12月7日
午前7時前
猫被リ(ことsayo)が勝手口に行くと雉虎猫が鳴いていた。
猫被リは朝食を供した。
猫飯(白米ティースプーン2杯+鰹節)

雉虎猫は直ぐ食し始め、警戒は怠らず、しかし熱心に食しているように見えたが
半量程食したところで止め、どこかへ行ってしまった。
7時20分頃
雉虎猫は勝手口に戻り、

先ず猫皿の水を飲んだ。

次いで猫分けしてあった猫飯を食した。
途中、
雉虎猫は野鳥の鳴き声に顔を上げた。
雉虎猫は枝折戸の方へ走り、
椿の木の下で野鳥を見上げた。
そして(恐らくは無念の)声を3度ほど漏らし、
椿の枝でで野鳥を狩るすることを諦めた。
雉虎猫は枝折戸の近く迄走り、

生垣のきゃら(伽羅)の木に飛び付き、登ろうとした。
雉虎猫は今度はそこを拠点に野鳥を狩ろうとしたらしい。
結局雉虎猫は諦めた。
雉虎猫は木から飛び降り、勝手口の方に向かった。

そして猫被リの膝に丸まった。
7時40分
猫被リが家に入ると
雉虎猫は再び狩を始めたようだった。
先ずは

植木鉢の蔭から
次いで門扉の蔭から、獲物を狙い始めた。
そしてその侭どこかへ出掛けたようだった。
8時過ぎ
雉虎猫は濡れ縁に戻り、
鳴いた。
濡れ縁に猫分けしてあった猫飯を置くと

雉虎猫は食し始めた。
11時50分頃
雉虎猫は

勝手口に上がり

鳴いた。
猫被リが昼食の用意をすると、
雉虎猫は猫被リの足許について走った。
昼食が供された。
猫飯(白米ティースプーン2杯+鰹節)
雉虎猫は
そして食し始めたが

猫被リを呼ぶ竜胆(こと家人3)の大声に驚き、
走り去った。
猫飯はほとんど食されず残った。
午後1時46分
雉虎猫の鳴き声が聞こえた。
猫被リが勝手口の扉を開けると
雉虎猫が(恐らく濡れ縁から飛び降り)
駆け寄ってきた。
雉虎猫は猫被りの足許を擦りぬけるように
キャラ(伽羅)の生垣の後ろへ回り、
雉虎猫は枝折戸の方まで走り、獲物の様子をうかがった。
雉虎猫は鳥を狙うことは直ぐに諦めた。そして猫被りの膝に乗った。
雉虎猫は膝の上で猫の正坐の体勢を取り、通りを眺めた。
そのとき
猫戯ラシが濡れ縁の方から歩いてきた。
雉虎猫はその足音に驚き、
枝折戸まで飛ぶようにして逃げた。
近づいてくる足音が猫戯ラシのものだとわかると
雉虎猫はすぐに近くへ歩いてきた。
そして生垣の前に置かれた台車の匂いを熱心に嗅いだ。
転位行動だろうか、と猫被リは考えた。
雉虎猫は勝手口から台所側へ走った。
そして
濡れ縁に飛び乗り台所の様子を窺った。
台所には誰もいなかった。
猫被リは再び

鳥の声に注意を向け始めた。
そして

濡れ縁を飛び降り、向かいの家の階段を上がって庭に侵入していった。
2時10分頃
雉虎猫は庭で遊び始めた。
猫被リが庭に出ると
雉虎猫は庭石の方から走ってきて、鳴いた。
猫被リが雉虎猫の背を撫でると、雉虎猫は猫被りの周りを回った。
そして、

