ルイスビルスラッガー カタリストの謎 | FIVE HUNDRED FEET

ルイスビルスラッガー カタリストの謎

2005年にソフトボール用、2006年に軟式用が登場して以降十年以上その圧倒的な性能をもって支持を集め続けるカタリスト。

 

最高飛距離こそビヨンドら複合バットに劣るものの、非複合最強の座はカタリスト一択と言って差し支えないでしょう。

 

このカタリスト、要はカーボンバットなわけですが、やれチタンベルトだのなんだのと色々種類が出ましたのでここいらで一度整理しようと思います。

 

基本軟式用をベースに話を進めます。

 

まず今日まで流通したカタリストを構造で分けると、次の4パターンになるかと。

 

①完全カタリスト設計

ようはギミックのない初期型のカタリストです。2015年のソフトボール用や、廃盤となった軟式用のジャイアントバレルもこちらに含まれますね。

 

 

②カタリストTIおよびST

 

2010年から登場したモデル。カタリストⅡからは基本的にトップバランス、ミドルバランス共にTIのようです。

基本設計は完全カタリストのネック(グリップと打球部の中間地点の)部分にチタン(TI)ないしスチール(ST)を巻いて補強したもの。

ルイスビルの特徴であるしなりを抑えたより硬いバットに仕上がります。

2012年にTIからSTに進化したかと思えばまたTIに戻ったようで、ここは正直なところ違いが分かりません。

 

 

 

 

 

 

 

③カタリストBT

軟式用は2016年モデルを最後に姿を消した仕様。

ネック部分にカーボンを巻いて補強してしなりを無くし、硬くしたというもの。

TIとの性能の違いは正直わかりません。

 

ここからは私の予想ですが、TIとBTの決定的な違いは構造的なバランスでしかないのではないかと考えます。

TIはトップバランス、BTはミドルバランスでしか見た記憶がありません。

(無論見落としがあるやもしれませんが…。)

そしてBTの原型はUSAルイスビルのTRITON(トリトン)なるバット。

ハンドル(グリップ)、ネック、バレル(打球部)を別々に通リ、最後に接合して1本の管(ワンピース構造)にしたもの。

ネック部分はBubble Transition Zoneと呼ばれ、グリップはグリップで最適な作りに、打球部は打球部で最適な作りにして、最後にこのBTゾーンがそれらを最適に機能させるというもの。

カタリストBTのBTはこれが由来でしょう。

理にはかなってそうで、打球部は反発力重視、グリップは硬さ重視で作り、それらを完全に接合してワンピース構造にしてしまえば、通常のカタリストより硬くて高反発…と言うのがルイスビルの主張。

そしてこの構造上、ミドルバランスになってしまうそうです。実際、野球用のトリトンはボールの硬軟問わず全部ミドルバランスです。

ソフトボール用はトップバランスもあるのですが…なんででしょう?

 

 

④カタリストプロ

最後にカタリストプロ、通称ブラックモンスター。

C271をベースにした極細ヘッドと極細グリップの上級者モデル。

ベースマンさんのブログによると、もうノックバットとほぼ同じ細さ。

かなり人気のようで、このブログのコメントでも評価はかなり高いです。

けどこいつ、構造的には一番チープなんですよ。

チタンもスチールも巻いてないただの1ピース構造で、ヘッドキャップすらない。

ヘッドキャップのないタイプのバットは、ZETTのブラックキャノンなら安価モデルとしてリリースされているんですがね…。

なのに1番人気。

 

 

 

 

 

…構造的にはBTが1番飛びそうなんですが、そんな話は聞いたためしがなく、アメリカでも不人気。

構造的に一番チープなカタリストプロが1番人気。

ほんと謎ですわ。

やっぱ形状とバランスが正義なんですかね?

 

 

ちなみにソフトボール用でルイスビル最強のバットはこちらのハイパーZ。

 

 

 

 

日本で言うtwoX構造と、完全カタリスト設計のパターンです。

BTでもTIでもないのか…。

 

ソフトボールなら完全カタリストよりTIの方がいいと言うレビューも最近見たんですが、最強モデルは完全カタリスト…。

 

 

 

これもうわかんねぇな。