『Bouchon』 | ワイン買取専門店 フードマインドジャパンスタッフブログ

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お世話になっております。
FMJの亀井です。

先日興味深い記事を読みました。

ワインは、産地や品種、ヴィンテージ、熟成方法などの情報からなんとタイプを想像をすることができますが、
そのワインが自分のところにやってくるまで1本1本に様々なストーリーがあり、同銘柄同ヴィンテージでも必ずしも同じ味わいがするとは限りません。

それがワインの奥深いところで魅力のひとつだと思うのですが、どうしても根絶させることができず悩ましいのが”ブショネ”の問題です。

こればかりは、いくら慎重ににワインを輸送しても、最適な温度環境で保管しても、抜栓してみないとわかりません。

サランラップでブショネがなくなる?!という話もありますね。

以前会社の皆で実験をしましたが、なんとなく嫌な匂いが和らいだかなあといった程度の感想でした。


今回お話したいのは、そんな”ブショネ”についてです。


そもそもブショネとは?

まずその語源についてですが『Bouchon』=フランス語で『コルクなど瓶の口を塞ぐ栓』から来ていて、ブショネ=Bouchonneと書きます。

では、ブショネとは何なのかというと、コルク栓に含まれるある成分がボトルの中でTCAとよばれる物質に変化したときに、ワインに蒸れたようなカルキのような不快な香りを与える、というもの。

そのように理解されている人は多いと思います。


しかし、先日大阪大学大学院生命機能研究科と大和製罐株式会社総合研究所の記事を読み、初めてそうではないことを知りました。


記事によると、『TCAは嗅覚経路を遮断する』ことがわかったというのです。

つまり、ブショネによってワインに不快な匂いが加わったのではなく、TCAの作用で嗅覚が遮断されることによってワイン本来の風味を感じることができなくなり、風味が損なわれたように錯覚するということです。

まさかそんなに複雑なメカニズムだったとは知りませんでした。


そもそもTCAを根絶させることができればブショネはなくなる訳ですが、コルクを排除してもTCAを完全に根絶させることはできない為、そこには様々な要因が絡んでいるようです。

2~3%の確率とも言われるブショネ。消費者にとってはもちろんですが、ワインを扱う側にとってもとても大きな問題です。

TCAの作用が明らかになったことで今後風味を失くさないための対処がでてくると良いですね。



※因みにTCAはワインに限らず商品価値の下がったバナナ、カシューナッツ、鶏肉、ビール、日本酒、ミネラルウオーター、水道水、ウイスキー、林檎、栗、卵、小麦粉、玉ねぎ、レーズン、ウニ、エビなど様々な食品や、

商品パック用フィルムや紙袋などの梱包材にも含れているそうです。


http://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/ResearchRelease/2013/09/20130917_1