大学時代、どこに行くにも車が足だった。

今の子たちは車を運転しない。

酒もあまり飲まない。

個別に異性と深い付き合いをしないらしい。

40年前と今は違って当たり前だ。

今の子たちは情報の中に沈んでしまっているように見える。

片手にスマホを持ち、何でも好きな情報を入手することが出来る。

翻って、私の大学時代はどんな世の中だったのだろうかと思い出すと、今の子たちから見ると非常に不便な世の中だったかもしれない。

例えば、交際相手を見つけるのに、文通相手を見つけて交際にまで持っていくビジネスが沢山あった。

日本交際サービス協会という団体があり、若い子が自分の住所、氏名、趣味、希望のタイプ等をハガキに書いて会員となるという仕組みだ。

今の婚活のビジネスモデルの原型と言っても良い。

個人情報保護の今のルールでは考えられないようなのどかな世界であり、時間がゆっくりと流れていた。

見知らぬ異性から手紙が届くのを、今か今かと郵便ポストを何度も見に行ったのである。

そして地方に彼女が出来ると、中古の車をバイトで働いて買って会いに行く奴がいた。

車にはもちろん彼女を喜ばすためのカーコンポが取り付けられていた。

お気に入りの曲を自分なりに組み合わせて、「スペシャルカセット」を作って彼女に会いに行くのである。

高速道路を最大ボリュームにして音楽を聴きながら西へと愛車をぶっ飛ばす。

彼の頭の中には妄想が限りなく広がり、いつの間にかこれから会う子は「松坂慶子」になっている。

手紙に松坂慶子に似ていると書いてあったから。

そして、真っ赤な色のブルーバード・ターボで向かった静岡駅前にいた彼女は果たしてどんな子だったのか。

駅前の待ち合わせ場所に車を止めて待つが、松坂慶子らしき子は一向に彼の前に現れない。

時間が過ぎていく。スペシャルカセットはもう5回目のリピートになっている。

その時、駅の向こうから歩いて来るシルエットに見覚えがある。

「市村だ！」(汗)

その彼は今、丸紅で部長をしている。(笑)

いっちゃんのビタミン剤なう

ファーストヴィレッジ主催イベント
　《興味のあるセミナーをクリック!!》

いっちゃんの注目経営者

市村の書籍「１億稼ぐ営業の強化書」全国の書店にて絶賛発売中！！
４刷の重版が決まり、お陰様で
日経新聞の経済・ビジネス書ランキング5位になりました！
http://youtu.be/F96v8a-3Ea8

文通交際の罠