千葉出身社労士のブログ

千葉県千葉市の社会保険労務士事務所のブログです。社会保険労務士業務に限らず、幅広いテーマを自由奔放にお伝えしますので宜しくお願い致します。

千葉県千葉市を中心に社会保険労務士の事業を展開しております。

特に就業規則、労務管理、労務問題等の対応をご提案し、リスクヘッジするコンサルティングを強みとしております。

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こんにちは。

 

2017年5月30日より中小企業にも適用となる個人情報保護法!!

 

個人情報保護に対する意識はかなり高まっており、ひとたび個人情報が流出すると大きな社会問題となることも少なくありません。その結果、企業としてこれまで築き上げた信頼を失ったり、損害賠償として多額の費用の支払うなどの事態も見受けられます。企業の個人情報の取扱いについては個人情報保護法で定められていますが、2017年5月30日に改正個人情報保護法が施行され、これまで適用除外とされてきた保有する個人情報が5,000人以下の企業も同法の適用となります。そこで、今回は個人情報保護法の内容と施行に向けて必要な準備ついて解説しましょう。

1.個人情報保護法とは
 個人情報保護法とは企業の個人情報の取扱いを定めた法律です。この「個人情報」とは生存する個人に関する情報で、人物が特定されるものを指します。例えば従業員Aの氏名、住所、連絡先など企業が管理している情報は、それらにより従業員Aを特定することができるため、従業員Aの個人情報となります。
 まもなく5,000人以下の企業も対象となることで、極端なケースでは従業員を1人も雇用していなくても、顧客の個人情報を1件でも保有していれば、個人情報保護法に基づいた取扱いが必要になります。

 

2.企業に求められる行動
 個人情報の取扱いについて必ず押えておきたい項目として以下の5点があります。なお、以下では商品を販売するときの事例を挙げていますが、従業員の個人情報を人事労務管理のために利用する場合も同様に考えることになります。

(1)個人情報の取得時には、その利用目的を決めて、本人に伝える
 例えば、お客様の個人情報を利用するにあたっては、購入商品の発送のためなど、あらかじめ利用目的を特定しておきます。また個人情報を取得する際は、この特定した利用目的を本人に伝えるか、あらかじめホームページや店頭で掲示するなど公表しておく必要があります。

(2)取得した個人情報は決めた目的以外のことには使わない
 取得した個人情報は特定した利用目的の範囲でしか利用が認められないため、例えば、商品を発送するためという目的で取得したお客様の個人情報を使って、自社の商品を宣伝することはできません。そのため、既に取得した個人情報を特定した目的以外で利用する場合は、あらかじめ本人の同意を得る必要があります。

(3)取得した個人情報を安全に管理する
 個人情報をエクセルなどでまとめデータベース化した場合、そのデータを安全に管理する必要があります。具体的にはファイルにパスワードを設定したり、ウィルス対策ソフトをインストールするなどの対応があります。また従業員が個人情報を取扱う場合、私的に使ったり、その内容を言いふらしたりしないように社内教育を行っておきましょう。

(4)個人情報を他人に渡す際には、本人の同意を得る
 原則として、個人情報を他人に渡す場合、本人の同意が必要です。ただし、警察からの照会など法令に基づく場合や災害時など人命に関わる場合で、本人から同意を得ることが困難な場合や、配達業者に商品配送を委託する場合等に限っては、本人の同意を得なくても、個人情報を他人に渡すことができます。

(5)本人からの「個人情報の開示請求」に応じる
 会社が保有している個人情報について、本人から開示や訂正等を請求された場合、その対応が必要になります。併せて、その個人情報の利用目的を問われた際には、答えられるようにしておくことが求められます。

 企業として、まずは上記5点について実施できているかのチェックを行い、問題のある項目については施行日までに改善しておきましょう。併せて、個人情報の取扱いについて遵守しなければならないことをまとめ、社内規程を整備しておくとより現場へ浸透しやすくなります。
 

■参考リンク
個人情報保護委員会「改正法の施行準備について」

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

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企業の年間休日数の平均は108.0日!!

