。なお、申請は郵送で行なうこともできます。

 納付の猶予を受けるためには、定められた所得の基準を満たす必要があります。制度の利用を検討される方は、基準を満たすかを事前に確認のうえ、手続きを行なってください。


■参考リンク
日本年金機構「保険料を納めることが、経済的に難しいとき」



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高止まりするセクハラ・マタハラの相談と今後求められる対策!!


一昨年、マタニティハラスメント(以下、「マタハラ」という)に関する最高裁判決が出されて以降、企業において妊娠をした従業員や育児休業を取得する従業員の対応について、悩みを抱える企業が増えているように感じます。このような中、先月、厚生労働省から「平成27年度 都道府県労働局雇用均等室での法施行状況」が発表されました。そこで、今回はこの中から、男女雇用機会均等法と育児・介護休業法の施行状況について見ておきましょう。

1.男女雇用機会均等法の施行状況
 今回の調査結果は、雇用均等室で取り扱った相談、是正指導の状況・総数や、男女雇用機会均等法の施行状況等を取りまとめたものになります。まず、男女雇用機会均等法の施行状況において、雇用均等室に寄せられた相談件数は23,371件となり、前年度に比べると減少しましたが、労働者からの相談件数は横ばいとなっています。
 その労働者からの相談を内容別で見てみると、「セクシュアルハラスメント」がもっとも多く6,827件(全体の55.7%)と半数を超え、続いて「婚姻、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い」が2,650件(同21.6%)、「母性健康管理」が1,346件(同11.1%)となっています。


2.育児・介護休業法の施行状況
 次に、育児・介護休業法の施行状況において、雇用均等室に寄せられた相談件数は51,478件となり、年々減少傾向にありますが、労働者からの相談件数については3年連続で増加しています。全体の相談内容の内訳としては、育児関係が39,903件、介護関係が11,532件、職業家庭両立推進者が43件になっており、相談の中心はまだまだ育児関係であることがわかります。
 なお、平成27年度については、労働者の雇用形態別での取りまとめも行われており、契約期間の定めのない労働者では相談内容の57.7%が「育児休業に係る不利益取扱い」であるのに対し、契約期間の定めがある労働者については相談内容の64.6%が「育児休業」となっており、有期雇用者について育児休業を取得することに向けた相談が多くなっていることが分かります。来年1月には、有期雇用者の育児休業の取得要件が緩和されることもあり、さらに相談が増えるかもしれません。


 今年度からこの雇用均等室は組織の見直しにより雇用環境・均等部(室)となり、労働相談について一体的に進める方針が立てられています。そのほか、来年1月からはマタハラの防止措置義務が新たに課されます。このような動きもあることから、セクシュアルハラスメントの対応とともにマタハラについてもどのような取扱いが不利益取扱いとなるのか、現行の取扱いを見直すことが求められます。

■参考リンク
厚生労働省「都道府県労働局雇用均等室における法施行状況について」



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増加を続け、深刻さが増す「いじめ・嫌がらせ」の相談件数!!


先日、厚生労働省より「平成27年度個別労働紛争解決制度施行状況」の集計結果が発表されました。個別労働紛争解決制度とは、個々の労働者と事業主との間の労働関係に関する紛争が増加したことから、その紛争について実情に即した迅速かつ適正な解決を図るために創設された制度です。具体的には、都道府県労働局内や労働基準監督署内に設置された総合労働相談コーナーでの総合労働相談、都道府県労働局長の助言・指導制度、紛争調整委員会のあっせん制度の3つの方法があります。

 今回の厚生労働省の発表を見ると、平成27年度に寄せられた総合労働相談件数は1,034,936件と前年度比で0.2%の増加となり、高止まりの状況が続いています。また、労働基準法上の違反を伴わない解雇、労働条件の引下げ等のいわゆる民事上の個別紛争に関する相談も245,125件と前年度比で2.6%の増加となり、依然として多くの相談が寄せられています。

