ブログを通して日本経済の現状をテーマにお伝えしていますが、第3回目では日本の国債(借金)と題して、積み上がった国債残高が引き起こす(かもしれない)恐ろしい将来をお送りします。


8月24日に米国格付け会社ムーディーズは日本国債の格付けを従来の「Aa2」から「Aa3」に1段階引き下げました。米国も債務不履行を回避したにも関わらず、米国格付け会社S&Pが「AAA」から「AA+」に1段階下げ大騒ぎとなりました。しかし日本国債の格付け「AA-」は米国などより2段階も悪く評価されています。先進国の中では最低です。



独立系ファイナンシャル・プランナー 村川FP事務所 へようこそ-各種債務残高 ではなぜ、日本国債の格付けが悪いかと言うと、国債と借入金が毎年どんどん積み上がって遂に昨年973兆円を超し、ますます増加し続けているからです。この傾向は収まる見込みがなく、積み上がる一方だからです。



23年度一般会計予算でみると、92兆円の国家予算に対して税収は41兆円程しかなく、国家予算の約半分は国債や地方債などを発行して賄っています。しかも、歳出のうち21.5兆円(23%)は国債の利払いや償還金などの返済金に充てられているのです。つまり、借金を返すために、借金を重ねているのが現状です。


すでにGDPの2倍(200%)を超えて借金が膨らんでいて、ギリシャやスペインなど金融危機が話題となっている国(130%程度)と比べても遥かに高いレベルです。でも、諸外国から金融危機として話題になっていないのは、この国債の買い手の90%以上が日本の銀行や日本人だからです。仮にデフォルト(債務不履行)になっても外国人は自分で損をするわけではありません。しかし、日本人は違います。このペースでいくと国民の金融総資産額1400兆円まであと10年とかかりません。1400兆円までいくと国債を買える銀行や個人はいなくなって、国債価格は暴落(金利上昇)し、市場は大混乱になります。もっとも10年も待たず、すぐにでも国債の暴落は始まると言っている経済評論家もいます。


現在、長期国債の金利はほぼ1%で安定していますが、これが仮に国債の暴落で金利が1%上昇したらどうなるでしょうか?1000兆円を超えて積み上がった国債の利息だけでいったい幾らになるのでしょう。不安に駆られた機関投資家や個人投資家がこぞって国債を現金化しようとしたら・・・・・。こんな額の元本と利息を国家予算92兆円の政府が本当に払えると思いますか?


もし、国家がデフォルト(債務不履行)を起こしたら、株価は暴落し、市場は大混乱に陥ります。お金の価値が目減りし、ハイパーインフレが起きるのです。ハイパーインフレとは、物の値段が急激に上がることを意味します。スーパーに並んでいる肉や魚、トイレットペーパーなどの値段が一斉に上がったとしたらどうなるでしょうか。
主婦は少しでも安いスーパーめがけて殺到し、買いだめが始まります。スーパーの店先からは物がなくなり、お年寄りなどの弱者は食べ物も買うことができず、餓死する人が出てくかもしれません。そんな恐ろしいことは決してあってはなりませんよね。


今回はここまでとします。