 

近年の新卒採用の状況を見ていると、企業を選択する際の条件として、労働時間や休日を重視する学生が増加しているように感じられます。今後、超売り手市場が当面続くと予想される採用環境の中で優秀な学生を確保するためには、賃金の額のみならず、このあたりの条件整備が重要なポイントとなることは間違いありません。また働き方改革の動きの中で、労働時間や休日の見直しを行う企業も増加することでしょう。

 そのような検討を行う際に参考になるデータとして、先日、厚生労働省から「平成28年就労条件総合調査結果の概況」が公表されました。ここでは年間休日総数や年次有給休暇(以下、「年休」という)の取得状況もとり上げられていますので、以下ではその内容について見ていくことにします。

1.1企業平均の年間休日総数は108.0日
 平成27年(または平成26会計年度)の年間休日総数を1企業平均で見てみると108.0日となっています。これを企業規模別に見ると、30人から99人が106.8日、100人から299人が109.7日、300人から999人が113.4日、1,000人以上が115.3日と企業規模が大きくなるにつれて年間休日総数が増加しています。
 また主な産業別にみてみると表1のとおりで、情報通信業が121.9日でもっとも多く、宿泊,飲食サービス業が95.7日でもっとも少なくなっています。

 

 

表1 主な産業別の1企業平均年間休日総数

 

 

 

2.年休の取得状況
 年休の取得状況については、平成27年(または平成26会計年度)の1年間に企業が付与した年休の日数(繰越日数は除く)は、労働者1人平均18.1日となっており、そのうち労働者が取得した日数は8.8日となりました。取得率をみてみると、前年47.6%から48.7%に上昇しています。また、企業規模別の取得率は、30人から99人が43.7%、100人から299人が44.8%、300人から999人が47.1%、1,000人以上が54.7%となっており、こちらも企業規模が大きくなるにつれて取得率は高まっていることが分かります。

 また年休については、平成22年4月の労働基準法改正により時間単位での取得が可能となりましたが、時間単位取得制度を設けている企業の割合は16.8%に止まっており、概ね6社に1社の割合で導入されています。企業規模別に見てみると表2のとおりで、100人から299人の企業規模において導入割合が一番高くなっており、必ずしも企業規模が大きくなれば導入率が高いということではないようです。

 

表2 時間単位取得制度の導入割合

 

 

 

 

 人材採用の場面で思うように応募が来ないという場合には、年間休日日数が他社と比べて少ないことが原因となることがあります。また、年休取得状況について、自社の取得率が高いようであれば、「年休の取得率が高い会社です」といったフレーズを入れることで、応募者が増加することも期待できます。一度、自社の状況を分析して調査結果と比較してみてはいかがでしょうか。
 

■参考リンク
厚生労働省「平成28年就労条件総合調査 結果の概況」

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

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定年再雇用者にかかる無期転換権の発生とその対応!!

 

 平成25年4月1日以降に始まった有期労働契約が反復更新されて通算5年を超える人から、無期転換申込権が発生する。そのため、坂本工業では、この本格化する労働契約法の無期転換について、契約社員やパートタイマーに関しては、対応を済ましていたが、定年再雇用者についての対応に不安を抱いた。そこで、社労士に相談することにした。

 こんにちは。新年度が始まり、新入社員が入社したことで職場が活気づいています。素直に業務に取り組む姿勢は、他の従業員の刺激になっているようです。

 確かに、私も顧問先に電話をかけて新入社員が出ると、その一所懸命さに、私も忘れかけていた仕事への取り組む気持ちを思い出し、気持ちが引き締まります。

 毎年4月に初心を思い出し、いつの間にか忘れてしまっているので不思議ですよね。さて、新年度に入ったこともあり、無期転換に関して相談したいことがあります。

 無期転換ですか。確か、無期転換申込権が発生する前までに、御社では正社員登用をするか、無期転換を前倒しで進めるか、もしくは、雇い止めを考えるかの選択肢を作りましたよね。

 はい。契約社員やパートタイマーについては、すでに対応を済ましています。ただ、定年後、再雇用した従業員の取扱いは何も考えていませんでしたが、問題はないのでしょうか。

