千葉出身社労士のブログ

千葉県千葉市の社会保険労務士事務所のブログです。社会保険労務士業務に限らず、幅広いテーマを自由奔放にお伝えしますので宜しくお願い致します。

千葉県千葉市を中心に社会保険労務士の事業を展開しております。

特に就業規則、労務管理、労務問題等の対応をご提案し、リスクヘッジするコンサルティングを強みとしております。

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2.従業員を育てながら会社を発展させていきたい
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こんにちは。

 

平成29年1月から通勤災害の範囲が見直されました!!

 

平成29年1月1日に改正育児・介護休業法が施行されましたが、これに併せて通勤災害の範囲の一部が見直されました。通勤災害は、通勤災害として認められる範囲が複雑であることから、これを再確認した上で、今回の見直しの内容を解説しましょう。

1.通勤災害の対象となる通勤の範囲
 そもそも労災保険には、業務を原因として負傷したり、疾病にかかった場合等の業務災害に対する給付と、通勤途中に負傷したり、疾病にかかった場合等の通勤災害に対する給付の2種類があります。
 このうち、通勤災害の対象となる通勤とは、就業に関する移動であり、以下の(1)から(3)について合理的な経路および方法により行われる移動のことをいいます(業務の性質を有するものを除く)。

(1)住居と就業の場所との間の往復
(2)就業の場所から他の就業の場所への移動
(3)住居と就業の場所との間の往復に先行し、または後続する住居間の移動(単身赴任などの場合)

 なお、移動の経路を逸脱し、または移動を中断した場合には、逸脱・中断の間およびその後の移動は通勤として扱われません。

2.逸脱・中断の例外と今回行われた見直しの内容
 逸脱・中断の考え方は1.のとおりですが、帰宅途中にスーパーマーケットに立ち寄り日用品を買うなど、移動の経路を逸脱したり、移動を中断することがあります。このような逸脱・中断が日常生活上必要な行為で、やむを得ない事由により行われる最小限度のものは逸脱・中断の間を除き通勤として扱われることになっています。この内容をまとめると下図のとおりとなります。

 この日常生活上必要な行為とは、具体的に次の5つに限定されています。

(1)日用品の購入や、これに準ずる行為
(2)職業訓練や学校教育、その他これらに準ずる教育訓練であって職業能力の開発向上に資するものを受ける行為
(3)選挙権の行使や、これに準ずる行為
(4)病院や診療所において、診察または治療を受ける行為や、これに準ずる行為
(5)要介護状態にある配偶者、子、父母、配偶者の父母並びに同居し、かつ、扶養している孫、祖父母および兄弟姉妹の介護(継続的に、または反復して行われるものに限る)

 このうち(5)については、今年1月より施行された改正育児・介護休業法に伴って見直しが行われ、孫、祖父母および兄弟姉妹の同居要件・扶養要件が削除されました(下線部分が削除)。

 従業員から相談があった際、スムーズに対応し、適正な給付の手続きができるように、この機会に通勤災害の範囲について確認をしておきましょう。

 

■参考リンク
厚生労働省 「労災補償関係リーフレット等一覧」

 

 

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

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4月より引き下げられる在職老齢年金の支給停止基準額!!

 

年金額は法律の規定により、平成29年度から0.1%の引下げとなることが決定していますが、これに併せて、在職老齢年金の支給停止となる基準額も改定されることになっています。在職老齢年金を受給しながら勤務している従業員がいる場合、今回の改定により在職老齢年金の受給額が変更されるケースもあることから、ここでは在職老齢年金の概要と改定内容についてとり上げましょう。

1.在職老齢年金制度とは
 在職老齢年金制度とは、60歳以上70歳未満の厚生年金保険の被保険者および70歳以上の厚生年金保険の適用事業所に勤務する人(厚生年金保険の被保険者となる労働日数・労働時間数を勤務する人に限る)が、老齢厚生年金および給与・賞与の額に応じて、年金の一部または全額が支給停止となる制度のことをいいます。
 年金額の調整は、老齢厚生年金の年額を12で割った額である「基本月額」と[その月の標準報酬月額]に、[直近1年間の標準賞与額の合計]を加えて12で割った額である「総報酬月額相当額」により計算されます。
 その方法は、65歳未満と65歳以上で異なり、65歳未満については、基本月額と総報酬月額相当額の組み合わせが以下の4つのいずれに該当するかで決まります。そして、65歳以上については、基本月額と総報酬月額相当額により分かれます。

