犬の単球増加症 | 大橋動物病院(幸手市)のブログ

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動物取扱業登録 第71-0132号

 他院で白血球が多いと言われた11才のワンコ。抗生物質にも反応せず吐き気もあるようです。そちらの病院では器械で白血球の分類をしていますが、細胞の状態を直接観察するのには血液塗抹が役立ちます。
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 器械ではリンパ球と単球が一緒になってしまっています。その白血球が腫瘍化しているかどうかも分かりません。

中央に三つあるのが単球です。まわりは赤血球です。
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中央2つが単球で囲むように3つある紫の核が細いのは好中球です。
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 白血球総数はは35000あり、単球と好中球が増加しています。一般に好中球の増加は細菌感染、単球増加は慢性炎症によるものと考えますが、生化学検査、レントゲン、エコーでは異常がなく、慢性的な感染病変があるようには見えません。そうなると単球性白血病の前段階である可能性も出てきます。


 今日の血液塗抹では異常な分裂を起こした単球は見つかりませんでしたが、これからも時々血液検査をして単球がどのような経緯をたどるか見ていくことが必要です。

 点滴で気分が良いのかフードも食べ吐く様子もありません。白血病でないと良いのですが・・・
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