(最新更新日 2014年06月24日(火))
前回No.2
(←リンクします),で,アメリカ合衆国では,石油石炭をボンボン燃やして,国民はふんだんに電気を使い,快適な生活をしていると,書きました。
それって本当なの
CO2削減なのになぜ
と,思う方がいらっしゃるのでここに付け加えます。
石炭石油天然ガスを使い続けるのは,人としてよりスマートで(理にかなう)美しい生活になるのでしょうか
下の図は,米国エネルギー省(DOE)が毎年発表している,国内のエネルギー需給の見通しをAnnual Energy Outlookという名称で毎年発表している計画です。
その2005年版によりますと,アメリカ国内では,現在もこうなのですが,今後も天然ガス,石油や石炭の消費量は年々増加していくとされています。 ↓
グラフは5枚とも,クリックの上,拡大してご覧下さると見やすくなります。 ↓
また,アジア各国についても,下に典型的なグラフを示します。
やはり2005年くらいに作られて,日本の資源エネルギー庁や専門家も同じものを使っています。 ↓
↑ 左上表の数字でお分かりのように,アジアでは,大体年間2~4パーセントで,石炭石油天然ガスの消費はどんどんと伸びていくのです。
さらに,こちら3枚目のグラフ↓は,世界をまとめたものです。
やはり,石炭石油天然ガスの伸びはたいへんなものですね。 ↓
このように,世界各国では,大体石油換算で,50~70億トンくらいが石炭石油天然ガスの3つで主力の第1グループを作ります。
さらに,下のグラフでも,2030年まで,石炭石油天然ガスの消費の伸びは著しいですね。 ↓
その一方で,驚くのは
第2グループの原子力とか日本でよく言う太陽光や水力などの再生可能エネルギーで,石油換算で10億トン以下
にしかすぎません。↓
原子力,再生可能(水力含んで)のエネルギーは本当に少ないものです。
驚いてしまいますが,ほとんど伸びなどはないというのが正直なところです。 ↓
アジア各国の消費が大きいのは,中国・インド・タイ・マレーシアなどの途上国の経済面での台頭が目立つからですね。 ↓
つまり,日本以外,殆どの先進国も途上国も,実は2005年から2030年まで,何を使ってエネルギーを作るのかと言いますと,石炭石油天然ガスを主力として増やしていく,ということなのです。
逆に言いますと,世界各国で,原子力と水力や太陽光などの再生可能エネルギーは殆ど伸びず,化石燃料をどんどん燃やし続けるのが,アメリカなど各国の当たり前の政策なのですね。
ここまでお読み下さいました皆様は,とても意外に思うかも知れません。
日本国内で,これら5つのグラフは決して報道されませんから,新聞・テレビなどでご覧になった方は,いらっしゃらないと思います。
ですが,これらのグラフが私達に言っていることは,非常に重要なことです。
それは,石炭石油天然ガスが,近い将来無くなると考える国は,1つもないと言うことです
どの国の資源学者の計算でも政府要人レベルでも,石炭石油天然ガスはあと1万年はもつ,というのが科学と政治の常識なのですね。
こういう推移で世界はエネルギー消費を考えているのです。
日本のように「数十年,数百年単位で,石炭石油天然ガスがなくなる」と考えている他の国は1つもないのには驚きますね。
日本はこの20年間,節電・節エネ・節約と言って,石油石炭天然ガスを使うのを抑えてきました。
しかし,これは何を意味するのでしょうか。
ある国が,発展するかどうかは,国民の総活動量=総エネルギー消費量で決まります。
国が栄えるかどうかは,エネルギー消費をどれだけたくさん使うかで,決まるのです。
国の発展量=国民の総活動量=国民の総エネルギー消費量
ですから,この20年間,節約してきた日本は,エネルギー消費量を削ったので国の力はどんどんと衰えてきたのです。
この日本に,大震災と原発爆発が追い打ちを掛けました。
ここで,
今よ
と狙いを定めてきたのが,
中国の尖閣諸島と韓国の竹島の領有権主張だ
ったのです。
みなさんの多くは,中国や韓国はひどいと言いますが,
元はと言えば,日本が国策として掲げてきた,節電や節エネによって国力が弱まってきたのが原因です。
おかしな言い方なのですが,
中国の尖閣諸島と韓国の竹島の領有権主張は,日本の計画通り,日本国民が望んだこと,なのですね。
ここを,中国や韓国は見逃さなかった,と言うことなのです。
パナソニックやソニーがサムスン電子に技術力や人的パワーの面で負けてしまうのは,当たり前なのかも知れません。
日本が節約して,石油石炭天然ガスを使わなくても,これは全く節約にはなりませんね。
だって,日本には石油石炭天然ガスはないのですから…。
考えてみましょう。
いくら日本が石油石炭天然ガスを節約しても,
中国や韓国,ブラジルなどの南アメリカ,東南アジア諸国,アフリカの新興国が競って使いますから,
何の意味も無く,
これでは,逆に日本はまけてしまうのですね。
もっと簡単にイメージしましょう。
中東を出た原油タンカーが,東南アジアにあるマラッカ海峡を渡ります。
今まで日本に来ていたタンカーが,西に舵を切って,中国や韓国にドーンと石油を運び入れるだけのことです。
そして,中国や韓国だけが発展するのです。
国が栄えるか,滅びるかを決めるのはエネルギー政策次第なので,各国首脳は,そこはよーく考えているのですね。
もしこのグラフをみんなに見せると,
「なぁーんだ,日本も他の国と同じように,別に石炭石油天然ガスを使えば良いじゃないの?」
という話になります。
そうすると,日本国内で盛んに宣伝している太陽光発電や風力発電がだめになってしまうのですね。
何のために,開発に時間とお金ばかり掛かる自然エネルギーを使おうとしているのか,よく分かりませんね。
このように,日本だけが,他の世界の国々と違って特別なことをしようとするときは,何かよほどしっかりとした理由がないといけないと思います。
日本として将来的に再生可能エネルギーで良いのかどうかは,方向を間違えないように,これからの若い皆様でぜひ考えてほしいですね。
他の国はエネルギーをどんどん使って発展するのに,日本だけが衰退や没落につながるのでは,将来の子供達が困りますから…。
CO2削減は意味がないと世界の科学者や各国首脳が考えていることは,別の機会に書きます。