さよならトリノ、こんにちわサマランチ! | 元広島ではたらく社長のblog

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六本木ヒルズや、ITベンチャーのカッコイイ社長とはいきませんが、人生半ばにして、広島で起業し、がんばっている社長の日記。日々の仕事、プライベート、本、映画、世の中の出来事についての思いをつづります。そろそろ自分の人生とは何かを考え始めた人間の等身大の毎日。

トリノオリンピックが終わった。

ニュース以外では、見なかった。

近代オリンピックは既にその役目を終え、今はただの集金システムになっている。

『パンドラの箱の悪魔』という本が数年前に出た。

パキスタンの核スキャンダルや、日本の食がみすぼらしくなっていく様と共に、オリンピックスキャンダルについて書かれている。

国際オリンピック委員会(IOC)の委員が、オリンピック候補地選定に当たって、巨額の接待を受けていたこと。長野オリンピックでも同じ構図で多くの金が委員に贈られていたが、証拠書類となる招致費用25億円の帳簿が、誤って燃やされるという事件。スタジアム建設で儲かる建設業界、スポーツの浸透で儲かるスポーツ用品業界、上がった視聴率で多くのスポンサー契約を見込めるTV業界と、巨額のお金がIOCに吸い上げられていく構造。そして残ったのは、借金と使われないスタジアムと自然破壊。(ちなみにオリンピックの放映権アテネが14億ドル、日本円で1500億以上。IOCの取り分は40%約600億円、80人くらいの職員で山分けとなる。)

パンドラ

こんな話が書かれているけど、忘れた方も多いと思う。またそんなことがあったのとはじめて聞く人も多いはず。それもそのはず、TV局は、どんなどす黒い金が動こうともオリンピックの味方。トリノに合わせて、過去のオリンピックに蠢く黒い金を特集するTV局なんてあるわけないのだ。都合のいいときだけジャーナリズムを背負っているのがTV局なのだ。しかもTV局も大変な商売。毎回高額になる放映権料を稼ぐために、なんとしてでも視聴率を稼がないといけない。そのためには未熟な選手でもヒーロー・ヒロインにしなくてはいけないし、実力はないのに金メダル候補に仕立て上げなくてはいけない。マイナーな競技の多い冬のオリンピック、選手もマイナー級。ならばと、ダウンタウンの浜ちゃんをリポーターにしてがんばったフジテレビ、結果はどうだった?


金メダルを取った荒川静香選手。JOCから300万円、フィギア協会から200万円の報奨金さびしい。その荒川選手の首に金メダルを掛けたのが、オリンピックで巨万の富を築いた前IOC会長サマランチ翁!象徴的な影像で締めくくったオリンピックだった。