8年前の秋
ブログネタ:住んでみて「しまった!」と思ったことある?
参加中
ある中国人女性と知り合った。
19歳。地元の大学を中退して日本に来たらしい。
日本で経済を学びたいという彼女。
でも、もうそのころ日本の経済は停滞してて、中国がどんどん伸びている時だった。
「中国のほうがいいんじゃないの?」
学校で若干日本語を習ってた彼女は、ただ笑ってた。
向こうの大学は相当のエリートでないと入れない。彼女は1日15時間勉強し続ける人生を送ってた。
今までバイトしたことなんて無い。
それでも彼女はがんばった。
親戚が日本にいて、なんだかんだ世話にはなっていたが、基本的な生活費は自分で稼がなければいけなかった。
まずは日本の大学に入れる資格を取って、それから日本の大学の入試を受けないといけない。
2年半たって、彼女は日本の大学に入った。
学費も自分で払ってた彼女は、より給料の高い夜の仕事を選び、私の前から姿を消した。
それから3年後、再び彼女に出合う機会があった。
「>>1さん、助けて。仕事が全然無い。」
良かった。ちゃんと学校には行ってたようだ。
25歳になった彼女は、以前とあまり変わらなかった。手首のタトゥーを除いては。
俺もいろいろ中国人が出来る仕事を探した。まずビザを取らなければいけないので、正社員が必須だった。
当時勤めていた会社にも相談したが、色よい返事を受けられなかった。
「ルックス良いんだから、面接まで行けばどうにかなると思うんだけどなあ。」
彼女はただ笑ってた。
彼女の親は中国に帰ってきて欲しかった様だが、彼女は頑としてそれを拒み続けた。
都市部ではない彼女の実家は、彼女にとっては退屈そのものらしい。
いつまでたっても仕事が見つからない。あせる彼女。
一瞬「俺が籍を貸せば、とりあえずビザは取れるなあ」とも思った。今のところ結婚する予定も無いし。
でも、そんな心配は無用だった。水商売のお客さんと付き合ってて、仕事を紹介してもらうことになったようだ。
そして就職。「仕事はどう?」とメール。
「面白くない。辞めたい。」との返事。まあ、彼氏の手前辞められないだろうなあ。
それからもチョコチョコ求人を見つけたらメールしてたが、会うことは無くなった。
今、どうしてるんだろうか。彼とはうまく行ってるんだろうか。仕事は続いてるんだろうか。
もう彼女も27歳。結婚しただろうか。
彼女にとって日本とは結局なんだったんだろう。単なる日銭を稼ぐ街でしかないのか。
彼女の父親は中国でセミ・リタイヤして株で食ってるらしい。比較的裕福な家庭に育った彼女。中国に帰ったほうがいいんじゃないだろうか。
彼女にとって日本での、そして東京での8年間はなんだったんだろうか。
最近、彼女にメールした。
「今、中国の人がいっぱい日本に来てるから、通訳の仕事とかあるんじゃないかな。」
「何、紹介してくれるのか?」
「いや・・・例えばの話。」
「なんだよ紹介してくれるんじゃないのか。」
・・・えー、多分その日本語ではだめです・・・
ふろーすれ1