正しいアポストロフィの使い方 | グラフィックデザイナーのための英語講座

グラフィックデザイナーのための英語講座

デザインの現場で使われる英語を
『グラフィックデザイン用語英和辞典』の編纂者が紹介します。

「いまさら」と思われた方、すみません。

いまだに残念なアポストロフィをよく目にするので、今一度おさらいしておきたいと思います。

 

 


A: directional apostrophe/smart apostrophe(U+2019)
B: typewriter apostrophe/dumb apostrophe(U+0027)

Aが正しいアポストロフィ。
左向きのシングルの引用符(single quotation mark)と同じ記号です。
フォントによってデザインは異なりますが、右上から左下へ流れるような形をしています。

Bは、正式な組版では、「不体裁」あるいは「誤り」です。

単語の前半を省略する「’80s」、「get ’em」のような場合にも、左向きのものを使います。
InDesignを使って引用符が自動的に正しく向き合うように設定した場合でも、このようなケースでは逆向きになってしまうので、注意が必要です。

Bを使うのは、タイプライターで打つ場合、Eメールのような簡易的な文書の場合、文字コードの違いによる文字化けを避けたい場合などです。

 

また、ハワイに関連した文書などでは、「Hawai‘i」「O‘ahu」のような、“逆向きのアポストロフィ”を見かけることがあるかもしれません。
じつはこれらは誤りではなく、ハワイ語のオキナ(‘okina/U+02BB)という記号です。
ただ、オキナが文字セットに含まれていないフォントも少なくないため、しばしば右向き(開始)のsingle quatation mark(U+2018)で代用します。


※上記の「Hawai‘i」「O‘ahu」「‘okina」も「U+2018」で代用しています。