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第1673回 諏訪 根自子 Nejiko Suwa



9月25日  哀悼 バイオリニスト諏訪 根自子さん逝去
◆戦前から天才少女とうたわれ、いち早く海外でも演奏活動を行った伝説のバイオリニスト、諏訪根自子(すわねじこ)さんが、3月に亡くなられていたことが知らされた(享年92歳)。
◆諏訪根自子さんは東京の生まれ。12歳で初リサイタルを開き、神童ぶりを発揮した。16歳でヨーロッパに留学、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団などと共演したほか、ナチスドイツの宣伝相ゲッベルスから名器ストラディバリウスを贈られた。
◆1945年、帰国。60年頃に演奏活動の第一線を退いたが、81年にはバッハの「無伴奏バイオリンのためのソナタとパルティータ」の新録音を出し、再び注目を集めた。
◆読売、毎日など、新聞では、ノンフィクション「美貌なれ昭和―諏訪根自子と神風号の男たち」を書いた作家の深田祐介さんは「美貌と実力を兼ね備えたアイドル的存在で、私もブロマイドを持っていた。戦争がなければ、もっと活躍できたでしょう」と話している」と報じた。今日は「一時代の音 バイオリニスト 諏訪 根自子さん」の特集です。




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        諏訪 根自子(すわ ねじこ) 〔略歴〕
1920年(大正9)年1月23日 - 2012(平成24年3月) ヴァイオリニスト。
 父・諏訪順次郎は玉方・庄内地方の肥料会社の経営者。資産家・諏訪八右衛門の子供。母 滝は酒田高女時代に声楽家を志望するほど音楽に傾倒した人。結婚直後、肥料会社が倒産、夫妻は東京に移住、根自子が生まれる。父・順次郎は、有島武郎、有島生馬などの作家、芸術家と親しく、クラシック音楽のレコードをよく聴いた。幼い根自子が耳学問で正確にレコードのとおりに歌うのを聴き、母・滝は1923年、満3歳の根自子を白系ロシア人の小野アンナやアレクサンドル・モギレフスキーにヴァイオリンを習わせる。
 1930年秋、来日したエフレム・ジンバリストの前でメンデルスゾーンの協奏曲を演奏して驚嘆させ、翌1931年には、朝日新聞に「天才少女」として紹介される。初リサイタルは1932年。「神童」として知られていく。その後、駐日ベルギー大使バッソンピエールが彼女に着目、1936年外務省の後援を得てベルギーに留学した。
 1938年パリに移り、原智恵子の紹介でカメンスキーに師事する。1942年には、田中路子を頼ってドイツに移り、ここで、クナッパーツブッシュ指揮のベルリン・フィルと共演、ドイツの宣伝相ゲッベルスからストラディヴァリウスのヴァイオリンを贈られている。この時期、第二次世界大戦中だったが、ベルリン、パリ、スイスでコンサートを開いているが、ベルリン陥落でアメリカ軍に拘束、米国経由で帰国している。
 以後、日本で井口基成、安川加寿子らとコンサートを開くが、60年以後、演奏の第一線から引退する。絶世の美貌を謳われた根自子、以降、消息はほとんど聞かれず、伝説の人となっていたが、バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」がキングレコードから発売された(1978年~1980年録音)。1990年以降、私的なサロン・コンサートで気品と迫力のある演奏した、という。
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〔CD〕
『バッハ』 キングレコード 1994年
『ベートーヴェン』 キングレコード 1994年
『管弦楽組曲第3番「アリア」 他』 キングレコード 1997年
『日本の洋楽1923-1944』 ロームミュージックファンデーション 2002年
『荒城の月のすべて』 キングレコード 2003年
『TV-CMベスト. クラシック篇』 キングレコード 2005年
『「SP音源による」伝説の名演奏家たち. 日本人アーティスト編』 コロムビアミュージックエンタテインメント 2009年
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〔諏訪 根自子を描いた出版物 放送作品〕
『世界音楽全集. 第20巻』     1962年 筑摩書房
『美貌なれ昭和 - 諏訪根自子と神風号の男たち』
                    1983年 深田祐介著 文芸春秋

テレビドラマ
『美貌なれ昭和~東京ロンドン間1万5千㌔に挑んだ「神風」号の男たちの壮大なロマン・天才バイオリニスト諏訪根自子の華麗な旋律』
                    1985年 テレビ朝日



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pictures:fusensha.ocnk/time-az/kingrecords and other

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