戦わずして負けた最後の夏・大友一幸さん(26期・昭和48年度)の野球人生 |  カベスタ 北の球児たち since2011

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FMアップル 「北海野球部百年物語」 月曜日20時~21時(札幌76.5MHz)

インターネット放送はこちらからお入りください。北の高校野球ファン必聴!FM アップル 「北海野球部百年物語」-百年物語(右本体、手前別冊)



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長壁明のブログ「北のスポーツ物語」



1966年(昭和41年)の選手権優勝など栄光の軟式野球部が全国大会を目指して初戦を迎えました。壮絶な打撃戦の末、延長10回10-7で北嶺高を破り、明日の札幌地区代表決定戦・北海道尚志学園戦に挑みます。

ここ数年はどうして勝てなかった20数年来のライバル対決、今年はどうなるでしょうか! 明日(7月13日)午前10時より代表決定戦です。麻生球場での熱戦にご声援を。


一昨日の放送前にリスナーからメッセージを頂きましたが、そこには北海の春季優勝の感激と夏の敗戦の寂しさを綴られていました。この方は南大会、そして甲子園と書籍「北海野球部百年物語」を読んで過ごすそうです。そうなんです!こんな夏こそ、ゆっくり「北海野球部百年物語」を読んで北海野球部の歴史、伝統を深めてみてはいかがでしょうか!

北の球児、闘いの記録~北海野球部百年物語/長壁 明


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北海野球部百年物語の冒頭130ページです。

電子図書(楡印刷様ご提供)表紙~第3章「北海野球部、いざ全国へ」昭和8年まで

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北海野球部の素晴らしきその伝統、その歴史を引き続き一人でも多くの方に伝えていき、共に新しい時代を見つめていけるよう、引き続きみなさん、よろしくお願いします。


都市対抗野球で見事、北海道代表となったJR北海道の美馬健太さん(58期・1月4日放送)から初めて経験する勝たなくてはならない独特の重圧がすごかった、とメールを頂きました。ルーキーながら奮闘する美馬さんには東京ドームの舞台が待っています。みなさんでも応援しましょう!


さて今週のゲストは以前から何度か紹介していた「悲劇の」昭和48年度、大友一幸さん(26期)です。

投手として活躍しながら同期のライバルとの競争、そして悲劇。その苦しい、と思われる野球人生を聞くと意外なほどの言葉が返って来ました。私にとっても新鮮だった放送、その一部を紹介します。


大友一幸さんプロフィール

1955年(昭和30年)4月夕張市生まれの55歳。北の高校野球ファン必聴!FM アップル 「北海野球部百年物語」

夕張千代田中では投手として活躍し全道大会出場を果たした。1971年(昭和46年)4月に北海高入学し、

その夏に甲子園出場を果たす強力チームの中で1年生夏から背番号を背負い、札幌地区予選で登板の記録も残っている。2年夏は南大会4強、秋も全道4強。3年(昭和48年)の春季全道では優勝を飾り、夏も優勝校筆頭ながら札幌地区代表決定戦を前に監督の暴行事件のため以降の試合を辞退する結果となった。

1974年(昭和49年)3月北海高を卒業後、丸井今井へ進み野球部で活躍。後に監督を務め軟式野球では道内屈指の実力チームを形成した。


「皮肉なもので、僕らが最後の夏、(暴行事件で)出られなくなって結局、甲子園へ行ったのが春決勝で勝った札幌商(現北海学園札幌)でしょ。準優勝が夕張南だったんです。夕張南は顔なじみも多いし、1年下の夕張清水沢中のバッテリーがそのまま進んで準優勝でしょ。複雑な思いでしたね」

大友さんは早速、こう切り出しました。

大友さんが中学時代から知られた存在だったのでしょう、地元への進学も考えたといいますが結局、中学3年の秋(昭和45年)に全道優勝を果たしセンバツ出場を確実にした北海への進学を決めます。夕張千代田中からは4人が進みました。


「結局『涙のUターン』でセンバツには出られませんでしたが、1年の時の3年生はとんでもなく強いチームでしたね。三和(清春)さんと森(一峰)さんのバッテリーを中心に本当にスキのない強いチームでした。その強さがあまりにも強烈で1年下、僕らの1年先輩がみんな辞めてしまって6人くらいしかいなかったのです。1年の時は130人くらいの入部で大変な世界でしたけれど、僕はブルペンで投げさせてもらったりしたので他のピッチャー希望の部員よりも走らなくて済んだのです」


1年生の練習は厳しいものですが、その厳しさの一つは圧倒的なランニングの量。そして厳しい上下関係と「練習できない」厳しさなのかもしれません。1学年先輩が少なかったというのはチャンスがめぐりやすい、ともいえたのでしょう、卒業後日本ハムからドラフト指名(5位)される竹口幸紀さんと大友さんは次世代の主力投手として早くから期待されていたのです。北の高校野球ファン必聴!FM アップル 「北海野球部百年物語」