 御社の定年は60歳で、その後、1年更新で65歳まで再雇用することになっていましたね。

 そうです。もちろん、65歳までの5年間であれば、契約期間が通算5年を超えないため無期転換申込権が発生しないと思いますが、現在の求人難が今後も続くと、定年再雇用者も含め、いまいる人材にもう少し長く働いてもらうなどして、人材の確保・活用を考えていかなければならないと思っています。

 しかしそうは言っても、定年再雇用者についても65歳以降に無期転換申込権が発生するということであれば、会社として慎重に進めなければならないと考えています。

 なるほど。この無期転換制度は契約社員、パートタイマーなど名称を問わず、有期契約労働者が対象となりますので、定年再雇用者についても条件に当てはまれば無期転換申込権が発生します。ただし、「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」(以下、「特例法」という)が設けられ、一部の対象者に関しては、無期転換申込権が発生するまでの期間が5年より長くなったり、そもそも無期転換申込権が発生しないという取扱いが認められています。この対象者のひとつに、今回のような定年再雇用者があり、手続きを行うことで無期転換申込権が発生しないという取扱いができることになっています。

 そのような特例があるのですね。会社で定年を迎え、その後、1年更新をしていた定年再雇用者が65歳まで働くことで、再度、無期雇用となってしまうのかと、疑問に感じていました。あくまで手続きをすれば、無期転換申込権が発生しないということでね。

 その手続きというものは、どのようなものですか。

 具体的な手続きは、「第二種計画認定・変更申請書」を作成し、都道府県労働局長の認定を受けることになります。この申請書には適切な雇用管理に関する計画として、定年再雇用者の特性に応じた雇用管理に関する措置として、「高年齢者雇用推進者の選任」や「健康管理、安全衛生の配慮」といった対応が必要になります。なお、この特例法ではあくまで御社で定年前より継続して雇用している従業員が対象で、定年の年齢を超えた人を新たに雇用した場合などは、対象外です。

 当社で定年を迎え、再雇用になったかがポイントですね。ちなみに、もしも当社は65歳までしか雇用しないということであれば、この手続きは不要ですね?

 そのとおりです。そういった方針の企業もありますが、この申請書は1回認定を受ければそれ以降の提出は不要となるものでもあり、今後、65歳以降も雇用する可能性が少しでもあれば、手続きをされておかれた方がよいとも判断できます。また、この書類は本社で一括して作成し、労働基準監督署を経由して労働局へ提出することが可能になっています。

 36協定などの書類は事業場単位で作成していますが、これの書類については営業所や支店の分も本社で一括することができるのですね。ちなみにこの書類はいつまでに提出すればよいのでしょうか?

 少なくとも定年再雇用者について無期転換の申込みができる前までに都道府県労働局長の認定を受けておく必要があります。ただ、認定を受けるまでに時間がかかることもあり、また来年3月には提出が殺到する可能性もあるため、早めに提出しておいた方がよいですね。

 わかりました。早めに準備します。

>>次回に続く

 



 今回は、定年再雇用者の無期転換申込権の発生と特例の手続きについて解説しましたが、併せて必要となる労働条件通知書への記載について補足しましょう。
 この特例法による認定を受けた場合、企業は労働契約の締結・更新時に該当者に対して、特例法の対象となっている旨を書面に明示する必要があります。例えば、厚生労働省が提供している労働条件通知書の雛形には、以下のような項目があり、定年再雇用者の場合、無期転換申込権が発生しない期間としてⅡに○を付けることになります。

 

労働条件通知書の項目追加例(該当箇所の項目のみ)

 

【有期雇用特別措置法による特例の対象者の場合】
無期転換申込権が発生しない期間: Ⅰ(高度専門)・Ⅱ(定年後の高齢者)
Ⅰ 特定有期業務の開始から完了までの期間( 年 か月(上限10 年))
Ⅱ 定年後引き続いて雇用されている期間

 

 都道府県労働局長の認定を受けた後、自社で使っている労働条件通知書の雛形を修正しましょう。また営業所や支店で労働条件通知書の作成を行っているケースでは、古い雛形を使わないように担当者に周知をしておきたいものです。


■参考リンク
厚生労働省「労働契約法の改正について~有期労働契約の新しいルールができました~」

 

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 

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2017年6月より産業医の作業場巡視回数の削減が認められます!!

