昨日の夜、なんとなく昔のスケートが見たくなって、
ゴルデーワ&グリンコフの「月光」@リレハンメル五輪を見た。
ぼんやりとみるつもりが、やはりぐぐっと引き込まれ、
気づくと、狂ったように何度も繰り返し見ていた。

プログラムの冒頭、「ダーン」という音に合わせて
ふたりがただ片手をぐるんと大きく回すところがあるのだが、
そこから、もうぐいぐい引き込まれる。
なんだろう、この吸引力は。

ちょっとした所作から、美しい。
画質が粗いのでちょっと曖昧だけど、
例えばジャンプが決まったときなどの、
ゴルデーワの「わあ」っという一瞬の喜びの表情が、
さらに観る者(っていうか、私)を
ものすごい力でプログラムに引き込んでいく感じ。
ソロスピンでちょっとずれたり、
ソロジャンプでグリンコフがちょっと失敗したり、
そういったものを軽々と凌駕する美しさ。

私は2つ以上のものが同じ動きをする、っていう状態を
見るのがとても好き。
だから、アイスダンスよりペアに惹かれるのだと思う。

でも、なかでもこの2人のシンクロ感はたまらない。
ちょっとしたステップとか、イーグルの角度とか、
信じられないくらいにぴったりなのだ。

アマチュア時代の2人の練習風景を、昔テレビで見たことがある。
その時彼らはリンクの長い方を、
ものすごいスピードのステップで駆け抜けていったのだが、
それが、まさに「一糸乱れぬ」ステップだったのだ。
もう10年以上前のことだと思うので、
若干記憶は曖昧なのだけど、
とにかくその映像を見たときに
ものすごく驚いたことを覚えている。

さて現在のペアの状況について。
ちょっとどこか物足りない気持ちがいつも残ってしまう。
ゴルデーワ&グリンコフの流れを汲むようなペアが
なかなか見あたらない。
例えばソルトレイクまでの時期には
ベレズナヤ&シハルリドゼがいたのだけど。
ソ連の崩壊と、リンクしていることなのかもしれない。
それにCoPになってからは、
リフトの前から後まで忙しく動き回っている印象。
アクロバティックな部分のアイディアはどこからうまれるんだろうと
びっくり&すごいなあと思う部分もあるのだけど、
なんというか、優雅なのびやかなペアの演技が
今、とっても見たい気持ちです。