岩隈久志、川﨑宗則、シアトル・マリナーズと契約合意。 | Mr.ROYALの徒然日記 PartⅡ

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 まず最初に。前回ブログで取り上げた中島裕之遊撃手のポスティングが破談となり、埼玉西武ライオンズへの残留が決定しました。まあ、ニューヨーク・ヤンキースと言うチームの内野手事情を考えれば現段階では当然と言えば当然かもしれません。来シーズン中に海外FAとなることですし、もしメジャーでのプレーを希望するのであれば、来年の今頃にグッドニュースが聞けることを楽しみにしております。



 シアトル・マリナーズは本日、メジャーでのプレーを希望していた岩隈久志投手と川﨑宗則遊撃手の2人と契約合意に達したと発表しました。岩隈が1年150万ドル+出来高340万ドル、川﨑はマリナーズキャンプに招待選手として参加する、と言うことですので、おそらくはマイナー契約となりますが、いずれにせよ、来シーズンのマリナーズはイチローを含めて3人の日本人選手が在籍することとなりました。



 さて、ここからが本題。岩隈と川﨑と契約合意、と言うニュースを聞いた瞬間、マリナーズファンはおそらく、ちょっとでもMLBに詳しい方なら必ずこう言うと思います。



「ズレンシックはアホか?」



 ここで言うズレンシック、と言うのはマリナーズのGMであるジャック・ズレンシックのこと。前任のGMであるビル・パぺジがあまりにもアホであり、ガタガタにされてしまったマリナーズと言うチームを立て直すべく乗り込んできたGMであります。パぺジがアホすぎたがゆえに相対的にズレンシックにかかる期待が大きくなってくるのですが、昨シーズンは守備力を重視しすぎて攻撃力がリーグ最低クラスのチームを作ってしまうなどその能力に疑問を持たれ始めたところに、今回の岩隈と川﨑の獲得。攻撃力不足に悩んでいるマリナーズに不可欠な大砲補強を後回しにした上に、チームに必ずしも必要でない選手を獲得する。マリナーズの迷走がまだまだ続きそうな予感はしますが、今回はこの2人が加入することでチームがどうなるのか、簡単にコメントしていきたいと思います。



 まずは先発投手である岩隈については、フェリックス・ヘルナンデス、マイケル・ピネイダ、ジェイソン・バルガスの3人のみが決まっている先発ローテーションの一角としての期待がかかっていますから、まだ理解はできるかもしれません。190㎝を超える長身ながらコントロールが良く、低めにボールを集めて内野ゴロを打たせる技術は日本屈指。余計な四死球から崩れることはありませんから普通に投げればマリナーズのローテーションを守るだけの力は持っていますし、2ケタ勝利も十分期待はできます。しかし、岩隈について一番問題視されているのが、



「故障の多さと中4日のローテーションを守り切れるかどうか。」



近鉄バッファローズのエースとして君臨していたころは「イニングイーター」だった岩隈ですが、右肩、右肘に故障を抱えるようになってからは頻繁に戦線離脱するようになってきております。去年のシーズンも中6日のローテーションを組まれながら2度ほど戦線離脱しており、メジャーの中4日のローテーションで1年間活躍できるかどうかについては疑問符を持たれております。そのため、マリナーズ以外にも数球団が獲得の意思を示したものの、去年ポスティングで岩隈を落札したオークランド・アスレチックスが提示した4年総額1525万ドルを大幅に下回るものとなったのも当然のことでしょう。2ケタ勝利は期待できても1年に2度は確実にDL入りしそうな先発投手に対してここまで期待していいものか。その不安があったからこそ1年契約+オプションにウェイトを置いた契約条件とし、球団負担を軽くしたあたりはズレンシックの抜け目のなさを見せたものと思うのですが、岩隈離脱を念頭に置いているのであれば、岩隈と先発ローテーションを争うのがブレイク・ベバン、チャーリー・ファーブッシュとやや実績に乏しい投手ばかりだけに、あと1人ぐらい実績のあるベテランがほしいところでしょう。



