真央ちゃんスマイルの力
ドオーという歓声が上がりました。
真央ちゃんが2年間封印していたトリプルアクセルを決めた瞬間です。
空中をコマのように3回転半回りきった後、スケートシューズの歯が氷をしっかりと噛み、ザッと白い霙が舞い上がるのを確認すると観客の重心が一斉に上がりました。
まるでスケートリンク全体が空中に浮かぶかのような光景です。
それからは、歓喜の手拍子のリズムに乗って、白銀の中で妖精が光の糸を引きながら優雅に舞い続けます。
四大陸選手権のショートは、真央ちゃん完全復活を証明してみせました。
「演技をパーフェクトに滑ることとは比較にならないくらいトリプルアクセルの成功は嬉しいです」
限界説がささやかれるほど調子の悪い時期がありましたが、体型の変化を克服しての見事な復活です。
女子選手として一番難しい時期を乗り越えたので、これからはますます活躍してくれるでしょう。
真央ちゃんスマイルには、観客を引きつけて心を一つにする何か特別な力がある気がします。
女性のフルーティストの方と話をすると、みんなフィギュアスケートと真央ちゃんが好きなようです。
フルートのイメージとフィギュアの優雅なイメージが重なることに加え、よくフルートで演奏される曲が使用されているからでしょうか。
音楽の世界では特別有名というわけでもないピアソラがよく使用されるのは、独特の伴奏のリズムがフィギュアのステップにぴったりマッチするからではないかと思います。
今日は、ピアソラのリベルタンゴを吹いてみました。