製菓職人あすかのブログ

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日本では円柱型に焼いたスポンジをスライスしたものにホイップクリームを挟むショートケーキが定番です。でも、こちらでイチゴのケーキの代表格といえば、Fraisier という、スポンジ(génoise )かビスキュイ(biscuit cuillèreという、CHARLOTTEなどに使われる生地)にクリームムースリン(Paris Brest 参照)かクリーム・ディプロマト(crème légèreとも呼ばれる、ゼラチンを混ぜたカスタードにホイップクリームを合わせたもの)を挟むケーキ。冒頭の写真は(まだ本格的に製菓の勉強を始める前に作ったものですが)スポンジにムースリンを挟んだものは、バターの味が強いので、軽く召し上がられるよう一口大に作ったものです。通常は赤色や透明なつや出し剤(glaçage)を型を外さないままの状態で表面に塗るか、アーモンドペーストで最上段を覆うのが一般的ですが、これは粉砂糖と下に敷いたチョコレートのレースのついでに描いた蝶々を乗せただけです。


個人的には、軽く仕上がるビスキュイとクリーム・ディプロマトが好みなので、これらのレシピを掲載します。

【Biscuit cuillère】

Blanc d'œufs 3 pièces 卵白

Sucre 60g 砂糖

Jaune d'œufs 3 pièces 卵黄

Farine 60g 小麦

1. Faire monter les blancs en neige avec le sucre

卵白と砂糖をしっかりあわだてる

2. Verser le Jaune d'œufs sur blancs et mélanger. Puis verser la farine en pluie en mélangent délicatement à l'aide de maryse.

黄身を混ぜて、ヘラで優しくパラパラと注いだ小麦粉を混ぜる。

3. Etaler l'appareil sur une feuille de cuisson et une plaque à l'aide de palette coudée et cuire à 200°C pendant environ 10min. Vérifier la cuisson just en appuyant avec un doigt jusque le biscuit mou revient sans laisser la trace, défourner et réserver tout de suite sur une grille pour éviter qu'il sèche.

生地を、取っ手に近い位置が曲がったパレットを使いクッキングペーパーを敷いた鉄板にならす。200℃で10分ほど焼く。指で押して跡が残らず生地が弾力でもどってくるくらいか確認し、焼けたらすぐオーブンから出し、網の上に移し、余熱による乾燥を防ぐ。


【Crème diplomate】

Lait 500g 牛乳

Sucre 125g

Jaune 80g

Poudre à crème 45g コーンスターチやでんぷんなら何でも

Gélatine 6 feuilles ゼラチン板

Crème fouettée 375g 泡立てた生クリーム

Kirsch 50g キルシュ酒

1. Réaliser la crème pâtissière et mélanger avec les feuilles de gélatines ramollies. Filmer la au contact et laisser au froid afin de incorporer les deux crèmes sans tomber la crème.

カスタードクリームを作り、柔らかくなったゼラチンと混ぜる。空気がなるべく入らないようラップをして、冷たいホイップクリームをの泡を熱でつぶしてしまわないようしっかり冷やす。

2. Aromatiser la crème pâtissière bien froid avec du kirsch et batter la bien lisse et homogène à l'aide de fouet.

よく冷えたカスタードクリームをキルシュ酒で香りづけし、滑らかに柔らかくなるまで泡だて器でよくまぜる。

3. Incorporer les deux crèmes.

二つのクリームを混ぜる。


【Punch Kirsch/Sirop à 1.260D】

Sucre 150g

Eau 115g

Kirsch 20g

Faire bouillir l'eau et fondre le sucre. Puis laisser froidir le sirop un peu et aromatiser le du kirsch

沸騰させ砂糖を溶かす。お酒が飛ばないよう熱が取れてからキルシュを混ぜる。


《Montage de entremets》

1. Chemiser* un cercle à d'aide de rhodoïd**

*チョコレートやゼラチンで内膜を作り、湿気の浸透を防いだり異なる素材を隔離する作業。ここでは、オントルメが型からきれいに外れるよう、型の内側にくっつかないよう帯をしくこと。

** プラスチック樹脂の帯。このケーキではイチゴのきれいな断面が見えるよう、透明なものを使うことが多いが、模様が印刷されたものもあり、ケーキのデコレーションの役割も果たす。くるくるしたチョコレートの飾りを作ったりするのにも使う。

2. Poser bien les fraises coupées en deux en appliquant leurs sections envers le contour du rhodoïd.

Puis, mettre le biscuit détaillé au fond et imbiber le du sirop à l'aide de pinceau.

半分に切ったイチゴを、切断面を帯に密着させながら、きちんと並べる。それから型に合わせて抜いたビスキュイを底にしき、刷毛でシロップをしみこませる。

3. Garnir bien là crème surtout sur le bord intérieur de circle à l'aide d'un aide de palette.

クリームを、特にパレットで型の内側の縁を意識しながら詰める。

4. Metter les fraises coupées en dés partout, garnir un peu de crème, et insérer un autre biscuit détaillé et imbibé.

さいころ型に切ったイチゴをまんべんなく詰め、すこしクリームを足して、またくりぬいてシロップを浸したビスキュイを真ん中に入れる。

5. Garnir la crème et remplir le cercle. Egaliser le surface de la crème au niveau du cercle à l'aide de palette en travaillant toujours proprement.

クリームを詰めて、肩を満たす。パレットで型の淵の高さにクリームをならす際は、いつもきれいな状態で作業するようにする

6. Couvrir le surface, enlever le circle et finir le décor.

表面を覆い、型を外して、装飾を仕上げる。

これは、仕上げにシュガーペーストで覆ったもの。rhodoïdはケーキ全体を支え、きれいにイチゴを見せてくれるので、切り分ける直前まで残しておきます。長い距離を常温で運ぶのに、rhodoïdを移動前にはがしてしまい、クリームがよれて淵がくずれてしまった私の失敗例。熱したナイフやパレットでくるりとクリームをそいであげるという応急処置もありますが、身内用だったので、そのまま・・・