ゴールデンウイークとFOMC、そしてイースター前のポジション縮小の | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

-~ 岡安式相場の読み方 ~

欧州はギリシャの債務再編の思惑が浮上し、米国の格付け引き下げ、そして日本の原発などの今後の影響など各主要通貨に対する懸念がここにきて拡大してきました。

米国の財政赤字問題は先週13日にオバマ大統領が12年間で4兆ドルの削減策を出したばかりで、今回の格下げはその実効性に問題があるという事に対する警告とも受け止められます。
市場としてはある程度織り込み済みという事もありますが、少なくとも今後2年間の動きを見守る事になり反応は限定的でした。
ギリシャの債務再編問題もいきなり出てきたという問題ではなく、今回発表されたアイルランドの格付け引き下げやフィンランド議会選挙で反EUの愛国主義政党が躍進した事等から過剰に反応したものと考えられます。

これらは最終的にポジション調整の動きのなかで、その動きに対して拍車をかけただけとみます。

実際、米国の格下げが発表された時も一時的なドル高は見られましたが結局ドルは全般に上昇しており、結果的にクロス円の売りがドルを押し上げた格好になりました。
ユーロもこの6日間1.45ドル台で何度も上値を抑えられ、最後は時間切れ状態でロングを投げてきたといえそうです。

いずれも今週のイースターを控えてポジション縮小の動きとみてよさそうです。
また、来週はFOMC会合やその後のゴールデンウイークも控えていること等もポジション調整に影響を与えたのではないでしょうか。

それは、1年前の状況がちょうど今の状況と非常に似ているという事です。

昨年の今頃にギリシャの財政赤字問題からEUやIMFに支援要請を行い、大手格付け会社が相次ぎギリシャの格付け引き下げを行った事でユーロが急落しました。
また、これを受けゴールデンウイーク明けにはドル円の下落が始まりました。
米国も金融政策の見直しが年内に行われるとの期待が欧州危機の拡大により一気に遠のきました。
これらのイメージがどこか頭の片隅にあるため、警戒感を高めているのかもしれません。
従って、この時期にポジションを一方向に傾けにくく結局ポジション縮小の動きが活発になったという事ではないでしょうか。
逆にいえば、ここから円やユーロを積極的に売っていくというわけではないという事です。

今回の調整としての動きは昨日の下落からみて大分進んだとみてよいかもしれませ。
今日はその流れの勢いも残りドル円やユーロは上値の重い展開が継続されそうですが、ここから売り込み始めるのは危険かもしれません。

明日は日本の貿易収支の発表を控えており、予想以上に震災の影響が黒字幅を減少させているとなれば円売りの動きが強まる可能性が考えられます。
ただし、大きくポジションを傾けるにはFOMCをみてからという事になりそうです。