 このうち直近5ヶ年度の主な個別紛争の動向をグラフ化したのが以下の図になります。内容別で見ると、4年連続で「いじめ・嫌がらせ」に関する相談がトップとなり、増加し続けています。また、「解雇」が年々減少している中で、「自己都合退職」が増加しており、平成27年度はほぼ同水準となっています。




 「いじめ・嫌がらせ」は、近年、職場で問題視されているパワーハラスメントと同じものとして捉えることができます。その対策として、多くの企業では管理職向けにパワーハラスメント研修を開催したりしていますが、それでも「いじめ・嫌がらせ」相談が増加している現状を考えると、一度のみならず定期的に開催したり、対象者を全体に拡大したりするなど、継続的な対策が望まれます。


■参考リンク
厚生労働省 「「平成27年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表します」



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減少する労働災害による死亡者数、死傷者数と労働局の対応!!


厚生労働省では、第12次労働災害防止計画(以下、「本計画」という)に基づいて対策を進めていますが、その成果もあってか、近年、労災による事故は減少傾向にあります。本日は、厚生労働省が先日発表した平成27年の労働災害発生状況についてとり上げましょう。

1.死亡災害・死傷災害の発生状況
 この発表によれば、労働災害による死亡災害は972人と前年に比べ85人の減少となり、統計を取り始めて以来、初めて1,000人を下回る結果となりました。本計画は、平成29年までに労働災害による死亡者数を平成24年と比較して15%以上減少させるという目標を掲げており、図1のように本計画の災害減少目標の水準に達している状況です。


図1 死亡災害



 次に休業4日以上の死傷災害(以下、「死傷災害」という)は116,311人となっており、こちらも前年に比べ3,224人の減少となりました。これに関しても本計画において、平成29年までに死傷災害を平成24年と比較して15%以上減少させるという目標を掲げており、図2のように平成27年の結果が減少に転じたものの、目標の達成に向けた取組みが一層求められます。


図2 死傷災害



2.各業種の災害発生状況
 以下では、本計画で重点業種とされているものについて、災害発生状況をみておきましょう。

a)製造業
 製造業の死亡災害は160人と前年に比べ20人の減少となり、死傷災害は26,391人と前年に比べ1,061人の減少となりました。死亡災害、死傷災害ともに、機械などによる「はさまれ・巻き込まれ」が最多で全体の約3割を占めていますが、いずれも減少しています。また、製造業ではリスクアセスメントの取組みが定着していますが、引続きこの取組みが求められます。

b)建設業
 建設業の死亡災害は327人と前年に比べ50人減少して過去最少となり、死傷災害についても15,584人と前年に比べ1,600人の減少となりました。死亡災害、死傷災害ともに、「墜落・転落」の大幅な減少が寄与しています。これは平成27年の改正労働安全衛生規則により、足場からの墜落防止措置の強化による取組みが要因の一つと考えられています。

c)陸上貨物運送事業
 陸上貨物運送事業の死亡災害は125人と前年に比べ7人の減少となり、死傷災害は13,885人と前年に比べ325人の減少となりました。死亡災害については、災害の多くを占める「交通事故(道路)」が減少した一方で、「崩壊・倒壊」が前年より増加しています。そして、死傷災害については、「墜落・転落」、「転倒」、「はさまれ・巻き込まれ」、「交通事故(道路)」は減少しましたが、「動作の反動・無理な動作」が増加しています。これらの事故については、主に荷役作業において発生していることから、荷役作業における安全対策を徹底することが求められます。

d)小売業
 小売業の死傷災害は13,030人と前年に比べ335人の減少となり、災害の多くを占める「転倒」や「交通事故(道路)」を中心に前年より減少していますが、高止まりとなっています。この「転倒」に関して、小売業は事業場における4S 活動(整理、整頓、清掃、清潔)や職場の危険の「見える化」等を進める「STOP!転倒災害プロジェクト」で重点業種となっており、さらに小売業の現場では65歳以上の雇用者が増加していることもあり、より一層転倒防止に向けた取組みが求められます。

