それは、とてもあたたかくて
そして、茨のように私を締め付ける記憶
『だって、わたしたちともだちでしょ?』
『こまったときはおたがいさまだよ!だからそんなにあやまらないで』
『たすけがほしかったらいつでもよんで!いつでもすぐにとんでいくよ!』
『やくそく だよ』
記憶の中の少女は笑っていた。
それを見ている私も笑っていた。
あの頃が唯一、私が引きつらない笑顔を見せることのできた時期だった。
…今。
私の周りには誰かいるようで、誰もいない。
いつも引きつった笑顔を見せていないと、すぐに誰もいなくなってしまう現実。
心の底を打ち明けられる人物は、1人もいなくなってしまった。
それでいて、闇の深さは全く浅くなってくれなかった。
孤独が数多の触手となって、私を蝕んでいく感覚。
…そんな中、あの笑顔がちらついた。
今は近いようで遠くに行ってしまった、
…頼もしくて、とても憎たらしい、人。
奴が裏側で何をしていたのか、
今は知るよしもない。
知ったところでどうしようもない。
けれど、これだけは確かだった。
私には、綺麗な面しか見せてなかった。
汚い面は、私が感じていた光にかき消されていたのだ、と。
…嘘つき―――!!!
表面だけ綺麗なものを貼り付けられるくらいなら、
いっそのこと最初から汚い部分だけ話してほしかった…!
流す涙は、泣く前に枯れ果てていた。
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