1) 基本月額が28万円以下で、総報酬月額相当額が47万円以下のとき
2) 基本月額が28万円以下で、総報酬月額相当額が47万円を超えるとき
3) 基本月額が28万円を超え、総報酬月額相当額が47万円以下のとき
4) 基本月額が28万円を超え、総報酬月額相当額が47万円を超えるとき

2.引下げとなる支給停止基準額
 今回、改定されるものは1.にある総報酬月額相当額であり、47万円が46万円に引下げとなります。これにより、老齢厚生年金の額や総報酬月額相当額が平成29年4月前後で変更がない場合であっても、調整される額が増えるため、受給する年金の額が減るケースが発生します。今後、従業員から会社に問い合わせが入る可能性があるので、説明できるようにしておきましょう。

 

 また、60歳以上70歳未満の従業員については、年金を受給しながら厚生年金保険料を負担していますが、この支払った期間については65歳や70歳になった時などに再計算され、年金額に反映されることになっています。このような従業員に影響のある内容についても把握しておきたいものです。


■参考リンク
厚生労働省「平成29年度の年金額改定について」

日本年金機構「在職中の年金」

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

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営業所を新設した場合に行うべき労働保険の手続き!!

 

 坂本工業では、この4月に営業所を新しく出そうと計画している。このように営業所を設立することは会社として初めてのことであるため、どのような手続きが必要なのかを社労士に相談することにした。

 こんにちは。実は4月に本社と離れた場所に営業所を出す計画があります。いま、やるべきことを洗い出していますが、社会保険等の手続きも必要になりますか?

 それは嬉しいお話ですね。場所が本社と離れたところということですので、労働保険に関する手続きが求められます。というのも、労働保険は「事業」を適用単位としているからです。

 企業単位ではなく、「事業」となるのですか?

 はい。この適用単位の「事業」とは、工場、商店、事務所、本社、支店、営業所、建設工事現場など、一定の場所で一定の組織のもとに、有機的に相関して行われる一体的な経営活動のことを言います。そのため、新たに営業所を設置する場合には、それらに独立性があるか否かによって、一つの「事業」と判断するかを決定することになっています。

 この独立性とは、どのように判断するのでしょうか?

 この独立性は、以下の3点により判断し、すべてに該当する場合、独立した事業として労働保険成立の手続きを行う必要があります。

 1.場所的に他の事業場から独立していること
 2.組織的に一つの単位体をなし、経理、人事、経営(業務)上の指揮監督、作業工程において独立性
 があること
 3.施設として相当期間継続性を有すること

 なるほど。営業所の状況から判断するということですね。現在の計画では、営業所の従業員数は10名程度で、責任者として営業所長を配置する予定です。そして、少なくとも勤怠の管理は営業所で行ってもらおうと考えています。ただ、給与計算等は本社でまとめて行う予定をしています。

 従業員数や人事労務管理が行われることを総合的に考えると、今回は独立性があるように判断できますね。

 それでは手続きの準備を進めたいと思います。参考までにお聞きしたいのですが、今回は、10名程度の規模になる予定ですが、今後、2~3名といった少人数の場合にはどのように考えるのでしょうか?

 この場合、場所的に営業所が離れていても、従業員数が少なく、組織的に直近の事業所の事業に対して独立性のないものについては、直近上位、つまり一つ上の事業に包括して取り扱うこととされています。人数のみでの判断にはならないため、2~3名という情報のみでは判断できませんが、営業所ではタイムカードは打刻するものの、遅刻や早退の連絡も本社で確認し、年次有給休暇の申請も本社に対して行うといった場合には、本社と一体として判断されるでしょう。

 なるほど。独立性がなければ、その一つ上にまとめるということですね。

 そうですね。ここまでは労働保険の成立手続きについてお話してきましたが、労働保険に関連して保険料の納付について確認しておきましょう。今回、営業所の新設により、会社として本社と営業所の2つの保険関係が存在することになります。通常であれば、本社と営業所の各々で労働保険料を納めることになりますが、一定の条件を満たした場合には、「継続一括」という複数の事業の労働保険料をまとめて納めることが可能になります。