「僕らは1年の秋から試合に出る機会も多かったと思いますけど、1年生は正直練習らしい練習もしていないから体力面でも不安があったはずです。勿論実力的にも。藤田監督が少し長い目で見て将来を見据えて起用していたのだと思います」


考えてみれば大友さんの2学年先輩(24期)は昭和45年の秋から翌春、夏と道内三冠を達成するほどの無敵のチーム。1学年下(25期)の方にとってはなかなか経験を重ねる機会はなかったのかもしれません。

「2年(昭和47年)の夏、南大会の準決勝で苫小牧工に負けるのですが、その苫小牧工の工藤(敏博)さんは本当に素晴らしいピッチャーでした。僕も先発しましたが、工藤さんの素晴らしい投球に引っ張られて中島球場に2万人の大観衆の中、いい投球ができました。工藤さんは確か全試合完封して甲子園も1回戦完封しているはずですよ」


1972年(昭和47年)はセンバツに苫小牧工が出場、春季全道は函館有斗の佐藤義則投手(日大から阪急)が活躍し、苫小牧工・工藤敏博(法大)さん、函館有斗・佐藤さんの投球が注目を集めました。準決勝で北海を破った苫小牧工は決勝でも函館有斗・佐藤さんとの投手戦を2-0と制して夏の甲子園出場を果たしました。甲子園でも工藤さんは初戦を完封し、室蘭地区からの無失点記録を60回まで伸ばします。苫小牧工は控えの大西豊勝投手(王子製紙苫小牧)も工藤投手と分け合うように好投し全8試合(甲子園1回戦を含む)を完封するのです。これは北北海道の代表校も含めて北海道勢では唯一の記録なのです。


大友さんが2年の秋になると経験を重ねた同級生たちとともに、高い実力が評価され始めます。

特に竹口さん、大友さんに加え190センチを超える1年生の堀田晴一さん(明大から拓銀)の三本柱は対戦校の脅威でした。完投能力のある3投手を抱えることは北海野球部の長い歴史の中でも珍しく、もちろん当時の絶対的エースが投げまくる高校野球では異質のものでした。北の高校野球ファン必聴!FM アップル 「北海野球部百年物語」

「2年の秋、旭川龍谷との準決勝で延長15回、0-1で負けるのですがその最後に投げたのが僕で、その後(藤田)監督から投手を辞めるように言われたんですよ(笑)」


確かに3年夏(昭和48年)、大友さんは背番号5でベンチ入りしていましたし、三塁手としての出場も記録されています。もちろん三本柱も健在。東海大から電電北海道で活躍する黒井俊彦さんを主将に、王子製紙苫小牧で活躍する田中茂樹さんを捕手に、攻守に死角のないチームができていました。


昭和48年、北海道ではセンバツで函館有斗が初戦を突破しました。黒田勇投手の活躍によるものですが、甲子園は怪物・江川卓さん(法大、巨人)の活躍一色でした。横浜の永川投手、広島商の佃投手の活躍も話題となりましたが「江川の球は打てるのか」という話題でもちきりです。

北海道でも函館有斗の黒田さん、札幌商にはロッテにドラフト1位指名される佐藤博正投手がいました。

それでも北海の三本柱を中心として総合力は抜きん出ています。


「春季全道も決勝で札幌商の佐藤を破って優勝できましたから、夏もこのまま(甲子園へ)行ける、と信じていました」
北の高校野球ファン必聴!FM アップル 「北海野球部百年物語」

これは大友さんだけではなく、部員、そして監督、関係者、ファン、共通の思いだったかもしれません。


一昨日、FMアップルに26期生の方からメッセージが入りました。メッセージというよりは私のこのブログへのご指摘だったのですが(※ありがとうございました)、そこにはこう記されています。

「強いチームだったと思います。大友、竹口は1年の夏から背番号を貰い、ほとんどが1年の秋からのレギュラーでした。ですから3年の夏に出場できなくて残念だったと思います」

さて、今日はここまでにしましょう。

明日は、大友さんら26期生の最後の夏を紹介しますが、放送時に初めて知ったこと、そして北海野球部の男気を感じるエピソードも聞きました。是非紹介したいと思っています。



7月12日 大友一幸さんのリクエスト

1.夢をあきらめないで(岡村孝子/選挙で当選した石井浩朗さんが入院中に励まされた曲ということで)

2.ごめんね(高橋真梨子/社会人になってからカラオケなどで聞き、改めていい曲だなぁ、と)

3.負けないで(ZARD/現役高校生、最後の夏を終えた3年生へエールを込めて)



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来週 7月19日のゲストは 明日(14日)正式発表予定です。

南大会開幕日。噂で飛島大輔さん(51期・2月8日出演)が始球式を行なう、とか・・・

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