先日、YG文字盤のOcta RdMに接する機会がありましたので、ご報告します。


Octaのみならず、YG文字盤は、すでに数年前に生産を終了しています。コレクターの間では、注目のラインです。


この時代は、ムーブメントも真鍮でした。モントルジュルヌの資金力の問題で、本来、RGムーブメントにしたかったがやむなく、真鍮としていたそうです。

そういう理由ではあっても、この時代しか真鍮ムーブメントはなく、今後つくるつもりはない、と宣言されていますので、世界的には価値が出ています。

個人的には美しいRGムーブメントが好きですが、そういう背景のある商品だとご理解ください。



オクタ第一世代YG文字盤


Cal.1300-1 オクタ第一世代真鍮ムーブメント

これらが1300-1ムーブメントです。その後、RGになったものが1300-2で、現行のAR以外のオクタがこれを搭載しています。

そして、先日ご紹介した片巻きの新型ムーブメント1300-3を積んだものが、ARです。


Cal.1300-1 オクタ第一世代真鍮ムーブメントその2

このすべてRGのムーブが1300-3です。もともと1300-1と比較するつもりなく撮影したので、テンプが写ってませんが、お許しください。ちなみに、1300-2と比べると、ルビーのねじの配置など若干の相違が目視にて確認可能です。


Cal.1300-3 オクタ第三世代RGムーブメント(AR)

おまけ トゥールビヨン・スブランです。RGケースのWG文字盤という珍しいモデルです。

ルモントワール機構を備えたことにより精度も高まっているというものです。

巻き味もすごく軽やかです。巻き味だけは、レゾナンスは、他のモデルに負けます。非常に巻きにくいですから。

トゥールビヨンも第一世代と第二世代があり、第一世代はプロペラがデッドセコンド(6時位置の秒針)の位置にあり38mmケースで、3つの円がもう少し離れていました。

第二世代は、3つの円を三角形に構成することをコンセプトに、接した配置に変更しました。これにより文字盤の迫力が増し、より大型ケースになじむデザインとなりました。したがって、標準は40mmです。38mmも注文可能ですが、誰も見たことがないようです。いいかどうかは結構賭けです。厚みもあるので40mmがよいといわれています。そして、プロペラが裏に回り、デッドセコンドが入りました。第一世代は、トゥールビヨンのゲージの回転位置で秒を把握するというものでしたが、第二世代では秒針がついたわけです。デッドセコンドなので、クォーツのようにほぼ1秒ずつ、かち、かちっと進みます。ただし、この辺が機械式なわけで、完全に1秒ずつではありません。タイミングによって少し進んだ位置まで動くといったことはあるわけです。こういう味も楽しめるようでないと機械式時計にははまれないということです。


おまけトゥールビヨンRG-WG

はっきり写っていなくて恐縮ですが、トゥールビヨンのムーブメントです。じっと見ると、テンプ付近のルモントワールのかすかな動きを感じ取れます。また、プロペラも見えるのです。映りが悪くて申し訳ないです。