 本社で一括して納めるということですね。

 そうですね。本社で営業所もまとめて労働保険料の計算をすることができるため、事務負担が少なく、手続き漏れを防ぐことができます。ただ継続一括とするには、各々の事業が以下の条件をすべて満たしていることが必要で、会社が事前に申請し、厚生労働大臣の認可を受けておく必要があります。

 1.事業主が同一人であること
 2.それぞれの事業が継続事業であること
 3.それぞれの事業が、次のアからウのいずれか1つのみに該当するものであること

  ア.労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業
  イ.雇用保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業
  ウ.一元適用事業であって労災保険及び雇用保険の両保険に係る保険関係が成立しているもの

 4.それぞれの事業が「労災保険率表」による事業の種類を同じくすること

 これらの条件をすべて満たしているかの確認が必要ですね。また分からないことが出てきましたら相談します。

>>次回に続く
 
 


 今回は、事業所を新設した場合に求められる労働保険の手続きについて解説しましたが、ここで、そもそも労働保険の成立手続きを怠っていた場合の費用徴収に関しても確認しておきましょう。
 この成立手続きを怠った場合とは、成立手続きを行うよう指導を受けたにもかかわらず、自主的に成立手続きを行わないことを指し、さかのぼって労働保険料が徴収され、併せて追徴金が徴収されることになります。また、事業主が故意または重大な過失により労働保険関係成立届を提出していない期間中に、労災事故が起きた場合は、さかのぼって労働保険料、追徴金が徴収されるとともに、労災保険給付に要した費用の全部または一部が徴収されることになっています。

 その他、労働保険の加入後においても、事業主が一般保険料を滞納している期間中に労災事故が発生した場合についても費用徴収が行われ、支給された保険給付額の最大40%、事業主の故意または重過失により業務災害が発生した場合は支給された保険給付額の30%が事業主から徴収されることになっています。事業主としては、確実に労働保険の成立手続きや労働保険料の納付を行っておきましょう。

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 

 

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労働時間の把握において重要となる新ガイドライン!!

 

過重労働対策が進められていますが、先日、厚生労働省より労働時間の適正な把握に向けた新ガイドライン「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が公開されました。今後、企業は、この新ガイドラインを踏まえた労働時間の把握が必要になることから、今回は、この内容についてとり上げましょう。

1.新ガイドラインが示された背景
 今回、新ガイドラインが示された背景には、昨年12月26日に「『過労死等ゼロ』緊急対策」で示された違法な長時間労働に対する監督指導の強化があります。
 従来、労働時間の把握については、平成13年4月6日に発出された通達「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」(以下、「旧通達」という)があり、労働基準監督署はこの通達に基づいて企業を指導してきましたが、今後は新ガイドラインによって行われることになります。

 

2.押さえておきたい新ガイドラインのポイント
 新ガイドラインは旧通達を基として作られていますが、新たに以下のようなポイントが追加されています。

(1) 労働時間について
 労働時間の定義は法律にはなく、これまで最高裁判例によりその定義付けがなされてきました。新ガイドラインでは、「労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たる。」として、次のアからウのような時間を労働時間として扱うよう示しています。なお、これら以外の時間についても、使用者の指揮命令下に置かれていると評価される時間については労働時間として扱われることがあります。

ア 使用者の指示により、就業を命じられた業務に必要な準備行為(着用を義務付けられた所定の服装への着替え等)や業務終了後の業務に関連した後始末(清掃等)を事業場内において行った時間
イ 使用者の指示があった場合には即時に業務に従事することを求められており、労働から離れることが保障されていない状態で待機等している時間(いわゆる「手待時間」)
ウ 参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間

(2) 自己申告制により労働時間の把握を行っている場合の取扱い
 自己申告制により労働時間の把握を行っている場合の取扱いついては、自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているかを確認し、必要に応じて実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすることが求められています。現在は、入退場記録やパソコンの使用時間の記録など、事業場内にいた時間の分かるデータがあることが多いこともあり、そのような場合には、自己申告により把握した労働時間とこれらのデータで把握できる事業場内にいた時間との間に著しい乖離が生じているときには、実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすることとしています。

(3) 36協定の延長時間について
 いわゆる36協定について、延長することは当然のこととした上で、36協定に上限があることにより返って労働者が過少の申告をすることがあることを踏まえ、36協定に記載された延長することができる時間数を実際に超えて労働しているにもかかわらず、記録上これを守っているようにすることが、慣習的に行われていないかについても確認することを求めています。

 労働時間の管理の重要性は高まるばかりであり、企業としてはこの内容を理解し、労働時間の取扱いや労働時間の把握について問題となるような取扱いがないかを見直しておきましょう。
 

■参考リンク
厚生労働省 「長時間労働削減に向けた取組」

   

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

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長時間労働が疑われる事業場の66.2%で法令違反!!

