お里、澤市のおはなし ・・・ 壷坂霊験記 壷阪寺 ―5―
「壷阪寺―4―
」のつづきです。
壷阪寺の奥、裏側に柵がはりめぐらされており、柵の向こうは、ぐーんと落ち込んだ谷です。
後で知りました。
この谷の名前を「投身の谷」と呼ばれているそうです。
その投身の谷の側に、二人の像がありました。
お里澤市の像というそうです。
壷阪寺には、このようなお話が残されています。
「壷坂霊験記」です。
盲目の澤市は、年下の女房お里と貧しいながらも仲睦まじく暮らしていました。
ところが、いつの頃からお里は、明けの七つ(午前4時)になると床をぬけだして、いずこへと出ていくのでした。
いったいどこに通っているのだろうか。
澤市はお里に不審をいだくようになります。
・・・浮気をしているのではないだろうか。
盲目である劣等感が、猜疑心を深くします。
辛抱たまらなくなって、澤市は、とうとう女房を問いつめます。
「朝早く、いったいどこにいっているのだ。
もしや浮気をしているのではないのか。」
お里は、涙ながら、訴えるのです。
・・・澤市の目の病が治るようにと、
三年前から、壷阪寺の観音様に朝詣でをしているのだと。
澤市は、ハッとなり、そして疑ったことを詫びます。
誤解が解けて、あらためて澤市は、お里と共に手をとりあい、観音様をお参りすることにしました。
それがこの「お里澤市の像」の姿なのでしょうね。
何を思ったか、お里を先に帰らせます。
澤市は、一人になると、お里を疑ったことを、ひどく後悔します。
そして、自分が盲目がゆえにお里に辛い暮しをさせてしまっているのだと自分を責めます。
・・・お里を自由の身にしてやろう。
澤市は、「投身の谷」へ身を投げます。
帰路にあったお里は、ふと不吉な予感がよぎり、急ぎ引き返します。
そこで目にしたのは、谷底にある良人の姿でした。
突然のことに、嘆き、お里は、自らも谷へ身を投げてしまいます。
これが「投身の谷」のゆわれです
二人のせつない夫婦愛に、観音様が救いの手を差し伸べます。
奇跡が起こり二人は命をとりとめるのでした。
そして、澤市の目が開眼したのでした。
つづく
壷阪寺の奥、裏側に柵がはりめぐらされており、柵の向こうは、ぐーんと落ち込んだ谷です。
後で知りました。
この谷の名前を「投身の谷」と呼ばれているそうです。
その投身の谷の側に、二人の像がありました。
お里澤市の像というそうです。
壷阪寺には、このようなお話が残されています。
「壷坂霊験記」です。
盲目の澤市は、年下の女房お里と貧しいながらも仲睦まじく暮らしていました。
ところが、いつの頃からお里は、明けの七つ(午前4時)になると床をぬけだして、いずこへと出ていくのでした。
いったいどこに通っているのだろうか。
澤市はお里に不審をいだくようになります。
・・・浮気をしているのではないだろうか。
盲目である劣等感が、猜疑心を深くします。
辛抱たまらなくなって、澤市は、とうとう女房を問いつめます。
「朝早く、いったいどこにいっているのだ。
もしや浮気をしているのではないのか。」
お里は、涙ながら、訴えるのです。
・・・澤市の目の病が治るようにと、
三年前から、壷阪寺の観音様に朝詣でをしているのだと。
澤市は、ハッとなり、そして疑ったことを詫びます。
誤解が解けて、あらためて澤市は、お里と共に手をとりあい、観音様をお参りすることにしました。
それがこの「お里澤市の像」の姿なのでしょうね。
何を思ったか、お里を先に帰らせます。
澤市は、一人になると、お里を疑ったことを、ひどく後悔します。
そして、自分が盲目がゆえにお里に辛い暮しをさせてしまっているのだと自分を責めます。
・・・お里を自由の身にしてやろう。
澤市は、「投身の谷」へ身を投げます。
帰路にあったお里は、ふと不吉な予感がよぎり、急ぎ引き返します。
そこで目にしたのは、谷底にある良人の姿でした。
突然のことに、嘆き、お里は、自らも谷へ身を投げてしまいます。
これが「投身の谷」のゆわれです
二人のせつない夫婦愛に、観音様が救いの手を差し伸べます。
奇跡が起こり二人は命をとりとめるのでした。
そして、澤市の目が開眼したのでした。
つづく