『ぶっちゃけ連載【島風どうでしょう】第2回』

こんばんは。たかく上等兵（1/350島風開発担当）です。

ただいま絶賛開発中の
日本海軍丙型駆逐艦島風 & 艦娘島風（仮）
についていろいろとお伝えしたい今日このごろ。
今日はキットの仕様がどんな感じなのか少しだけお話しようと思います。

……と、いうのも
昨日こんな画像をtwitter（@NFT_mxf）にアップロードしたところ
タイムライン上のみなさまがいろいろと推理してくれたからです。

これは船体内部です（設計データだと「模型の中」にダイブできるのが楽しい！）。
カンの良い人なら、船体と甲板がどんな分割で、どう接合されるのか、
そしてビルジキール（船底左右にある細長い安定版）をどう接着するのか
そのへんがなんとなくイメージできるのではないでしょうか。
（ピンク色に突き出しているのは台座の脚です）

「接着」と書きましたが、現在開発中の1/350島風は
スナップフィットモデルではありません（明言するのは初かも！）。
接着剤を使わないスナップフィットモデルというのは
「初心者にやさしい仕様」というイメージがありますが、
艦船模型のような模型にはちょっと向かないのではないか？というのがその理由です。

詳しく言うと……
・もしファーストステップとしてスナップフィットの艦船模型を作っても、他の艦船模型（接着や塗り分けを必要とするものがほとんどです）を作るときに技術が応用できない
・切る、貼る、削るという"模型を作ることの面白さ"をぜひとも多くの人に知ってもらいたい
・スナップフィットにすることで表面のディテールが暴れたり、かえって接合線が目立つ場合がある
といった理由に細分化されます。

スナップフィットじゃないから初心者には厳しいのか？というとそんなことはなくて、「ここは流し込み接着剤で貼りたいからパシっとハマってくれれば嬉しいな」というパーツは完全固定されない程度にパシッとはまりつつ、「ここはドロッとした接着剤を塗って組み立てが楽だな」というパーツは接着シロを大きく……みたいな感じで、組み立てていく過程をかなり綿密にイメージしながら設計を進めています。

なので、「初めての人でもきちんと接着剤を選んで手順を追えば必ず組み立てられる」という模型になっているはずです。

具体的には……

リノリウム（茶色い素材）の甲板上にホースをぐるぐる巻くリール（ホーサーリール）やハッチ、爆雷投射機が並んでいるところです。このへんのパーツはグレーなので、パーツが甲板と一体になっていると塗り分けがめんどくさい（&リールの形状とかがきちんと再現されないでかまぼこ型になってしまう）んですよね。かくいうワタシも「だいたいグレーに見えりゃいいっしょ」みたいなノリで筆で塗り分けたりしてきたのですが、今回はこれらを別パーツにして「塗ってから貼ればOK！」という仕様にしております。もちろん別パーツにしたことで形状も実物に忠実になっている……のですが、細かいパーツを貼るのってかなり気を使います。のりしろが小さかったり、差し込むダボが浅かったりするのがその理由ですね。

なので、今回の1/350島風では「のりしろは大きく！貼るのがめんどくさいところは見えないところで一体化しちゃおう！」というコンセプトでパーツを分割しております。

こんな感じ。

これはさっきの部分を裏側から見たものですが、甲板を貫通する穴の裏からハッチや通風筒をズボズボ差し込んで、裏側に広がった広大なノリシロでがっちり接着できるのがお分かりいただけるかと（なんならノリシロでふたつのパーツがつながっているのも見えますね）。こうすることで「ただ貼っただけ」でも「塗装済みのパーツを組み上げていくだけ」でもパーツの表面を汚したりせずにガンガン組み立てられるというのが特徴になっています。

なんだか今回は細かい話をしておりますが、
正確な模型！というのも確かに大事だけど、
「バンバン組める！」「あっ！こういう分割なのね～」みたいなのも模型の面白みだと思い、つい熱くなってしまいました。

次回はどこをお見せしようかな～、と思いつつ、今日はここまで。
ほんじゃまた！！