 

昨年末に、厚生労働省より「『過労死等ゼロ』緊急対策」が出され、その中で、違法な長時間労働を許さない取組みの強化が盛り込まれています。これに関連して、厚生労働省から長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導の結果が公表されましたので、今回はその内容をとり上げましょう。

1.監督指導の対象となった事業場
 この調査結果は、平成28年4月から9月までに、長時間労働が疑われる事業場に対し、労働基準監督署が行った監督指導の実施結果が取りまとめられたものです。この監督指導は、1ヶ月当たり80時間を超える残業が行われた疑いのある事業場や、長時間労働による過労死などに関する労災請求があった事業場が対象とされています。以前は1ヶ月当たり100時間を超える残業が行われた疑いのある事業場が対象となっていましたが、平成28年度よりこの時間数が80時間に下がり、監督指導の対象が拡大しています。

 

2.法令違反があった事業場数とその内容
 今回の調査において、監督指導が実施された事業場は10,059事業場であり、そのうち、6,659事業場(全体の66.2%)で労働基準法などの法令違反が見られたという結果になりました。その主な違反内容としては以下のものがあります。

・違法な時間外・休日労働があったもの:4,416事業場(43.9%)
・賃金不払残業があったもの:637事業場(6.3%)
・過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの:1,043事業場(10.4%)

 そして、違法な時間外・休日労働があったもののうち、時間外・休日労働の実績がもっとも長い労働者の時間数が1ヶ月あたり80時間を超える事業場は3,450事業場となり、是正勧告書が交付された割合が78.1%となりました。

3.監督指導事例
 今回の実施結果の中には3つの監督指導事例が挙げられており、問題点の把握に役立ちます。そこで以下では情報処理サービス業の例を一つとり上げましょう。

[監督指導において把握した事実a]
 脳・心臓疾患を発症させた労働者について、36協定で定める上限時間(特別条項:月80時間)を超えて発症前の直近6ヶ月平均で月92時間の違法な時間外労働を行わせるとともに、この労働者以外の21名の労働者についても、36協定で定める上限時間を上回る月100時間を超える違法な時間外労働を行わせていた。違法な時間外労働は、もっとも長い労働者で月約200時間となっていた。

[事実aへの労働基準監督署の対応]
(1)労働基準法第32条(労働時間)違反を是正勧告
(2)36協定の不適切な運用について原因を分析し、適切な運用を図るための具体的な再発防止対策を検討するよう指導
(3)月80時間以内への削減について専用指導文書により指導
(4)過重労働による健康障害防止について専用指導文書により指導

[監督指導において把握した事実b]
 常時50名以上の労働者を使用しているにもかかわらず、長時間労働による健康障害防止対策等についての調査審議を行う衛生委員会を設置していなかった。

[事実bへの労働基準監督署の対応]
・労働安全衛生法第18条(衛生委員会)違反を是正勧告

 厚生労働省では、1ヶ月当たり80時間を超える残業が行われた疑いのある事業場などに対する監督指導の徹底をはじめ、長時間労働の是正に向けた取組を積極的に行うとしています。企業としては適正に実態を把握するとともに、長時間労働の改善に向けた取組が求められています。
 

■参考リンク
厚生労働省 「長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果を公表します」

   

 

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対応が迫られる有期契約労働者の無期転換ルール!!