e)社会福祉施設
 上記でとり上げた業種において死傷災害が前年に比べ減少している中で、社会福祉施設の死傷災害は、7,597人と前年より373人の増加となりました。このうち、「動作の反動・無理な動作」、「転倒」の災害をあわせたもので全体の約3分の2を占めています。この「動作の反動・無理な動作」については腰痛との関連が深いことから腰痛予防対策が求められ、「転倒」については労使で安全に対する意識を高めることが求められています。

f)飲食店
 飲食店の死傷災害についても、4,687人と前年より210人の増加となっており、「切れ・こすれ」、「高温・低温の物との接触」によるものが増加しています。これらは、調理中や物の運搬の際に発生していることから、職場における4S活動(整理、整頓、清掃、清潔)、職場の危険の「見える化」等を進める「STOP!転倒災害プロジェクト」を推進するほか、作業に応じた保護具(耐熱手袋、エプロン、長靴等)の着用を徹底することが求められます。


 厚生労働省・都道府県労働局は、全国安全週間(7月1日から7日まで)とその準備月間(6月1日から30日まで)の期間において、各事業場に対して積極的な労働災害防止活動の実施の働きかけを行うこととなっています。そのため、事業主としては、今回の取りまとめの結果を参考にしながら、引続き対策が求められています。


■参考リンク
厚生労働省「平成27年の労働災害発生状況を公表」



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ハローワークを通じた障害者の就職件数が7年連続で過去最高に!!


平成25年4月より障害者の法定雇用率が2.0%(民間企業の場合)に引き上げられたことから、障害者雇用に積極的な取組みをする企業が増加しています。先日、厚生労働省より公表された平成26年度の障害者の職業紹介状況の取りまとめの資料はそれを裏付ける内容となっています。今回はこの内容について見ておきましょう。

1.障害者の就職件数
 ハローワークへの新規求職申込件数は187,198件(前年度179,222件)となっており、対前年度に比べ7,976件、4.5%増加しています。これに対し、障害者の就職件数は90,191件(前年度84,602件)となっており、対前年度に比べ5,589件、対前年比6.6%増加し、7年連続で過去最高を更新しています。また就職率は、48.2%と前年度に比べ1.0%上昇した形となっています。
 就職件数の推移を見てみると、下図のようになっており、特に精神障害者の就職件数が大幅に増加していることがわかります。


<図表>


2.産業別・職業別の就職状況
 産業別に就職状況を見てみると、就職件数全体(90,191件)のうち「医療、福祉」が33,805件と全体の3割強を占めており、「製造業」11,933件、「卸売業、小売業」11,577件と続いています。
 また職業別に就職状況を見てみると、「運輸・清掃・包装等の職業」が31,393件と3割強を占めており、「事務的職業」18,469件、「生産工程の職業」11,599件、「サービスの職業」10,819件と続いています。障害種別の就職状況では、身体障害者については「事務的職業」(7,542件、全体の26.9%)、知的障害者については「運輸・清掃・包装等の職業」(9,718件、全体の48.7%)の割合が、他の障害種別に比べて高い状況となっています。


 平成30年4月からは精神障害者も法定雇用率の算定基礎の対象になることが決まっており、法定雇用率の引き上げが予想されます。障害者の採用はかなり厳しい状況にあるため、早めに障害者雇用の計画を立て、具体的な取組を行っていくことが望まれます。


■参考リンク
厚生労働省「ハローワークを通じた障害者の就職件数が7年連続で増加/精神障害者の就職件数が身体障害者の就職件数を大きく上回る」



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一億総活躍社会の実現に向けて国が示した働き方改革の方向!!


