日本の逸品とサッカー(浦和レッズ&アーセナル)の素晴らしさ-セスク
フランセスク・ファブレガス・ソレール(Francesc Fàbregas Soler, 1987年5月4日 - )

スペインカタルーニャ州出身の同国代表サッカー選手。
プレミアリーグ・アーセナルFC所属。
ポジションはMF。セントラルミッドフィルダー、センターハーフ、トップ下などMF中央でのプレーを得意とする。
愛称は「セスク (Cesc) 」。
身長:180cm、体重:74kg
特徴:類いまれなるパスセンスと視野の広さを持つ天才的なミッドフィルダー
時には相手を出し抜くような鋭いドリブルももつが、セスクが世界屈指のミッドフィルダーと称される理由はそのプレービジョンにある。

◆パスセンス
パスを貰う前からどこにパスを出すかどこに出せばよいのか、プレーの二手三手先を読み相手の死角を突くスルーパス、DFラインの裏を取るロングパスを絶妙のタイミングで出すことが多く、プレミアリーグでのアシストランキングの上位を占めている。

セスク・ファブレガス過去5シーズンアシスト数&ゴール数(プレミア)
2010-11:3位 アシスト:14 ゴール:3
2009-10:2位 アシスト:15 ゴール:14
2008-09:3位 アシスト:10 ゴール:3
2007-08:1位 アシスト:19 ゴール:7
2006-07:1位 アシスト:13 ゴール:2

◆プレービジョン
良く視野の広い選手に対してスタンドから見たような視野を持つと言われるがセスクこそがそう称されるにふさわしい選手。

通常、プレー時にはボールを足で扱うことからボールコントロールが乱れることや視線を足に落としてボールを扱うことが必要となる。

ところが視線を足に落とした瞬間、周囲の選手が動き続けていることから周囲とのコンビネーションにズレが生じることになる。

良い選手は、ほとんど視線を下に落とさずにプレーできるため常に周囲の動きを視野におさめてプレーができる。

そしてセスクの場合、その更に上を行く。

サッカーでは、味方の選手及び相手の選手が動いることから、その動きを予測してパスを出さなければミスパスになってしまう。
さらに視野においても前方に敵味方多くの選手が入り乱れていることから、その視野は著しく制限されてしまう。

目の前に柱が何本も突っ立っているようなもので、その先を見通すことは普通の選手には難しい。

セスクのプレーぶり・パスを見た人は驚くだろう。
彼のパスは、まるで前方にいる敵味方の選手たちが透明で、全ての視野が開けた状態でプレーしているかのように見える。

そのパスはグラウンダーのスルーパス有り、ピッチの中央からDFラインの裏やゴール前へのミドルパスやロングパス有り。
まるで視野を遮る障害物など何もないかのように美しいパスを繰り出す。
そしてそのパスが高い確率でゴールへと結びつくのだ。

アシスト数はもちろん、欧州5大リーグで最もチャンスを作り出している選手は、セスク・ファブレガスだという調査結果もあるとのこと。

◆パス&ゴー
セスクはワンタッチパス・ショート~ロングパス・ドリブルと全てに優れているが、2009-2010シーズンからは得点力も加わった。

元々、パスを出しっぱなしの選手ではなくパスを出した後も前方に走ることで、次の次のプレーがより得点チャンスにつながるように考えているが、パスを出した後にゴール前に走りこんでリターンパスやこぼれ球をゴールに叩き込む決定力に磨きがかかった。
2003年のU-17世界選手権で準優勝かつ5ゴールで得点王&MVPに輝いたように得点力の素質があったことが花開いたと言える。

セスク・ファブレガススーパープレー


◆バルセロナ~アーセナル
セスクはFCバルセロナのカンテラでメッシやピケと共に育った。
この時のチームは無敵だったとのこと。
当時から将来を嘱望されていたもののトップチームには同じポジションにシャビやイニエスタといった名手がいたことから、アーセナルに移籍を決意。