 

 平成25年4月に改正労働契約法が施行され、有期契約労働者の雇用期間が通算して5年を超え、労働者が申込みを行うことにより無期労働契約に転換できる制度(無期転換ルール)が設けられました。改正法が施行されてまもなく4年となり、具体的対応を決めなければならない時期が近づいてきました。そこで、今回は、有期契約労働者の無期転換ルールへの対応について解説することとしましょう。

 この無期転換ルールとは、平成25年4月1日以降に始まった有期労働契約が反復更新されて通算5年を超える場合に、その労働者が無期転換の申込みを行うことで、次の契約から労働契約期間が無期に変わるというものです。例えば、下図のように、平成25年4月1日より1年更新で契約していた場合には、雇用期間が通算5年を超える平成30年4月1日からの契約を締結したところで、無期転換の申込みができるようになり、平成31年4月1日より無期労働契約に転換します。この無期転換ルールはあくまで本人から申し出があった場合に転換させるというものであり、仮に本人からの申し出がなければ従来どおり、有期労働契約の更新を行うことができます。

 

 

 
 

 有期契約労働者を雇用している企業では、今後の対応として、以下のようなステップで進めていくことが考えられます。

[step1]有期契約労働者の活用方針の明確化
[step2]無期転換後の労働条件の検討
[step3]無期転換の申込みルールの確立
[step4]就業規則の整備

[step1]有期契約労働者の活用方針の明確化
 企業の対応として、有期契約労働者の無期転換を受け入れていくケースと、あくまでも有期契約として人材を活用するケース等が考えられます。まず後者の有期契約として活用する場合には、残る契約更新のタイミングは1年更新の上記の例では平成29年4月1日のみとなります。これから平成29年4月以降の契約更新に向けて、手続きを行う企業が多いことを想像すると、この平成29年4月1日のタイミングが雇い止め(契約更新拒否)等の様々な対策について余裕を持って行うことができる最後の機会となるでしょう。なお、雇止めの有効性は個別の判断となり、無期転換権が発生するという理由では認められないためご注意ください。

[step2]無期転換後の労働条件の検討
 この無期転換は有期契約労働者を正社員とすることまでは求められていません。あくまで労働契約期間が無期に変わることを指しています。この場合、労働契約期間以外の労働条件(職務、勤務地、賃金、労働時間等)は、就業規則等に特段の定めがなければ無期転換前の内容と同じとなり、例えば1日4時間、週3日勤務の契約であればこのままになります。

 今後、この無期転換した者については、定年の定めがあればその定年年齢まで雇用することになるため、企業としては、長期雇用を前提とした労働条件の定めを検討しておくことが求められます。

[step3]無期転換の申込みルールの確立
 次に、無期転換の申込みを行う際の社内ルールを決めておく必要があります。社内ルールがなければ、申し出のプロセスにおいて無用の混乱やトラブルが起きかねません。そのため、企業としては、無期転換の申込みについて、どこへ、どのように行うのか社内手続きを決めておく必要があります。なお、この申し出は口頭でも成立しますが、社内で申出する際の様式を作成し、書面を提出してもらうようにしておきましょう。

[step4]就業規則の整備
 そして、上記のstep2およびstep 3の内容を就業規則に定めることと併せて、この無期転換となった労働者に適用する就業規則を準備しておく必要があります。その際、既に存在する有期契約労働者の就業規則を変更して適用できるようにするのか、新たに作成するのかといった検討が必要になります。適用する就業規則がないといった状況とならないように、確実に整備を行っておきましょう。

 

 今回の無期転換の対象者は、パートタイマー、アルバイト、契約社員等の名称を問わず、6ヶ月間や1年間等の期間を定めて契約している者になります。ただし、「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」が設けられており、この対象者のひとつとして、定年再雇用者についてはあらかじめ手続きを行うことで無期転換権が発生しないという取扱いが可能とされています。具体的な手続きは「第二種計画認定・変更申請書」を作成し、都道府県労働局長の認定を受けることが求められます。なお、この特例法では原則としてあくまでその企業で定年前より継続して雇用している者が対象であり、他社で定年年齢を超えた者を新たに雇用した場合等は対象外となります。定年再雇用者の雇用について5年を超える可能性があれば、手続きを早めにおこなっておきたいものです。

 ここ数年、企業規模や業種を問わず人材を確保できないという話をよく耳にし、人材不足の時代となっています。また今後、労働力人口は急速に減少していくことから、中長期的に人材不足がさらに深刻な問題となることは確実でしょう。

 
 

 このような環境のなかで、今回の無期転換への対応をきっかけに、企業として今後、人材をどのように活用していくのか、方針をしっかり検討していくことが求められます。

■参考リンク
厚生労働省 「労働契約法の改正について~有期労働契約の新しいルールができました~」

 

 

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今月より実施されている小売業、社会福祉施設等に対する労働災害防止推進運動!!

