早朝の急患で来たプードル君には食道が拡張してしまう巨大食道症がありました。口から胃までの間の食道が伸び切ってダランと広がり食べ物を胃に送り込むことが出来ません。
バリウム造影剤を飲ませてだいぶ時間が経つのですが、食道にたっぷりとバリウムがたまっています（写真中央部）。普通は食べ物も水もゴクンと飲み込めばすぐに胃の中へ送り込まれますが、この子は食道内で止まってしまうのです。
重症筋無力症など筋肉や神経の異常から起こることもありますが、管理が難しい病気です。誤嚥性肺炎を起しやすくそれが死亡原因につながります。予防としては食事を高い台の上におき、立ったまま食べさせ、食後もしばらく立たせておく事で胃の中へ食べ物が流れるようにします。今回も食べ物が逆流し肺に入ったので苦しかったようです。