 

労働者の健康保持の観点から産業医の重要性は年々高まっていますが、今回、労働安全衛生法施行規則が改正され、2017年6月1日より、現状、毎月1回求められている産業医の作業場等の巡視が、一定の要件を満たした場合には2ヶ月に1回とすることが認められます。そこで、今回は産業医の役割と2017年6月からの法改正の内容について確認しましょう。

1.産業医の役割とは
 企業は従業員に対して、安全で健康な状態で働けるよう職場環境を整備することが求められていますが、その中では医学に関する専門的な知識が不可欠となります。そのため、常時50人以上の従業員を使用する事業場では、産業医を選任することが義務づけられています。そして、この産業医は以下の職務を行うことになっています。

(1)健康診断、面接指導等の実施およびその結果に基づく従業員の健康を保持するための措置、作業環境の維持管理、作業の管理等、従業員の健康管理に関すること。
(2)健康教育、健康相談その他従業員の健康の保持増進を図るための措置に関すること。
(3)労働衛生教育に関すること。
(4)従業員の健康障害の原因の調査および再発防止のための措置に関すること。

 そのため、産業医は従業員の健康を確保するため必要があると認めるときは、企業に対して、従業員の健康管理等について必要な勧告をすることができるとされています。また、産業医は、少なくとも毎月1回作業場等を巡視し、作業方法または衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、従業員の健康障害を防止するために必要な措置を講じなければならないとされています。

 

2.2017年6月からの改正内容
 このような役割が産業医に求められていますが、近年、過重労働やメンタルヘルス不調等の様々な対策が求められ、産業医が対応すべき業務が増加しつつあります。そのため、今回、労働安全衛生法施行規則が改正され、少なくとも毎月1回行うこととされている作業場等の巡視について、企業から毎月1回以上、産業医に以下の2つの情報が提供されている場合で、企業の同意があれば、作業場等の巡視の頻度を少なくとも2ヶ月に1回のペースとすることが可能になります。

(1)衛生管理者が少なくとも毎週1回行う作業場等の巡視の結果
(2)(1)に掲げるもののほか、衛生委員会等の調査審議を経て企業が産業医に提供することとしたもの

 このほかにも同じ6月より2つのことが企業に義務付けられることになっています。1点目は、健康診断の有所見者について、医師等が就業上の措置等に関する意見具申を行うにあたり必要となる従業員の業務に関する情報を、企業がその医師等から求められた際、これを提供しなければなりません。次に、長時間労働となっている従業員の情報提供として、毎月1回以上、一定の期日を定めて、時間外労働(休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合にその超えた時間数)が月100時間を超えた場合、その従業員の氏名と時間数を産業医に提供しなければなりません。

 今回の改正をきっかけに、企業は産業医に対してどのような役割を求めるのか考えを整理し、従業員が安全で健康な状態で働けるように体制をつくっていきましょう。

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

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こんにちは。

 

平成29年度の雇用保険料率は引下げに!!

 

雇用保険の保険料率は、毎年3月末の積立金と給付の状況に応じて見直しが行われることになっています。今年度(平成29年度)の雇用保険料率については、失業等給付に係る財政収支の黒字基調が続いており、積立金の残高が多くなっていることから、法改正を行い前年度の料率と比較し引下げられることになりました。

1.平成29年度の雇用保険料率
 今年度の失業等給付の保険料率は、労働者負担・事業主負担とも1,000分の1ずつ引下げとなりました。その結果、具体的な保険料率は下表のとおりとなっています。なお、失業等給付の保険料については労使折半で負担し、雇用保険二事業の保険料については事業主が全額負担することになっています。

 

 

平成29年度 雇用保険料率表

 

 

 