先日、一億総活躍国民会議が開催され、「ニッポン一億総活躍プラン」(案)が公開されました。ここで議論されている内容は従業員の働き方・働かせ方に関わるものもあり、今後、企業の人事労務管理にも影響が出てくると予想されます。そこで、今回はこの内容をとり上げましょう。

1.「ニッポン一億総活躍プラン」(案)で示された3項目
 今回のプラン案において最大のチャレンジは働き方改革とされており、多様な働き方が可能となるよう、社会の発想や制度を大きく転換しなければならないとしています。そして、具体的に掲げられているものとしては、以下の3つになります。

1)同一労働同一賃金の実現など非正規雇用の待遇改善
2)長時間労働の是正
3)高齢者の就労促進

 まず、1)同一労働同一賃金の実現など非正規雇用の待遇改善については、再チャレンジ可能な社会をつくるためにも、正規か、非正規かといった雇用の形態にかかわらない均等・均衡待遇を確保し、同一労働同一賃金の実現に踏み込むとしています。そして、同一労働同一賃金の実現に向けて、雇用慣行に留意しつつ、躊躇なく法改正の準備を進めることが考えられています。今後の動きとして、どのような待遇差が合理的であるかまたは不合理であるかを事例等で示したガイドラインが策定されることになっており、企業としてはこのガイドラインを受けて対応してくことが求められるでしょう。

 次に、2)長時間労働の是正については、労働の質を高めることにより、多様なライフスタイルを可能にし、ひいては生産性の向上につながることから、いまこそ、長時間労働の是正に向けて背中を押していくことが重要であると考えられています。また、併せて36協定における時間外労働規制の在り方について、再検討を開始するとしています。

 最後に、3)高齢者の就労促進については、今後の労働力確保のためには高齢者の活用がそのひとつとして挙げられます。将来的に継続雇用年齢や定年年齢の引上げを進めていくために、企業の自発的な動きが広がるよう、65歳以降の継続雇用延長や65歳までの定年延長を行う企業等に対する支援を実施していくとしています。

2.今後、影響が出てくると予想される「同一労働同一賃金」
 先日、定年退職後に嘱託として再雇用されたとしても、業務の内容や責任が同じであれば賃金を下げるのは違法であるという判決が、東京地裁で言い渡されました(長澤運輸事件)。労働契約法第20条では、期間の定めがあることによる不合理な労働条件を禁止しており、今回のケースはこれに違反したという形になっています。


 上記1.の1)で同一労働同一賃金の実現が謳われていることからも、今後においてこの「同一労働同一賃金」に注目が集まり、例え定年後の再雇用制度を利用したものであっても賃金を下げることについて労使トラブルが増えていく可能性があります。

 企業としては、このような国の方向性があることを押さえた上で、「同一労働同一賃金」の動きにも注視しながら労務管理を行っていくことが求められます。


■参考リンク
首相官邸「第8回 一億総活躍国民会議 議事次第」



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従業員を解雇した場合の年次有給休暇の請求権!!


あまりない方がよいのは当然ですが、何らかの理由で、従業員を解雇しなければならない場合があります。その際の理由の妥当性や手続きは非常に重要であり、セミナーなどでもよく説明されるものの、実務を行う中では、それら以外にも様々な細かい論点があり、実務家を悩ませることになります。そこで、今回は、従業員を解雇した場合の、年次有給休暇(以下、「年休」という)の処理について、とり上げたいと思います。

 年休は、一定期間勤続した従業員に対し、心身の疲労を回復し、ゆとりある生活を保障するために付与されるものであり、労務の提供が行われない時間に対しても賃金が支払われる(減額されない)制度です。そのため、年休を取得できる日は、そもそも労働日でなければならず、例えば労務提供義務のない休日には取得できないことになっています。

 一方で、解雇を行う際には、30日以上前に予告を行うか、30日分以上の解雇予告手当を払うこと(解雇予告の日数は、平均賃金を支払った日数について短縮することが可能)が必要となり、この手続きを行うことで、解雇の日より後は労働契約が消滅します。そのため、解雇予告を行った後に年休が取得できる期間としては、予告日以降から解雇の日までとなることから、その期間内に取得しなければ年休の権利は消滅することになります。

 自己都合退職の場合には、従業員自身が年休の残余日数も考えて退職日を設定してくることが多く見られますが、解雇の場合には会社が退職日(解雇日)を指定することになるため、即日の解雇を行った場合や年休の残余日数が多い従業員の場合には、年休を取得できなかったと主張するケースも見受けられます。そのため、解雇を行う際には、無用なトラブルを防止する点からも、年休の取扱いについて説明しておくことが望まれます。


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更なる強化が行われる厚生労働省の長時間労働対策!!




