拙著「この生あるは」をめぐる動き | 中島幼八のブログ

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拙著「この生あるは」が世に出て、ちょうど半年になりました。いま3刷り目を売りさばいているところです。そこで最近の動きを二つほど紹介させてください。

第一の話題

大分県は、47都道府県中で人口は110万人あまりで、小さい県と言えるではないでしょうか。しかし、拙著「この生あるは」は、ダントツに多く普及されています。別府市日中友好協会から、最近お手紙が寄せられて来ました。
 「<この生あるは>奇跡の運命に報われた中島幼八様のこの度の著書発行に深く感銘いたし、衷心よりお慶び申し上げます。貴方の著書は「敗戦70年の今こそ語りおくべき、貴重な証言と私は思います」そのためにも、一人でも多くの人に「中国を知り 知らせる」活動として取り組みたいのです。」と会長さんが書いてくださいました。そして、普及に使われた手製のチラシも同封にありました。
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そのほか、地元紙に紹介された記事がありました。見出しは、「中国残留孤児の半生知って」です。
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現在、90冊普及されたそうです。

もう一つは県内佐伯市に「駿河園」というお茶屋さんを開いておられるご婦人がこれまでこの本を80冊売ってくださいました。去る5月に藍染のことで一緒に韓国ツアーに行っただけなのに・・・それだけのおつきあいで恐縮に思います。その際に一緒に旅行したほかのみなさんも感動してくださって、いま一所懸命普及に励んでいただいています。


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第二の話題

日中友好新聞という団体の機関紙に次の書評が掲載されました。それを受けて、京都市から一人で三冊、小田原市から一人で四冊、そのほか1冊もかなり多く注文が来たそうです。有文堂書店のご主人はホクホク顔でした。
書評の文も僕は非常に気に入りましたので、ここに全文掲載いたします。
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書評
「この生あるは  ~中国残留孤児がつづる」  中島幼八著

2001年からの「中国残留日本人孤児訴訟」支援活動の始まりから関わってきた私は、中国残留孤児の体験を聞く機会がたくさんあった。しかし、2000人のなかでこれほど臨場感に溢れ、そして正確にその生き様を綴ったものは初めてだ。
当然ながら、孤児の大多数は日本語が話せず、しかも自費出版で出版するような経済的余裕のある人はいない。「この生あるは」の著者中島幼八さん(73歳)も例外ではなかった。しかし中島さんはこの二つの困難を乗り越えここに一つの本をまとめあげた。
中島さんは、忠臣蔵で有名な東京港区三田(旧高輪牛町)に生まれ、敗戦の3年前の1942年(昭和17年)1歳の時、父・母と姉の4人で開拓団として黒竜江省寧安県に入植。当時40歳以下の成人男子はすべてシベリアに送られたが幼八さんの父も応召された。
この本の第一の山場は「実母と養母の幼八さんの争奪」の場面。当時多くの日本人がその命を救うために「幼児を中国人に預けた」が、幼八さんもその一人であった。中国人の養母は栄養失調で瀕死の状態にあった幼八さんを自らご飯を噛み砕き口移しに食べさせ一命を救った。
1946年、日本への引き揚げが始まり実母が懇願して引き取りを頼んだが養母と争いになった。村の役人が間に入り、20メートルの距離を置いて4歳の幼八さんを真ん中において「どちらに行くか」決めさせた。幼いこどもがまっしぐらに養母の元へ走ったのであった。思えば、これが苦難の始まりであった。しかし幼八さんは中国の地でたくましく生き抜いた。
本書は420ページに及ぶ膨大なものだ。3人の養父との暮らし、溢れる養母の慈愛、幼少期の成長過程、中華人民共和国の誕生とその暮らし、そして1958年の帰国まで息つく暇もないほど、いくつもの「山場」のあるリアルな展開。一読をお薦めする。
定価1500円+税(送料別)。申し込み・問い合わせ=有文堂書店☎︎03(3701)0213  FAX03(3791)0295
(評者=大田宣也・日中友好協会副理事長)


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番外編

小生が所属する駒沢陶芸会の第18回作品展は、成功裏に終わりました。300人あまりを擁する会だけに、展示会場は壮観でした。実行委員長の大任を果たし、疲れが出て、ぎっくり腰になってしまいました。ホッとしたこともあって、数日のんびりしたら、すっかり回復しました。いつも面倒を見てくれている鍼灸師のお灸が効いたとも思いますので、感謝しなければなりません。
そして、いまは「帰ってきたおばあさん」の公演に取り組んでいます。中国残留婦人の話を一人芝居で演じるものです。微力ながら、大田区公演実行委員会のみなさんと楽しく券売りを進めています。当日、どうぞ観にきてください。
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11月7日(土)14:30開演
大田区民プラザ(東急多摩川線下丸子駅前)
入場券  2000円

当日、小生は会場に詰めていますが、有文堂書店のご主人に本を売っていただきます。