 

小売業、社会福祉施設、飲食店において、転倒や腰痛などの労働災害が増加していることを受け、この1月より「働く人に安全で安心な店舗・施設づくり推進運動」が実施されています。そこで今回は、この推進運動が行われる背景と内容、企業に求められる対応についてとり上げましょう。

1.労働災害の状況
 厚生労働省では、産業構造の変化や労働者を取り巻く社会情勢の変化に対応し、労働者の安全と健康を確保するために、5年ごとの労働災害防止計画を策定しています。現在の計画は平成25年度から平成29年度までを計画期間としていますが、小売業、社会福祉施設、飲食店については、休業4日以上の労働災害件数が増加傾向にあり、目標と反対の状況となっています。

 

2.「働く人に安全で安心な店舗・施設づくり推進運動」とは
 このような状況を受け、災害防止の取組を促進させるために今月より「働く人に安全で安心な店舗・施設づくり推進運動」が初めて実施されることになりました。そして、この推進運動では以下の4つの取組が行われています。

①関係業界団体などに対する要請・企業などに対する周知
 約70の関係業界団体などに対して、今回実施する推進運動の取組の促進について協力を要請し、都道府県労働局などから企業・法人に対して、今回の推進運動の取組を実施するよう周知を行う。

②取組を支援するための情報提供(特設サイトの開設)
 厚生労働省のホームページ「職場のあんぜんサイト」内に、特設サイト「働く人に安全で安心な店舗・施設づくり推進運動」を開設し、以下のような情報を掲載することで、小売業、社会福祉施設、飲食店における労働災害防止対策を推進する。

・小売業、社会福祉施設、飲食店における労働災害統計、災害事例の提供
・労働災害を防止するための対策や好事例の紹介
・労働災害を防止するためセミナー、教育用教材の紹介

■「働く人に安全で安心な店舗・施設づくり推進運動」特設サイト


③労働災害件数が多い企業などに対する取組促進の指導
 労働災害件数が多い多店舗展開企業などの本社などに対して、経営トップによる安全衛生方針の表明、作業マニュアルの作成・周知など、店舗・施設における安全衛生活動の活性化に向けた取組について、チェックリストを活用して指導する。

④中央労働災害防止協会による支援
 中央労働災害防止協会において、この運動に基づく労働災害防止対策の推進に役立つ情報の発信、セミナーの開催、専門家による安全衛生指導などを行う。

3.企業に求められる対応
 特に店舗などでは安全担当者の選任などが義務付けられていないことから、企業の本社が主導する全社的な取組が効果的とされています。これについては2.③の具体的な取組として、厚生労働省よりリーフレット「働く人に安全で安心な店舗・施設づくり推進運動」が公開されており、本社・本部が実施する事項と店舗・施設が実施する事項がピックアップされています。例えば以下のような事項が掲げられており、このようなチェックリストを活用しながら、本社が主導しながら、現場で具体的な対策ができるようにしていくことが求められます。

【本社・本部】
・店舗・施設における安全衛生担当者(衛生管理者、衛生推進者、安全推進者等)の配置状況を確認していますか。
・店舗・施設の安全衛生担当者に対する教育を実施していますか。
・リスクアセスメント(職場の危険・有害要因を特定し、リスクの大きさを評価すること)を実施してその結果に基づく対策を講じていますか。

【店舗・施設】
・KY(危険予知)活動による危険予知能力、注意力の向上に取り組んでいますか。
・危険箇所の表示による危険の「見える化」を実施していますか。
・店長・施設長、安全担当者による定期的な職場点検を実施していますか。

 今回は、小売業、社会福祉施設、飲食店に対するものですが、どの企業においても、労働者の安全対策は多かれ少なかれ必要なものであり、どのような対策ができるのか検討し、労働者が安全で安心して働くことのできるようにしていきたいものです。
 

■参考リンク
厚生労働省「「働く人に安全で安心な店舗・施設づくり推進運動」を初めて実施します」

 

厚生労働省 リーフレット「働く人に安全で安心な店舗・施設づくり推進運動」

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

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労基署是正指導により支払われた割増賃金支払額は過去10年間で最低水準に!!

