さいたま市児童相談所(児相)が、顔にたたかれたような跡があるなど虐待された疑いのある小学4年生の男児(10)について、大宮署から一時保護の必要性を打診されたにもかかわらず、当初は断っていたことが12日、関係者への取材で分かった。同署員が児相に出向いて状況を説明し、男児はようやく一時保護された。児童福祉法では必要があれば児相の権限で児童の一時保護ができるとされているが、その権限は極めて抑制的に行使されている実態が改めて浮かび上がった。

 関係者によると、5日午後8時ごろ、さいたま市内に住む男児の母親(31)から通報を受けた児相から、大宮署に「虐待があるようなので行ってほしい」との電話があった。

 同署員が男児の自宅に駆け付けると、集合住宅の外階段に薄着で震えながら素足のまま座っている男児を見つけた。男児の顔にあざがあったため、母親に事情を聴くと、母親は虐待を認め、「息子を殺してしまうかもしれない」と話した。男児も虐待されていることを明かしたという。

 同署は生命の危険があると判断して男児を一時的に引き取り、児相に電話で連絡。しかし、児相はその時点で一時保護を拒否した。このため、署員が児相に出向いて再度事情を説明、これを受けて児相は一時保護することを決めた。男児は現在も保護されている。

 関係者によると、児相は

2年以上前から母親と接触、平成20年12月ごろには母親から「育てる自信がない」との相談を受け、男児を一時保護したことがある。しかし、21年3月、母親から「手元で育てたい」との意思表示があり、一時保護を解除していた。

 その後、男児は学校にほぼ休まずに登校していたが、今月に入って担任に「お母さんが怖い」と相談。しかし、学校側はこれまでの様子から「事件性は低い」とし、児相に通報しなかった。一方、住民は「男児は保護される約1週間前に目の回りにあざができていた。最近見かけないので心配だった」と話した。

 児相は産経新聞の取材に対し、「警察に任せた方がスムーズに保護できると考えていたが、警察が動かなければ自分たちで動く準備はあった」と説明した。

 林浩康・日本女子大学教授(社会福祉学)「虐待した母親が自ら通報した場合でも、子供が亡くなることもある。現在は児相にも強制的に立ち入り調査するなどの権限が与えられているので、その後のケアのことを考えても、単独にしろ警察と同行するにしろ、できるだけ児相が自分たちの目で確かめて緊急性を判断するなど、最初から関与する必要がある」

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