2.雇用保険料率の内訳
 事業主が負担する雇用保険料は、失業等給付および雇用保険二事業の2つの保険料率から計算されることになっています。失業等給付については、労働者が失業した場合や育児休業等を取得した場合等の給付、また教育訓練を受ける場合の補助など、直接、労働者に給付が行われるものに利用されます。一方、雇用保険二事業については、雇用の維持安定に必要な措置を取る事業主への助成や、職業訓練を行う事業主への助成のための事業に充てられることになっています。

3.雇用保険料の弾力条項とその決定
 今回の法改正で、雇用保険の料率は1,000分の13.5(一般の事業の場合)に改正されました。その上で、弾力条項を適用し、1,000分の9(一般の事業の場合)としています。この弾力条項とは、財政状況等の一定の条件により法律で定められた範囲内の料率の変更を法改正することなく変更する仕組みです。

 

 法改正が年度末ぎりぎりとなりましたが、給与計算のソフト等を確実に変更するようにしましょう。

■参考リンク
厚生労働省「雇用保険料率について」

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

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過重労働解消キャンペーンによる労基署調査対象事業場の67.2%で法令違反!!

 

厚生労働省は昨年11月に「過重労働解消キャンペーン」を実施し、労働基準監督署による重点監督などを進めていましたが、先月、この実施結果が取りまとめられ、公表されました。そこで、今回は、労働基準監督署の調査におけるポイントを理解するという意味から、この実施結果の内容を確認しておきましょう。

1.法令違反の状況と主な内容
 昨年の重点監督は、長時間の過重労働による過労死等に関する労災請求のあった事業場や、若者の「使い捨て」が疑われる事業場など、労働基準関係法令の違反が疑われる事業場に対して集中的に実施されました。その内容を見てみると、重点監督の実施対象となった7,014事業場のうち4,711事業場(全体の67.2%)において労働基準関係法令違反が指摘されました。その主な違反内容は以下のとおりとなっています。

1)違法な時間外労働があったもの

・違法な時間外労働があったもの: 2,773 事業場(39.5%)
 うち、時間外・休日労働(※)の実績がもっとも長い労働者の時間数が月80時間を超えるもの

月80時間を超える100時間以下のもの:560事業場
月100時間を超える150時間以下のもの:939事業場
月150時間を超える200時間以下のもの:205事業場
月200時間を超えるもの:52事業場
  ※法定労働時間を超える労働のほか、法定休日における労働も含む。

2)賃金不払残業があったもの:459 事業場(6.5%)
3)過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの:728 事業場(10.4%)

 

2.労働時間の管理方法
 過重労働解消のためには始業・終業時刻を含む労働時間を適正に把握することが求められますが、その管理方法については、以下のような結果となっています。

・使用者が自ら現認:716事業場
・タイムカードを基礎:2,392事業場
・IC カード、ID カードを基礎:1,363事業場
・自己申告制:2,534事業場
・その他(出勤簿等):1,567事業場
 ※これらの結果には、監督対象事業場において、部署等によって異なる労働時間の管理方法を採用している場合があるため、重複がある。

 労働時間の把握については、平成29年1月20日に、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が出され、より厳格な労働時間の把握が求められています。上記の結果では、自己申告制を利用している事業場が約3割となっていますが、この自己申告制は実態が記録されないことも多いことからサービス残業や過重労働が見過ごされてしまうことがあります。

 そのため、このガイドラインでは、入退場記録やパソコンの使用時間の記録など、事業場内にいた時間の分かるデータがある場合、自己申告により把握した労働時間と、これらのデータで把握できる事業場内にいた時間との間に著しい乖離が生じているときには、実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすることを求めています。

3.健康障害防止に係る指導状況
 最後に、健康障害防止に係る指導状況について見てみると、監督指導実施事業場のうち5,269事業場(75.1%)において、長時間労働を行った労働者に対する医師による面接指導等の過重労働による健康障害防止措置の実施が不十分であり、指導が行われています。また、前年度の件数を見てみると2,966事業場(59.2%)であったことから、労働基準監督署では企業に対して健康障害防止措置をより強く求めるようになっていることが想定されます。

 厚生労働省では今後も月80時間を超える残業が行われている事業場などに対する監督指導の徹底をはじめ、過重労働の解消に向けた取組を積極的に行うとしています。企業としては、改めて労働時間管理のあり方の見直しと生産性の高い業務の推進が求められます。

■参考リンク
厚生労働省 「平成28年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果を公表」

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

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協会けんぽの健康保険料率・介護保険料率の見直し!!