 

昨年末に、厚生労働省より「監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成27年度)」が公表されました。これは、平成27年4月から平成28年3月までの間に労働基準監督署等による定期監督および申告に基づく監督等により、残業に対する割増賃金が不払になっているとして是正指導されたもののうち、その支払額が1企業当たり合計100万円以上となった事案をまとめたものです。その結果は、以下のようになっています。

1.是正企業数等の概況

・是正企業数:1,348企業(前年度比19企業の増加)
・対象労働者数:9万2,712人 (同11万795人の減少)
・支払われた割増賃金の合計額:99億9,423万円 (同42億5,153万円の減少)
・支払われた割増賃金の平均額:1企業当たり741万円、労働者1人当たり11万円
※是正の対象となった企業のうち、1,000万円以上支払った企業数は184企業

 今回、是正企業数は前年より増加しましたが、対象労働者数、支払われた割増賃金の合計額は前年よりも大幅に減少しています。また、1企業での最高支払額は1億3,739万円(金融業)となっており、1億1,368万円(その他の事業(協同組合))、9,009万円 (電気機械器具製造業) と続いています。

2.労働基準監督署の監督指導事例
 厚生労働省より「賃金不払残業の解消を図るために講ずべき措置等に関する指針」(以下、「指針」という)が出されており、労働基準監督署はこれに基づいて監督指導を実施しています。今回の対象となった企業に対しても、この指針に基づいた取組が行われているので、以下では労働(残業)時間の申告時刻とパソコンのログオフ記録や電子メールの送受信履歴との乖離があるケースをみておきましょう。

[賃金不払残業の状況]
 会社は、「出勤簿」と労働者が事前申請を行う「時間外勤務申請書」に基づき労働時間を把握していたが、パソコンのログオフ記録や電子メールの送受信履歴から、時間外勤務が正しく申請されていない疑いが認められた。
[労基署の指導内容]
 割増賃金を適切に支払っていないことについて是正勧告を行った。また、労働時間を適正に把握すること、労働時間について実態調査を行い、不足額を支払うことについて指導した。
[企業が実施した解消策]
 労働者から聞き取り調査を行った結果、賃金不払残業が認められたことから、不払となっていた15ヶ月間の割増賃金(約830名分、約71,000時間分)を支払った。また、①自己申告制による時間管理を廃止し、タイムカードを導入、②企業トップ自ら賃金不払残業が生じた原因を労働者にヒアリングし、賃金不払残業撲滅に向けた取組を説明、③総務部門による定期的な職場巡視によるチェック体制の構築などの改善策を講じた。

 今回のケースにように、労働時間を客観的な記録ではなく従業員に申告させている企業は少なくないでしょう。自己申告制の場合、上記の指針の中で、申告された労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、企業は必要に応じて実態調査を実施することとされています。そのため、残業が正しく申請されているかチェックを行うなどの対策も求められています。

■参考リンク
厚生労働省 「平成27年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果を公表します」

 

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

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こんにちは。

 

大学卒業後3年以内で会社を辞める人は全体の31.9%!!

 

新卒入社に関してはよく七五三と言われます。これは新卒社員の離職率を表したものであり、入社3年以内に、中学新卒者(中卒)は7割、高校新卒者(高卒)は5割、大学新卒者(大卒)は3割が退職するという意味です。今回、この離職率に関する最新のデータが厚生労働省より公表されましたので、このデータをとり上げることにしましょう。

1.高卒・大卒の卒業後3年以内の離職率
 高卒と大卒の離職率をみてみると、高卒の卒業3年以内の離職率は40.9%と前年(40.0%)より0.9ポイント増加し、大学新卒者の卒業3年以内の離職率については31.9%と前年(32.3%)より0.4ポイント減少しました(いずれも平成25年3月卒業者)。高卒は七五三の5割までは達しないものの、大卒より高い割合で離職していることが分かります。

 

2.事業所規模別の卒業後3年以内の離職率
 次に事業所規模別に見てみると、高卒、大卒共に以下のような離職率となっており、事業所規模が大きくなるにつれ、離職率が低下していることが分かります。その要因は、賃金水準、休日日数、福利厚生面等様々かとは思いますが、新卒の離職者が多いという悩みを抱えている企業においては、大企業で行われている対策を参考にして、できる範囲で実施してみることも重要でしょう。
※( )内は前年比増減

(1)高卒の離職率
 1,000人以上 24.7% (3.1ポイント増)
  500~999人 31.5% (2.0ポイント増)
  100~499人 37.9% (0.9ポイント増)
  30~ 99人 47.7% (0.4ポイント増)
   5~ 29人 57.2% (0.6ポイント減)
   5人未満  64.4% (4.0ポイント減)