 一方の川﨑についてははっきり言ってしまえば、



「マリナーズにはいらない。」選手であります。



 と言うのも、本職のショートには打撃は非力でも守備はメジャー屈指のブレンダン・ライアンがいますし、セカンドにコンバートしようにもこちらには2009年のドラフト1位(全米2位)であり、今や3番を打ってチームの中心選手でもあるダスティン・アクリーがいます。じゃあ、サードは、と言うとこれまた若手の有望株であるカイル・シーガーアレックス・リディが控えており、4年総額3600万ドルでマリナーズに入団しながらも、一昨年、去年と極度の不振に陥ったためにレギュラーを剥奪されてしまったショーン・フィギンズはもともとアナハイム・エンゼルス(現ロサンゼルス・エンゼルス)時代には1シーズンで投手、捕手、一塁以外の6つのポジションでの出場経験のあるユーティリティ・プレイヤーであります。つまり、川﨑が守れる可能性のあるポジションは現時点ではすべて埋まっており、誰かが故障やトレード等で戦線離脱しない限り、川﨑には出番がないことを意味しております。



 さらに重要なのが現在のマリナーズは大砲不在の、超のつく極貧打線だということ。本来真っ先に補強しなくてはいけなかったのは長打力のある、かつ打線の中軸を担う選手だったはず。一説には今シーズンのFAの目玉の1人であるプリンス・フィルダーの獲得に乗り出したとも伝えられましたが、フィルダー1人が加入したところでどうにもなるレベルではありません。それこそアクリー、シーガーやマイク・カープ、ジャスティン・スモークらの若手の成長が不可欠な状態。極貧打線であるマリナーズに1、2番タイプである川﨑はフィットするのかもしれませんが、打線強化を図る上で絶対に必要な選手かどうか、と言うとこちらも疑問。



 ショートと言うポジションを考えればライアンとのレギュラー争いになるでしょうが、人工芝の福岡ヤフードームでの守備に慣れ親しんでいる川﨑に、日本人内野手が軒並み苦戦している天然芝の守備に適応できるかどうか、と言う部分については昨日中島について書いたブログに書いたとおりですし、ショートの守備は先ほども触れた通り、メジャー屈指のライアンにとても勝てるレベルではありません。ただ救いなのは川﨑がキャンプ招待選手であり、マイナーで徹底的に守備を鍛えられる可能性があることですが、年齢的に決して若手ではない川﨑にそこまでマイナーのコーチが付き合ってくれるとは思えませんし、「イチローとプレーしたい」一心でアメリカに渡ったはいいけれど、肝心のイチローの5年総額9000万ドルの契約が今年いっぱいで切れることから、ヘタすればシーズン中にイチローの放出、と言う事態もあり得ます。そうなったときに川﨑のアメリカでプレーする、と言うモチベーションが保てるでしょうか?



 川﨑については以前にも



「メジャー挑戦するには、根本的に考え方がおかしい。」



とブログで書きましたが、FAになっていながら「マリナーズ以外には入団しない。」と言った時点で買い叩かれることはわかりきったこと。それでもアメリカでプレーしたい、と言うのであればマイナーでの厳しい生存競争を勝ち残る以外にありませんが、キャンプ招待選手、と言うことは川﨑はおそらくスプリット契約でかつメジャー40人枠には入っていない状態でしょう。ここから40人枠に入り、25人のロースターに入ることは至難の業。その事実を川﨑がどのぐらい理解しているのか?一連の発言から考えると、ほとんどこの事実を理解していないことがはっきりしているだけに、1年たたないうちに日本に逃げ帰るような気がしてなりません。



 年が明けてスプリングキャンプまであと1か月、と言う時期になって、少しずつ今シーズンの所属チームが決まり始めている日本人選手たち。黒田博樹、福留孝介、松井秀喜などまだまだ今年の所属先が決まっていない大物選手もいますが、キャンプインまでにすべての選手の進路が決まり、シーズンに突入してから大活躍してくれることを心から願います。