今日はシリーズの15回目です。
過去の14の記事がまだの方は、こちらからどうぞ。
また、このルネッサンスシリーズを書くきっかけになった私が読んだ本を引用しながら
説明していきたいと思います。
~引用はじめ~
フィレンツェ人達に衝撃を与えたプレトンの講義から、真プラトン主義の思想運動が始まった、と考えなければならない。ヨーロッパ史の諸本では、それよりも20年後の1459年に、老コジモが資金を出してアッカデミア・プラトニカを作った事になっている。どこにどんな学校(講義堂)が作られたのか今もわからない。本当はメディチ家のあちこちの邸宅やヴィラ(別荘)で次々と開かれた講義(と、討論会)だったのだ。ここに何百人もの知識人が州稀有して熱狂的に新しい思想を語り合ったのだ。
老コジモたちは、本物のプラトン哲学に触れて、どんどん考えが変わった。ローマ教会を徹底的に疑い始めた。ローマ教会の束縛から自分たち自身を解放しようとした。そのよりどころがネオプラトニズムだ。この新プラトン学派は最初から一貫して、ローマ教会との大激突だ。これらを一生懸命、メディチ家の首領が聴いていて、周りの子ども、(偉大なロレンツォ)達も一生懸命聞いていた。ここにヨーロッパ最大の秘密があったのだ。私はこのように確信する。
この秘密はそれから500年後の今も、まだ秘密になったままだ。そしてヨーロッパ人の全てを、
深い迷妄の中に置いたままにしている。こう考えないと、つじつまがあわない。
ヨーロッパというのは、地球上の他の地域よりも早く近代(モダン)を達成した優れた先進地域だ。近代学問(サイエンス)も自由思想も人権思想もどんどん生まれた、とされる。しかし、本当か?この後の17世紀18世紀、19世紀のヨーロッパ思想家たちも、多くは沈黙を強いられ、つぶされていったのではないか。
* * * * * * * *
ヨーロッパには今もローマ・カトリック教会が押しつける恐ろしい人間抑圧の思想がこびりついている。ローマ・カトリック教会という名前の、キリスト本人の本当の主張への大きな変質、変造が起きて、今もヨーロッパを支配し続けている。キリスト教会による支配の事を徹底的に疑い、はっと気づき、闘った知識人たちがヨーロッパ各国にいる。
メディチ家は当時のヨーロッパ一の大財閥で銀行家であり、軍需産業から麻薬まで、武器弾薬から鉱物資源(鉛や明礬 *補足 みょうばんと読みます)まで全部扱っていた一大商業一族だ。彼らがやっていたことは一筋縄ではいかない。
だからこそ「何かがおかしいぞ」と気づいた人文主義者たちを金銭財政面から支援したフィレンツェで真実を暴き立てる学問。思想運動が沸き興ったのだ。お金(資金)がなければ多くの人を動かすことが出来ないし、何も出来ない。
~引用終わり~
これを読んでいると、やっぱり歴史は繰り返す、または、
螺旋のように少しづつ方向性をかえながらも、似たような歴史をたどっている、という気がします。
現代でもやはり、この世の真の権力者はバチカンの中にいるといいます。
一般的にはロスチャイルド家やロックフェラーなどが世界を牛耳っていると思われがちですが、
本当のボスはやっぱりバチカンにいる、という事に行き着くというのです。
そして、実際にその存在に気づいている人たちも沢山いるのです。
ネットなどを通して、今まで秘密だった事が暴露され、多くに人の目に留まるようになり、
私のような普通の人間でも、知るようになったわけです。
私にはどうしても、今現在の状況と、500年前のルネッサンスの時代の思想運動が
重なって見えて仕方がありません。リンクしてる、というのでしょうか?
Perugino, consegna delle chiavi ペルジーノ作 (日本語訳)鍵の受け渡し システィーナ礼拝堂
イメージは上の文章とは関係ないのですが、こちらもルネッサンスの芸術家ペルジーノの作品です。
この絵の中にも表向きとは違う色々隠された意味が沢山ありそうだなって思いました。
鍵をキリストから渡されたピエトロ(カトリックではキリストの代理人となり法王の地位に初めてついた使徒のピエトロのこと、つまりバチカンの存在そのものを示唆していると思われる)
ですが、キリストは鍵についた紐を離していませんよね。
周りの人間の表情も不思議ですし・・・。
システィーナ礼拝堂といえば、ミケランジェロですが、彼の描いた絵も、
ピエトロとペトロはどう見ても悪人に描かれているそうです。
それではまた!
また続きますのでお楽しみに~!
プラトンの哲学 (岩波新書)
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