 

全国健康保険協会(協会けんぽ)の健康保険料率および介護保険料率は、毎年3月分(4月納付分)から見直しが行われることになっています。今回、健康保険料率については各都道府県によって、引上げ・引下げ・据え置きとなり、介護保険料率は引上げ(全国一律)となりました。以下ではそれぞれの料率とその他の社会保険料率の変更見込みについて確認しておきましょう。

1.平成29年3月分からの協会けんぽの健康保険料率
 協会けんぽの保険料率は、平成21年9月より、全国一律の保険料率から、各都道府県支部別の保険料率に変更されています。平成29年3月分から適用される健康保険料率は下表のとおりとなりました。
 全都道府県のうち、もっとも高い保険料率は佐賀県の10.47%、もっとも低い保険料率は新潟県の9.69%となっており、佐賀県と新潟県の保険料は0.78%の開きがあります。これらは都道府県の格差が大きくなり過ぎないように、緩和措置が行われた上での保険料率となっていますが、平成29年度からその緩和措置が緩くなったため、これまでよりもさらに格差が広がっています。

 

 

 

 

 

2.引上げとなった介護保険料率
 介護保険の保険料率は毎年見直しが行われますが、平成29年3月分からは、全国一律で1.58%から1.65%への引上げとなりました。

3.その他の社会保険料率の変更見込み
 来年度のその他の社会保険料率については、労災保険率は昨年度から変わらず、雇用保険料率は引き下げられる予定となっています。雇用保険料率の変更は現在、国会で改正法案の審議中であり、今後、法改正が行われた後に正式決定されます。その動向も確認が求められます。

 社会保険料率は、企業によって若干徴収のタイミングが異なることもあります。料率の変更漏れがないように注意し、従業員に早めに告知を行っておきたいものです。
 

■参考リンク
協会けんぽ「平成29年度の保険料率の決定について」


厚生労働省「平成29年度「雇用保険料率」を引き下げるための法律案を国会に提出しました」

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

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目の勤務間インターバル制度を支援する助成金!!

 

長時間労働の是正策の一つとして、勤務間インターバル制度が注目を浴びています。厚生労働省では、その制度の導入を後押しするものとして、職場意識改善助成金(勤務間インターバル導入コース)を新設し、2月より申請受付を開始しました。そこで、今回は、勤務間インターバル制度とこの助成金の概要について確認しておきましょう。

1.勤務間インターバルとは
 勤務間インターバルとは、休息時間を確保するために、終業時刻から翌日の始業時刻までの間に一定の時間を開けることであり、労働者の生活時間や睡眠時間を確保し、健康の確保や過重労働の防止を進めるものです。そのため、助成金制度が対象としている勤務間インターバルは、就業規則等で「終業から次の始業までの休息時間を確保することを定めているもの」を明記しておく必要があります。なお、就業規則等において、○時以降の残業を禁止、○時以前の始業を禁止とするなどの定めのみの場合には、勤務間インターバルの導入とはされないことになっています。

2.支給対象となる事業主
 支給の対象となる事業主は、以下のいずれにも該当する必要があります。

(1)労働者災害補償保険の適用事業主であること
(2)下表のいずれかに該当する中小企業事業主であること(ア、イのいずれかに該当していること)

 

 

(3) 次のアからウのいずれかに該当する事業場を有する事業主であること

ア 勤務間インターバルを導入していない事業場
イ 既に休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルを導入している事業場であって、対象となる労働者がその事業場に所属する労働者の半数以下である事業場
ウ 既に休息時間数が9時間未満の勤務間インターバルを導入している事業場