アーセナル監督アーセン・ベンゲルはセスクの才能にほれ込み、16歳で移籍してきたセスクに対して初年度からゲームに使い始め、
二年目からはレギュラーとしてセントラルMFという重要なポジションを任せた。
三年目の2005-06シーズンには、当時世界最高のミッドフィルダーと言われチームのキャプテンだったパトリック・ビエラをユベントスに放出。
18歳のセスクに後継者の座をゆだねた。

ビエラ自身、まだ衰えは見られず、移籍したユベントスではレギュラーとしてセリエA優勝(後にカルチョスキャンダルではく奪)に貢献している。

2008年11月29日から、前任のギャラスに代わってアーセナルのキャプテンに就任してプレミア屈指のプレーメーカーとして活躍している。

近年、筋肉系の怪我を繰り返す傾向にあり、シーズンフル稼働ができていないが、出場した試合では必ず輝きを見せる。

2009-10シーズン19節アストン・ビラ戦では、怪我をしてベンチスタートのセスク。
なかなか点が入らずスコアレスの展開が続く中、56分に出場したセスクはわずか30分で二点をゲットし勝利をアーセナルの手に収めた後にハムストリングを痛めて交代とセスクの凄さを見せつけた試合となった。

そのほかにもACミランに世代交代を突き付けたチャンピオンズリーグでのゴールなど、
セスクのゲームを支配する能力は、メッシとは別のプレースタイルながら世界最高峰のプレーぶり。

◆スペイン代表
代表においても10代の頃から出場し、2006年3月1日のコートジボワール戦で代表デビュー1アシストを記録。

2008年のユーロ(欧州選手権)
21歳ながら10番を背負い準レギュラーとして優勝に貢献。
4アシストでアシスト王に輝く。
この大会までのスペインは万年優勝候補として揶揄され皮肉をこめて無敵艦隊と呼ばれていたが、ついに優勝を果たしたことで、
真の無敵艦隊の船出となった。
(歴史上で無敵艦隊と呼ばれたスペイン艦隊が1588年イングランド侵攻を行いアルマダの海戦で敗北した様と、スペイン代表が優勝候補に挙げられながら敗北を繰り返す様と絡めている)

ユーロスペイン優勝動画

2010年ワールドカップ
同じく10番を背負うも、シャビ・イニエスタ・ブスケッツがレギュラーとして揃った中盤にスーパーサブとして存在感を見せる。
ただ、3月31日のCLバルセロナ戦で右足ひ骨を骨折しており、骨折は治ったもののその影響で
筋肉系の小さい怪我を繰り返しておりレギュラーとしては難しい状況だった。

(CLリーグ準々決勝第一戦、ファウルを受けて得たPKを自ら決めて試合をドローに持ち込んだが、PK後すぐに交代)

しかし、ワールドカップ決勝のオランダ戦では、それまで膠着状態だった試合が80分のセスク投入で明らかにスペイン有利に流れ、延長後半ついに、ペナルティエリア手前からセスクが出したパスをイニエスタがゴールし、決勝アシストを演出することになった。



試合終了後、アーセナルの同僚、ロビン・ファン・ペルシと抱き合い、優勝後、「自分が成長し、ここまで到達できたのは、正しい道に導いてくれたアーセナルの関係者のおかげです」とヴェンゲルに伝えている。

◆セスクの将来
セスクは、常にバルセロナでプレーすることが自分の幼い頃からの夢と公言し、
同時に僕をここまで育てくれたアーセナルとベンゲル監督を始めとした関係者への感謝を口にし、両方のクラブが僕の心のクラブだと表明している。

ただ、幼いころからの夢であるバルセロナでのプレーそして世界最高の選手となることを実現するためにどちらのクラブでプレーするかどうかはバルセロナとアーセナルの両クラブに委ねられている

セスク・ファブレガスとアーセナル


セスクファブレガスパーフェクト