(2)大卒の離職率
 1,000人以上 23.6% (0.8ポイント増)
  500~999人 29.2% (0.1ポイント減)
  100~499人 31.9% (0.3ポイント減)
  30~ 99人 38.6% (0.4ポイント減)
   5~ 29人 49.9% (1.6ポイント減)
   5人未満  59.0% (0.6ポイント減)

3.主な産業別の卒業後3年以内の離職率
 離職率を主な産業別に見てみると、業種によって離職率が大きく異なることが分かります。

(1)高卒の離職率
 高卒については離職率の高い産業上位5つが「宿泊業、飲食サービス業」、「生活関連サービス業、娯楽業」、「教育、学習支援業」、「小売業」、「不動産業、物品賃貸業」となっており、特に、「宿泊業、飲食サービス業」(66.1%)と「生活関連サービス業、娯楽業」(60.5%)は6割を超える離職率となっています(表1参照)。

 

 

(2)大卒の離職率
 大卒については離職率の高い産業上位5つが「宿泊業、飲食サービス業」、「生活関連サービス業、娯楽業」、「教育、学習支援業」、「医療、福祉」、「小売業」となっており、このうち、「宿泊業、飲食サービス業」は5割を超える離職率となっています(表2参照)。

 

 

 近年、顕著に人材確保が難しくなっている産業や業種が増えており、また今後の労働力人口の減少を考えると、如何に人材の定着を図っていくかが重要になってきます。安定的な事業運営のためにも、職場環境の改善や教育制度の充実など、人材の定着を視点においた施策が求められます。
 

■参考リンク
厚生労働省 「新規学卒者の離職状況(平成25年3月卒業者の状況)」

 

 

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

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明けましておめでとうございます。

 

厚労省が実施した「過重労働解消相談ダイヤル」 相談の27.9%は家族からの相談!!

 

過重労働対策として、国は様々な対策を行っていますが、その一つに、毎年11月に、労働基準監督署の重点監督を含む過重労働解消キャンペーンの実施があります。先日、この過重労働解消キャンペーンの取組みとして行われた「過重労働解消相談ダイヤル」の相談結果が発表されましたので、この相談結果の内容と具体的な相談事案をとり上げましょう。

1.相談結果の内容
 まず、相談件数は合計712件で、主な相談内容としては、 長時間労働・過重労が340件(47.7%)、賃金不払残業が305件(42.8%)、休日・休暇が53件(7.4%)となりました。そして、相談者の属性をみてみると、労働者が432件と全体の約6割を占めていますが、労働者の家族について199件と27.9%を占める結果となっています。労働者本人だけでなく、家族からの相談も寄せられていることがわかります。

 

2.相談事案
 またこの相談結果の中で、相談事案もとり上げられていることから、この中から特徴的な3つの事例を確認しておきましょう。

(1)長時間労働・過重労働
・人員不足のため、毎日7時間程度の残業を行っており、月100時間を超える残業を行っている。労働時間は自己申告により管理しており、パソコンに入力していたが、上司が自分のチームの残業削減を業績目標としているため、残業が少なくなるよう改ざんしている。

(2)賃金不払残業
・入社時に「残業を指示した時間以外は残業代を支払わない」と説明を受けた。実際に勤務したところ、毎日3時間程度の残業があり、時間外に勉強会や会議が設定されるが、残業代は毎月定額で1万円しか支払われない。労働時間はタイムカードで管理することになっているが、仕事が終わっていない人の分も含めて、誰かが定時過ぎに全員分をまとめて打刻している。

(3)休日・休暇
・有給休暇は発生してから2年以内であれば取得できるはずだが、就業規則で1年以内(当年)しか取得できないと定められている。また、有給休暇の取得を会社に請求する際には、上司に理由を言って認めてもらう必要がある。

 これらの事案のように、企業において労働時間が適正に管理されていなかったり、時間外労働に対する賃金が不払いとなっていたりするなどの問題が見受けられます。今回の過重労働を防止するためには、労働時間を適正に把握することが第1歩となるため、この機会に各事業場で点検を行い、問題があれば早急に改善しましょう。

■参考リンク
厚生労働省 「「過重労働解消相談ダイヤル」の相談結果を公表します」

 

 

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

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