(4)労働時間等の設定の改善を目的とした労働時間の上限設定に積極的に取り組む意欲があり、かつ成果が期待できる事業主であること

3.支給対象となる取組
 この助成金は成果目標に対し支給されることになっており、すべての対象事業場において、休息時間が9時間以上11時間未満または11時間以上の勤務間インターバル(※)を導入する必要があります。この際、勤務間インターバルの対象を、事業場に所属する労働者の半数を超える労働者とする必要があります。
※新規に導入する場合以外にも支給されるケースがあります。

[成果目標の取組例]
・労務管理担当者に対する研修
・労働者に対する研修、周知・啓発
・外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など)によるコンサルティング
・就業規則・労使協定等の作成・変更(時間外・休日労働に関する規定の 整備など)
・労務管理用ソフトウェア・機器の導入・更新
・労務管理用機器の導入・更新
・勤務間インターバル導入のための機器等の導入・更新

 

4.支給額
 支給額は、3.の取組に要した経費のうち、謝金、旅費、会議費、印刷製本費、備品費、機械装置等購入費および委託費を助成対象の経費とし、その合計額に補助率(4分の3)を乗じた額です。支給額には以下の上限額が設けられています。

[支給額の上限額]
(1)新規導入に該当する取組がある場合

休息時間数が9時間以上11時間未満の制度を新規に導入した場合 40万円
休息時間数が11時間以上の制度を新規に導入した場合 50万円

(2)新規導入に該当する取組がなく、適用範囲の拡大または時間延長に該当する取組がある場合

休息時間数が9時間以上11時間未満の制度を新規に導入した場合 20万円
休息時間数が11時間以上の制度を新規に導入した場合 25万円

 

 

 助成金の申請期限は平成29年12月15日までとなっています。また、申請後、各都道府県労働局雇用環境・均等部(室)の承認を受けておく必要があります。承認を受ける前に取組みを行った場合、この助成金の支給対象とはなりません。この他、細かな要件がありますので、活用に当たっては事前に確認しておきましょう。
 

■参考リンク
厚生労働省「職場意識改善助成金(勤務間インターバル導入コース)」

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

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こんにちは。

 

2017年4月より企業単位で任意加入が可能となるパートタイマーへの社会保険の適用!!

 

2016年10月より、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の適用拡大が行われ、従業員500人を超える企業に勤務し、一定の要件に該当するパートタイマーについては社会保険が適用されることとなりました。これに続き、2017年4月より、従業員500人以下の企業に勤務する場合でも、任意で社会保険に加入することができるようになります。そこで今回は、この適用拡大について、2016年10月からの流れも含めてとり上げましょう。

1.2016年10月に行われた社会保険の適用拡大
 2016年10月に、同一事業主の適用事業所で、厚生年金保険の被保険者数の合計が常時500人を超える事業所が社会保険の適用拡大の対象となりました。この同一事業主の判断は、法人事業主の場合には法人番号が同じ事業所を、個人事業所の場合には現在の適用事業所により行われます。そして、この対象となった事業所を「特定適用事業所」と呼び、2016年10月以降に厚生年金保険の被保険者数の合計が常時500人を超えるような事業所も対象となります。この際、被保険者数が500人前後を推移するケースも出てきますが、1年間で6ヶ月以上、500人を超えることが見込まれる場合には特定適用事業所の対象となります。

 次に、適用拡大の対象となる人ですが、特定適用事業所に勤務する短時間労働者(パートタイマー)で、勤務時間・勤務日数が常時雇用労働者の4分の3未満で、次の(1)~(4)のすべてに該当する人となります。

(1)週の所定労働時間が20時間以上あること
(2)雇用期間が1年以上見込まれること
(3)賃金が月額88,000円以上であること
(4)学生ではないこと

 これらのうち、(3)については、賞与等の1ヶ月を超える期間ごとに支給されるものや、時間外労働、休日労働および深夜労働に対して支払われる賃金、通勤手当や家族手当といった最低賃金法で算入しないことになっている賃金は含めずに考えることとされています。

