最近TVで流れるCMで気になったのが2つ。
1つは、「ケンタッキーフライドチキン」。背広姿のお父さんが家に帰ると、妻と子供2人は、フライドチキンをほおばりながら、「お父さんのは無いよ」という表情。お父さんは泣きながら、フライドチキンを買いにいくというCM。もう1つは、「ピザハット」。こちらも、「今夜のご飯はピザだ!」と決まって大喜びする家族の風景のCM。
そのどちらのCMも、食卓と、そこに座る家族と、皿に盛られたフライドチキン又は、ピザだけという寒々とした風景が映される。
ファストフードの普及で、日本人の食卓が貧しくなっていることは、散々言われているけど、このCMのような風景が日本中で繰り返されていると思うと、なんとも悲しい。
小学生の学力の低下。「ゆとり教育」がその元凶といわれていたのに、陰山(陰山メソッドで有名な)先生が、朝ごはんをしっかり食べさせるだけで、学力が向上したというニュースがしばらく前にあった。今は、日本中の学校で「食育」という授業が行われ、食べることの重要性が教えられている。少しづつ、「食」について日本人の考えが変わってきている。
だが、そういう空気が少しづつ生まれている現在にあっても、ケンタッキーや、ピザハットは、営業努力をして売り上げを上げていかなくてはいけない。TV局も、「食の重要性」を言う一方で、冒頭のような不毛なCMを流さなくてはいけない。
「食べる」という行為は、長い時間をかけて習慣化するもの。学校、TV、CM、いつの間にか習慣化した「ファストフード食文化」をこれからどうやって、変えていくのか?もっと言うと、最近の、中国、インドの経済発展に伴う、食糧危機、BSE、鳥インフルエンザを含めて、「日本人の食」をどうするのかを、真剣に考えていなくてはいけないと思う。
最後は、一般論で詰まんないまとめ方をしてしまいましたが、少なくとも冒頭のCMを見たら、違和感を感じる日本人でありたいですね。