散歩してたら、バレリーナに出会ったよ。
すごくきれいなピンクのドレスだったから、
「素敵だね」って言ったら、
「今日はもうおしまい。だって、疲れちゃったもの」
そうなんだ。見たかったな~って、私が言うと
明日も踊るよ、たぶんね。
たぶんなの?
だって、私は私の好きな時に、ひらひら踊るの。それだけよ。
今日はおしまい。
だからドレスをたたんでる。
見に来たかったら、勝手に来れば?
私は、踊っているかもしれないし、休んでいるかもしれない。
…見てもらえないと寂しくないの?
寂しい?
どうして?
私が楽しいから、踊るのよ。
今日は疲れたから、休むのよ。
もしかして…あなたは寂しいの?
なんか、そんなのもったいない!
ってバレリーナに言われて、私はドキッとしちゃったよ。
じゃ、今度見に来るねって私が言うと、
お好きにどうぞと言ってから、
バレリーナは、「おやすみなさい」と眠ったよ。
見てもらいたいんじゃないかって、勝手に決めつけて、ごめんね。
そう。バレリーナの言う通り。
心に思い当たる節がある。
ゆっくり寝てね。
どうぞ、あなたもよい夢を。