6月からお伺いしている岡山のクライアントの近くに石井十次の岡山孤児院跡があると知り、時間前に到着したので、行ってみた。
石井十次関連HP 岡山市 映画「石井のおとうさんありがとう」
石井十次が誰か知らない人はたくさん居ると思います。今年、松平健主演で映画ができています。結構はまり役です。俳優の北村一輝にも似てるかも。上記HPでその生涯を見てください。
石井十次を私が知ったのは、城山三郎の大原孫三郎の伝記「わしの目は10年先が見える」で、大原孫三郎が学生時代の放蕩生活から、慈善事業(労働問題研究所設立、大原社会問題研究所設立、倉敷中央病院設立、岡山孤児院支援)、文化振興事業(大原美術館設立)へと変わるきっかけを作った人として描かれていました。社会が明治維新、その後の近代化で一気に変化しているとき、そのひずみで生まれた多くの孤児を石井十次は、そのキリスト教精神とルソーやペスタロッチーという当時の新しい学問である教育学の理論で育てていく。その石井十次の史跡が思いがけなく近くにあると知り、うれしかった。
以前、私のHPに、台湾の李登揮元総統と、武士道、新渡戸稲造、札幌農学校のクラーク博士を結ぶ話を書いたが、いずれもキリスト教徒であり、ここ岡山は、キリスト教の日本救世軍の創始者山室軍平、キリスト教の著作も多い犬養道子(犬養毅首相の孫)も出身である。
岡山という地はキリスト教に縁がある。
人はおよそ一人では生きていけないもの。誰かを頼り、誰かに頼りにされて生きていくもの。年をとれば便りにされる方が多くなるもの。だが、歳をとっても責任というものからできれば逃げ出したいと思っているのが今の日本人かもしれない。
「明治の人」は偉かったというが、本当に偉かったと、こういう人に合うたびに思ってしまう。
自ら進んで責任を負っていく生き方は、キリストが十字架を背負ってゴルゴダの丘を登っていく姿に似ているかもしれない。