膝の上に飛び乗った。
猫戯ラシがアスパラガスの葉を振り始めた。
雉虎猫はアスパラガスの葉を追い、

サザンカ(山茶花)の木に飛び付き、

庭石の蔭に潜み、そこから走ってアスパラガスに飛び付き、

庭の隅から少し冷めた様子で辺りを見回し、

庭石に飛び乗り

正統ねこじゃらしスタイルでアスパラガスの穂に戯れついた。
月は心持高く上がったように見えた。
3時半
雉虎猫は濡れ縁に戻って来ていた、らしい(猫戯ラシ・談)
5時
空の西に
夕焼けの残照が
南東南に月があった。
雉虎猫は
帰宅し、濡れ縁に上がって鳴いた。
猫被リは雉虎猫の傍に行って背を撫で、
台所に戻った。
日が沈み、辺りは暗くなった。
雉虎猫は静かに濡れ縁に坐り
毛を立て、体を縮めて外を眺めていた。
寒いのならば濡れ縁の段ボール箱に入ってくれれば、と
猫被リは考えた。
しかし雉虎猫は箱に入ろうとはしなかった。
かといって何かを張りつめた様子で待っている、あるいは警戒している、
と云う感じでもなかった。
猫被リには雉虎猫が不思議に思えた。
5時半を回った頃
猫被リは夕食の準備をし、雉虎猫を呼んだ。
雉虎猫は
勝手口へ走り、
猫被リの回りを走り回った。
夕食が供された。
幼猫用キャットフード 約25g
雉虎猫は
素早く食した。
暗くなった空に
月が昇って行った。
5時40分
雉虎猫の姿は勝手口にも庭にも簡易温室にもなかった。
6時半
雉虎猫は簡易温室で寝ていた、らしい(竜胆・談)
9時
雉虎猫は簡易温室で眠っていた、らしい(猫寄セこと家人1・談)
猫寄セは今日殆ど雉虎猫に合っていなかった。
猫寄セは雉虎猫を箱から抱き上げ、居間の掃き出し窓迄来た。
猫被リと猫戯ラシは窓際に寄って行った。
雉虎猫は眠そうだった。
猫寄セは嬉しそうだった。
猫被リは雉虎猫の頭を撫でた。
猫寄セは雉虎猫を暫く抱いて、
それから簡易温室の段ボール箱に戻した、らしい。
雉虎猫はまた眠った、と云うことだった(猫寄セ・談)。
月は既に
西に傾きつつあった。
…雉虎猫は猫飯の食事が嫌になったようだ。
これを贅沢、我儘、などとする見方が家の中では主流を占めているが
強ちそうとはい云えないのではないか、と自分は思っている。
猫は本来魚は主食ではないんです。猫はなぜか魚が大好きだけれども。本当は陸上の四つ足哺乳類を食べるように身体の構造ができているのです。それを、魚ばっかり食べさせていると。「オールフィッシュ・シンドローム」という病気になります。栄養が偏って、猫に必要な栄養分が不足するからです。症状としては、神経炎が原因のいろいろな病気にかかります。繰り返しますが。猫は本来魚を食べる号物ではないという認識が必要です。もし魚が主食なのであれば、猫はもっと泳ぎが上手になるように進化しているはずです。
(「猫に関する100問100答」 野村潤一郎p69~70)
昔のイエネコはカツブシごはんや味噌汁ごはんだったから、栄養の不足分は外で補わなければいけなかったわけです。トカゲやバッタを食ったり、ススメや弱った野鳥、またはネズミやモグラを食って栄養のバランスを取っていたとおもうんですが(略)
(「猫に関する100問100答」 野村潤一郎 p160)
ところで。
猫の瞳がなぜ縦長なのか、について以下のような仮説がある。
猫も、もともとは草むらで獲物を捕る動物です。草は地面からまっすぐ縦に伸びています。その中で獲物を見つけるためには、もしかしたら丸い瞳のボケ味よりも、縦長の瞳のボケ味の方が有利なのではないか。
(「猫に関する100問100答」 野村潤一郎 p96)
猫はなぜ四万ヘルツの超音波まで聞こえるのかについては以下のとおり。
なぜ四万ヘルツまで聞く必要があるかというと、それはひとえに鼠を捕るためです。ネズミというのは超音波で会話をします。自分の餌であるネズミを捕るためには、その声が聞こえなくてはならないわけです。
(「猫に関する100問100答」 野村潤一郎 p88)
引用が長くなった。纏めるとこういうことだろう。
つまり、ご飯に鰹節を塗した「猫まんま」は猫にとっては極めて劣悪な「猫ゴハン」です。ネズミを捕らない現代の猫に「猫まんま」だけを与えるなら、それは虐待行為だといっても言い過ぎではないでしょう。
(「猫のなるほど不思議学」 岩崎るりは p252~253)
雉虎猫の猫飯拒否を我儘とはいえない気がする。
問題は「勿体無い」「(野良)猫の癖に」「その金をこちらも回してほしい」という発想が頭から抜けない、経済観念の発達した家人と序列的発想が血肉化している家人と自己中心派な家人を如何様にに説得するか…。
雉虎猫のハンストを無碍にしたくない。
いずれにせよ、貧乏人が猫を飼うのは難しい、ということが骨身にしみてよく分かってきた、寒風吹き荒ぶ師走上旬。
僕が言いたいのは、自分の力量を考慮に入れた飼い方をしてほしいということです。
(「猫に関する100問100答」 野村潤一郎 p84)
この言葉が堪える。
気を取り直し。
猫の肉食性に関連してもうひとつ。
猫は完全肉食動物です。完全肉食動物と云うのは、お腹が減っている時間とお腹がいっぱいの時間が交代に来て、身体のバランスがとれるようになっています。具体的に言うと、暴行の中のおしっこのPHが、腹が減っているときは酸性、腹がいっぱいの時はアルカリ性に傾く傾向があります。いつも満腹と云うことはおしっこが何時もアルカリ性で、これは膀胱の中に欠席を作りやすい環境なのです。
(略)ですから、空腹の状態を作ってあげないことが、肉食動物にとっては致命的になることがあります。
(「猫に関する100問100答」 野村潤一郎 p102~103)
…猫ってデリケート。