  厚生労働省に設置された長時間労働削減推進本部は、長時間労働対策の強化が喫緊の課題となっている中でその対策への取組みを総合的に推進することを目的として平成26年秋に設置されたものです。ここでは、「働き方の見直し」に向けた企業への働きかけや、長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導の徹底等が行われています。厚生労働省では今後、長時間労働削減推進本部を中心に以下のような取組みを行っていくことになっています。


 長時間労働削減推進本部では、働き方改革・休暇取得促進として、働き方・休み方改善コンサルタントによる企業に対する助言等の支援を行うといった企業への働きかけを積極的にとり組んでいますが、実効力を持って対応ができている企業は決して多くないようです。そのようなこともあり、監督指導の強化が行われ、昨年度(平成27年度)は、1ヶ月の残業時間が100時間を超えていることが疑われる事業場に対し、重点的に監督指導を行っています。その結果、多くの企業で違法な残業が行われていた実態が判明しました。

 この監督指導は平成28年度についても継続することになっており、監督指導の対象となる事業場の基準を変更し、1ヶ月の残業時間が100時間を超えていることが疑われる事業場から80時間を超えていることが疑われる事業場を重点監督の対象として位置づけました。

 また、昨年度は東京労働局と大阪労働局のみに設置されていた「過重労働撲滅特別対策班」を見直し、厚生労働省本省に「過重労働撲滅特別対策班」(本省かとく)を新設した上で、全都道府県労働局に「過重労働特別監督監理官」を新設しています。この過重労働特別監督監理官は、以下のような業務を担うことになっています。

・問題業種に係る重点監督の総括(企画・立案・実施)
・月80時間超の残業のある事業場に対する全数監督の総括
・本社監督の総括(問題企業の把握分析・実施・調整・指導)
・夜間臨検の実施・調整
・長時間・過重労働に係る司法処理事案の監理等

 このように監督指導体制の整備が行われ、違法な長時間労働を繰り返し行う社会的に影響力の大きい企業に対しては、是正指導や公表の取組みが着実に実施されていくことになっています。


 厚生労働省は、労働条件に関する総合情報サイト上に、「労働基準関係情報メール窓口」として労働基準法などの違反が疑われる事業場に関する情報受付窓口を設置し、労働時間など労働条件に関する相談を受け付けています。平成27年1月から12月までで、26,591件の相談が寄せられています。

 一方で、平成27年1月からは、インターネットによる情報監視(サイバーパトロール)を実施し、相談を受け付けるだけではなく、高収入を謳うもの、求人を繰り返し行うもの等の過重労働等が疑われる求人事案に着目し、情報を収集、労働基準監督署による監督指導に活用しています。平成28年度はこのサイバーパトロールについても継続して行われることになっており、今後、自社が発信するインターネットでの情報の内容を精査する必要が高まっています。また、従業員のブログやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)での発信についても、情報漏えいや不適切な発言がないかということに、より注意を払っていくことが求められます。

 長時間労働による過重労働が原因となり、メンタルヘルス不調を訴える人も増加しており、平成27年9月には、メンタルヘルス不調や過重労働による健康障害等に関する相談に対応する電話相談窓口である「こころほっとライン」が新設されました。平成27年9月から平成28年2月までに2,459件の相談が寄せられています。今後もこの相談窓口の利用が進められ、また平成27年12月には労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度が開始されたことから、メンタルヘルス対策が企業において進められるように、ストレスチェック制度の広報が進められることになっています。

 このような取組みが行われていることも踏まえ、自社の状況を分析し、長時間労働が見受けられる場合には効果的な対策を取るように進めていきましょう。


■参考リンク
厚生労働省「長時間労働削減に向けた取組」


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。



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