『ロックスターの最期』 | 元広島ではたらく社長のblog

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六本木ヒルズや、ITベンチャーのカッコイイ社長とはいきませんが、人生半ばにして、広島で起業し、がんばっている社長の日記。日々の仕事、プライベート、本、映画、世の中の出来事についての思いをつづります。そろそろ自分の人生とは何かを考え始めた人間の等身大の毎日。

ロニー・スペクターの『ロックスターの最期』

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1960年代活躍したロネッツというグループ。

『ビーマイベイベー』とかがヒットした3人グループ。濃いアイシャドーにつけまつげ、額の上に渦のあるヘアスタイル(ボリューム出しすぎ)の、同時代のシュープリームスや、日本のキャンディーズにもつながる、ポップスの一つの定番のような存在ですが、そのメンバーの一人がロニースペクター。

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スペクターといえば、有名な音楽プロデューサー、フィルスペクターが頭に浮かぶ。山下達郎や、佐野元春、ついでに渋谷陽一のラジオ番組で育った世代としては、さんざん聞かされてきた名前。ロにーはその大物プロデューサー、フィルスペクターと結婚したのだが、そこが運のつき。嫉妬心が強いのか、ほぼ世間と隔絶された軟禁状態のような結婚生活を送る。泥沼の離婚訴訟と、自らが歌った歌は封印され(スペクターの版権に)、ショービズから遠ざかる。しかし、ローリングストーンズのミック、キース、ビートルズのジョンレノン、ジョージと幅広い交友関係に加え、誰にでも優しい彼女のことが、ライナーノートにはびっしり書かれている。

そんな、苦労を経て久々に出した、このアルバム、野太い、がっしりした声で、これぞポップスというところをしっかり出している。ローリングストーンズのキース・リチャーズとのデュエットなんて、大人の恋ならぬ初老の恋。大昔の恋物語を懐かしく回想しているようで、・・・・・・かっこよすぎる。


ライナーノートの中には、彼女の優しさは、ニューヨークのスパニッシュハーレムで育った、アイルランド人の父、黒人とチェロキー(ネイティブアメリカン)の母の子で、中国人落ちも混じっているところにあるとしている。貧困層の中で育ち、何人という枠で争う無意味さを知り、残ったのが「優しさ」と。


今、60歳前後の彼女、かっこよすぎる。