Jリーグ2ステージ制について考える(長文注意) | Der Traum endet nicht ~留学王におれはなる!!~

Jリーグ2ステージ制について考える(長文注意)

さて、本日からCLが開幕。
ドイツも自分もいろんな意味で寒いけど、欧州シーズンは熱い時期になりました。
とその傍であまりにひどい決定が日本でなされました。

TwitterやFacebook等でちょこちょこ意見して来ましたが、長くなるので久しぶりにブログで。かなりの長文ですが、お付き合いいただければと思います。

決定というのは、2015シーズンよりJリーグが2ステージ制となり、ファースト、セカンドによる1、2位とのスーパーステージの勝者が年間勝ち点1位とのチャンピオンシップを行い真の王者を決定すると言う何ともわかりにくいもの。

この決定に選手はもちろん、各チームサポーター、監督でさえ異論を唱えたわけですが、その声を無視しJリーグ首脳とクラブ首脳のみで強行採決。

実際決定の場にいたわけではないので、本当に強行だったかはわかりません。ですので、1サポーターとして意見を述べたいと思います。

まず、はたから見れば先に述べたように、実際の現場(選手、サポーター、監督)の意見を無視した強行的な決定にしか見えません。

そして、2ステージ移行のJリーグ側の理由はスポンサー、放映件、ファン層の拡大というもの。確かに近年、一部のクラブを除き資金面での確保に苦労しているクラブは目立ちます。ですので、資金確保のために何か大きな変化を起こすということは正しいと思いますし、賛成ではあります。



しかし、Jリーグは何のために創設されたのか?




日本代表強化
日本がW杯で優勝するため
地域にサッカー文化を根付かせるため






だったではないでしょうか?
その一番の理念を無視し



ただの金儲けのため




だけの改革としか思えないのです。
今後、説明、話し合いが必要と言っていますが、決定前に説明もなく、決定後に説明というのは、覆るわけでもないでしょうし無駄なことです。


健全な経営ってそういうものじゃ無いでしょう?


企業で言えば、社員、顧客の意見を無視し、幹部のみの経営。
そんなブラック企業の末路は知れています。

ただし、単に感情から批判するだけでは説得力もないでしょうから、ここからは個人的にスポーツ経営を学ぶものとして見解を述べたいと思います。
あらかじめ言っておきますが、スポーツ経営といってもまだ基礎しか学んでいませんので批判、反対意見は受け入れます。

スポーツ経営をするにあたって基本的な大きな流れは「分析→戦略→実行→結果分析」となります。分析の中にも、「利点、弱点、リスク、チャンス」と4つの項目があります。

今回の問題点は、経営資金の不足、新規ファンの減少。それを解決するために、スポンサーの拡大、目玉となる改革で話題を得るというのはいいと思います。
ただし、短期的なものなのか、中期、長期的なものなのかの展望がありませんし、分かりません。ここでは長期的なものとして考えてみます。

上記の分析は確かに正しいとは思いますが、普通の経営と違ってスポーツ経営です。メディア、スポンサー、チームの三角形が揃ってスポーツの経営は成り立ちます。2ステージに関しては肝心のチームという部分が抜け落ちているのです。そして、短期的には話題性もあり1、2年は潤うでしょう。

でも、長期的にはどうか?

2ステージにしたことで欧州とは異なった戦い方を強いられます。監督、選手にとっては、海外で仕事をしにくくなるし、逆に欧州の監督は日本に来にくくなります。選手もしかり。ただでさえ、極東の弱小リーグに移籍するのにレギュレーションの違うリーグなんてもってのほか。
そうなれば、スター選手、スター監督は日本に来なくなるでしょう。よほどの大金を積まない限り。

そして国内選手。近年ヨーロッパで活躍する選手も増え、多くの選手がヨーロッパでの活躍を夢見ています。でもJリーグでプレーする限り、移籍できる可能性は限りなく減るでしょう。戦い方も違いますから。

結果、高校またはユースでの若い逸材がJリーグには行かず、そのまま海外挑戦し、ダメなら国内というケースが増えるでしょう。

そして、日本代表ですが、海外挑戦が増えれば自ずと海外で活躍する選手も増えます。欧州、南米などの強豪と渡り合うには同じ土俵で戦っている選手を招集したくなるというもの。結果国内組がさらに減り、日本代表=海外組となると予想されます。
欧州でプレーすることを夢見るだけでなく、日本代表に入りたい、W杯に出たいという若者はさらに海外志向が強くなる悪循環です。

すべての結果、Jリーグはとうにピークのすぎた選手、国内を抜け出せない選手のリーグとなりクオリティは落ちます

クオリティが落ちれば、見る方も面白くないのでファンも減ります。
ファンが減れば、スポンサーも撤退します。

結局、長期的に見れば、失敗に終わる要素の方が多いのです。
現在も日本代表人気はあるのに、Jリーグは人気が衰えています。
それを加速させるだけなのです。偉い人にはそれがわからんのです。

新規のファン層に関しても、優勝決定の方法が分かりにくく、入りづらさもありリピーターは爆発的には増えないと思います。

素人の分析の段階でこれだけのリスク、弱点が出てくるのだから相当分析が甘いのでしょう。本当に安易に金儲けとしか考えられません。

決定後に改善するといっても2ステージによる利点が少なすぎます。
唯一の利点は短期決戦による、消化試合の減少。常に緊迫した試合にはなるでしょうけどそれもクオリティの高い選手のいる初期だけです。

Jリーグ存続のために20年間貢献してきた、選手、監督、サポーターの意見を無視し、一過性の保身のための改革に日本サッカーの未来はないと思います。
20年東京オリンピックで代表に東京または日本在住者がいないなんてことも起こりかねないです。


「おもてなし」をするはずの国の人間が一人もいない。
そんなオリンピックでいいのでしょうか?



では、どうすれば良いのかなど、書きたいことはありますがこの辺にしておきます。
最後まで読んでくださった方は本当にありがとうございます。

願わくばこの意見が関係者の耳に届き、撤回の足がかりになってくれることを望みます。
15年まであと2年。まだ間に合います。