2.2017年4月に行われる社会保険の適用拡大
 社会保険の適用拡大は当初、特定事業所のみが対象となっていましたが、2016年12月に「公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律」(年金改革法)が成立し、2017年4月より特定適用事業所でない事業所についても労使の合意に基づき、短時間労働者も社会保険に加入できることとなります。ただし、加入する場合は企業単位となり、加入したい人だけを加入させることはできないこととなっています。また、加入できる人は上記の(1)~(4)のすべてに該当する必要です。

 

 社会保険料の負担は労使双方にとって重いものですが、将来の老齢年金を少しでも増やしたり、健康保険から行われる給付を考慮に入れて、加入をしたいという従業員がいる場合もあります。今後、多様な働き方が認められてくる中で、労働時間も柔軟になってくることと思われます。従業員および求職者がどのようなことを求めているのかを踏まえ、特定適用事業所以外の事業所の加入も検討してもよいのかも知れません。

■参考リンク
厚生労働省「年金改革法(平成28年法律第114号)が成立しました」


日本年金機構「平成28年10月より短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大が始まります。」

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

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時間外労働の前提となる36協定の締結と届出!!

 

政府主導の働き方改革が進められています。その中で、時間外労働に上限規制を設けるという検討が行われています。新年度を迎えるにあたっては、時間外・休日労働に関する労使協定(36協定)の締結準備を行う企業も多いかと思います。そこで今回は、労働時間管理の基本となる36協定の締結と届出についてとり上げましょう。

1.36協定とは
 通常、ほとんどの企業で時間外労働が行われていますが、そもそも労働基準法では1日8時間、1週40時間の労働を原則としており、この法定労働時間を超えた時間外労働を禁止しています。そのため、従業員に時間外労働を命じるためには、あらかじめ36協定を締結し、所轄労働基準監督署に届出を行っておく必要があります。

2.36協定の締結および届出
 この36協定は、従業員の過半数を組織する労働組合(労働組合がない場合は、従業員の過半数代表者)と使用者が、時間外労働や休日労働の実施について締結するものであり、締結後は専用の様式により所轄労働基準監督署に協定を届け出る必要があります。

 この36協定には、以下の事項を記載する必要があります。

(1)時間外または休日の労働をさせる必要のある具体的事由
(2)時間外または休日の労働をさせる必要のある対象従業員の業務の種類および従業員数
(3)1日について延長することができる時間
(4)1日を超える一定の期間について延長することができる時間
(5)労働させることができる休日
(6)有効期間

 なお、(3)(4)ついては無制限に認められるものではなく、下表のとおり、時間外労働の限度に関する基準(平成10年労働省告示第154号)において限度時間が設けられており、この範囲内で時間数を決めることが原則となります。

 

図 限度時間

 

 

 

3.特別条項付き協定とは
 延長できる時間の原則は以上の通りですが、決算業務や繁忙期における業務のひっ迫など、臨時的にこの時間数を超えて時間外労働を命じることが必要な場合があります。このようなことが予想される場合には、あらかじめ36協定に特別条項と呼ばれる追加の協定事項を明記することとなります。特別条項には以下の事項を記載する必要があります。

(1)1日を超える一定の期間について延長することができる時間
(2)限度基準を超える時間外労働を行う必要のある特別の事情
(3)延長時間を延長する場合に労使がとる手続き
(4)限度基準を超える回数
(5)限度基準を超える一定の時間
(6)限度基準を超える時間外労働に係る割増賃金の率

 ここにおいて、(2)の特別の事情とは、一時的または突発的なものでなければならず、その回数は1年のうち半分を超えないものとする必要があります。

 36協定の締結および届出は、有効期間前に行う必要があり、協定の締結を4月から翌年3月までの年度単位で行っている場合は、3月31日までに届出を行うことになります。また、この36協定について従業員への周知が義務付けられており、最近の労働基準監督署の調査では周知がされていないことについて指導が行われるケースも増えています。そのため、36協定の届出と併せて従業員への周知も徹底するようにしましょう。

■参考リンク
厚生労働省 「時間外労働の限度に関する基準」

 

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

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