蕎麦:『和楽』 | 元広島ではたらく社長のblog

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六本木ヒルズや、ITベンチャーのカッコイイ社長とはいきませんが、人生半ばにして、広島で起業し、がんばっている社長の日記。日々の仕事、プライベート、本、映画、世の中の出来事についての思いをつづります。そろそろ自分の人生とは何かを考え始めた人間の等身大の毎日。

新蕎麦の季節。”通”というほどではなく、ましては自分で打ったりしないのだけど、蕎麦が好き。

昨日のお昼は、市内八丁堀を歩いていて、『和楽』という蕎麦屋があったのを思い出し、探した。あてずっぽうで、角を曲がると店があった。入り口には「新そば」の貼り紙。


雑居ビルの一階で、北一面からしか外の光が入ってこない。中も薄ぐらい照明。でも、清潔で、内装も綺麗。いすはゆったりではなく、やはり、短時間で食事をする人がメイン。


外は寒く、注文は「にしんそば」。なんだか、大人の東京人になった気分。(あれっ!京都だっけ?)10分以上待った。暖房に慣れるにしたがって、やっぱり冷たいざるを頼めばよかったと後悔。新蕎麦目当てで行って、「にしんそば」はないよなあ。

ニシンは、しっかり煮込んで味がしみておいしかった。小さい破片が数切れでなく、どんぶり一杯ドンとのっていた。麺は、白く細い。つゆもちょうどいい、あまさ、しょっぱさ。蕎麦湯もいっしょに出てきた。


「ニシン」という響きは江戸時代の廻船や、明治のニシン御殿のはなしを思い出す。ニシンは気まぐれな群遊をする魚で、しかし、大漁な時は言葉どおり、「御殿」が建つほど莫大な富をもたらす。このニシンが、やってくるのを夜通し浜で監視するのが「ニシン小屋」。この間読んだ、「親子鷹」や、「勝海舟」で知られる作家、子母沢寛も幼少時、北海道にいたとき、夜、ニシン小屋で、おじいさんに幕末から明治にかけての東京市井の人々の話を延々聞いていたという。「ニシン」の味は日本近代史の味がする。(←私が勝手に考えました)

nisin


午後1時ちょうどくらいに入って、客は3、4人。その客も全部出て行ったが、又すぐ1杯に。結構繁盛しているようだ。入ってきていきなり、親子丼を頼む人もあり、”通”の店というより、オフィス街の中のお店、あんまり、気張ってくる必要もなさそう。でもおいしかった。又行きます。どんなに寒くても、今度はざるで。